知的冒険が楽しめる研究図書館のミュージアム
<東京都文京区>

1095
国指定名勝・六義園のすぐそばには、六義園を東京市に寄付した三菱財閥3代目社長・岩崎久弥(いわさきひさや)氏によって1924(大正13)年に設立された「東洋文庫」があります。ここは、国宝や重要文化財を含む約100万冊が蔵書された東洋学の研究図書館で、その規模はアジア最大。しかも、貴重な資料は原則すべて公開されていて、閲覧や複写も可能。オンライン検索に対応するためのデータベース化もすすめられているなど、思いのほか多くの人々に開かれている施設です。 さらに、2011年にオープンしたミュージアムでは、一般向けの企画展示が行なわれていて、テーマに沿って分かりやすく貴重な資料が展示されています。図書館のミュージアムってどんな感じなのか気になりますよね。

 

a1182
a1175エントランスを抜けてすぐのオリエントホールは、高い天井と大きなガラス面の開放的な空間。上の写真右側に写っている展示ケースは国内最長らしいです。ケースのなかには、様々な言語で記された貴重な古書がズラリ、それぞれ付いている解説まで読んで進むと結構時間かかりました。さすが国内最長です。そして、2階へあがると…

 

a1112
1104
三方を囲む本の壁「モリソン文庫」がどーんとお出迎え。北京駐在のオーストラリア人ジョージ・アーネスト・モリソンから、1917年に岩崎久弥氏がまとめて購入したコレクションで、その内容は東アジアに関する欧文の書籍・絵画・冊子など約2万4千点。古書が醸し出す重みと美しさが混然となった空間は、足を踏み込むと映画の登場人物になったような気になれます。ちなみに、フラッシュを使わなければ写真撮影もOK。モリソン文庫を背景に撮影すれば、知的かつインパクトのある画像がとれそうじゃないですか?

 

a1125
モリソン文庫の次に足を踏み入れるのは「回顧の路」。ここから先が企画展示になっていくのですが、極限まで絞られた照明がや、クレバスを渡るような演出など、冒険におもむくようなドキドキ感が味わえます。頭のなかでは、有名な考古学者・ジョーンズのテーマが…つきあたりで輝くドアの先には、人類の叡智が詰まった文字群がまっているのです。

 

a1179
企画展で知の冒険を楽しんだあとは、併設レストラン「オリエント・カフェ」へ足を運んでみては。こちらでは、かつで岩崎久彌が主を務めた小岩井農場のこだわり素材を用いた、東洋文庫ゆかりのメニューが提供されています。食事・喫茶いずれの目的で利用しても、上質な時間を過ごす満足感に浸れるはず。ただし、貸切予約が多いようですので、訪問前にHPなどで営業時間のご確認を。

将軍・綱吉も頻繁に訪れたと伝わる国指定名勝
<東京都文京区>

1200
1695(元禄8)年に五代将軍・綱吉から土地を与えられた柳沢吉保が、7年の歳月をかけて造り上げたといわれる「六義園(りくぎえん)」。綱吉も頻繁に訪れたという記録が残る回遊式築山泉水庭園は、明治時代に入り三菱創設者・岩崎弥太郎(いわさきやたろう)氏の所有となり、さらなる手入れが施されたという名園です。1938(昭和13年)に東京市に寄付されてからは一般人も入れるようになり、その魅力を楽しめるようになりました。建物が乱立する都会のなかでいまなお豊かな緑を保ち続ける空間は、多くの人々が訪れる名所となっています。

 

1210
1346
1953(昭和28)年には国宝と同格とされる特別名勝に指定されており、園内はとても良く整備されています。とても広い敷地なので、多くの人が訪れても混雑という感じにはなかなかなりません。通路のバリエーションも多く、なかには車いすで一周できるルートもアリ。のんびり景観を楽しみながら散策すれば、何だか高貴な身分になった気に。

 

1215
入口からちょっと進むとでてくるのは内庭大門(ないていだいもん)と呼ばれる門で、東京市へ寄付する前の岩崎家(三菱財閥創業家)が所有していたころの様子を表しているそうです。現在あるのは再建されたモノですが、再現したのは東京市。十分に歴史的建造物といえそうです。

 

1219
内庭大門をくぐるとあらわれる大きなシダレザクラは、お花見スポットとしても有名。開花時期にはライトアップが行なわれるとともに開園時間も延長され、観桜客が押しよせます。岩崎家の家屋もこのあたりに建てられていたと伝わっていますが、現在の景観からは想像できませんね。

 

1237
1246
六義園は紀州(和歌山県)和歌の浦の景観をモデルに作られ、ポイントとなる小島や松などは、柳沢吉保の文学的造詣が反映されているといいます。そのため和歌などに知見があるとより味わいが深そう。ただし、知見が無くても心配はいりません。六義園八十八境と名付けられたポイントには、それぞれ解説が書かれていますので、裏にあるストーリーも楽しめますよ。

 

1288
1278
園内の四阿(あずまや)はほとんどが復元されたものですが、戦火を免れ岩崎家が建てた当時の姿を伝えているのが、主な柱と梁にツツジの木が使われた「つつじ茶屋」です。成長の遅いツツジの木材を集めるのは困難であるため、歴史的価値に加えて希少価値も高いそう。また、周囲をモミジに囲まれているので、紅葉時期には絵になる景観を生みだします。

 

1306
1313
個人的なおすすめは藤代峠。階段を1-2分上がったところにあるスペースからは、庭園の広範囲が望め、城ではないけど城主気分。ビルが見えてしまうのも都会の庭園ならでは。江戸・明治時代に作られた庭と現代の建造物を同時に見ると、自然と「時の流れ」を感じるのではないでしょうか?

 

1296
園内散策の途中で足を休めるのにぴったりなのが吹上茶屋です。看板メニューの「抹茶と上生菓子のセット」を池に面した席で頂けば、とても優雅な気分になれるはず。美しい庭園の景観に溶け込んだ風情のある建物は、フォトスポットとしても人気です。また、ここでしか買えないお土産もありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

 

1093
六義園まで足を運んだなら、正門から数十メートルの場所にある東洋文庫にも足を伸ばしてみてはいかがでしょう。ここは、六義園を東京市に寄付した三菱財閥3代目総帥・岩崎久弥(いわさきひさや)氏によって設立された東洋学の研究図書館で、国宝や重要文化財を含む約100万冊が蔵書されています。2011年にオープンしたミュージアムでは、一般向けの企画展示が行なわれていて、貴重な資料を目にすることができます。

 

【東洋文庫ミュージアムは別記事で紹介しています】

知的冒険が楽しめる研究図書館のミュージアム<東京都文京区>

https://machi-tabi.jp/archives/33146