丘陵地に発達した“どこか独特”な商家町~白市~後篇
<広島県東広島市>

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門構えや屋根、そして装飾などが、ひときわ目立っていた「伊原八郎家」。白市の町並みを散策するのであれば、必ず見ておきたい家屋だ。1915(大正4)年から約2年かけて建設されたと言われており、格子窓も豪華な造りである。※個人所有となっているため、内部の見学は不可となっている

 

細い路地を入っていくと、立派な山門がそびえ立っていた。こちらは「養国寺」。諸説あるようだが、町の起こりは中心部に建つ養国寺の門前町が起源と言われている。1184(元暦元年)年創建、当初は真言宗の寺院であったが、1500年代後半(天正年間)より浄土真宗白龍山・養国寺と称している。本堂は江戸時代に建てられ、当時のものとしては規模が大きく装飾的である。

 

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養国寺山門からの風景。丘陵地に発達した町である白市は、まさに「坂のまち」だ。

 

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さまざまな土地へ伺い、町歩きをしていると当初は注目しなかった部分にも目が届くようになった。石積みは、その一つである。その地域の伝統や知恵が凝縮されていることが多く、なかなか奥深いものがある。日本が誇る築城技術がもととなっていると言われるが、このような民家の一部分にまで活かされていることに感心した。

 

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いたるところで見かけた鳩の屋根飾り。正確な理由はわからないが、平和の象徴と言われるだけに縁起物として飾られているのだろう。また、神様と文通をするとも言われているらしく、ここ白市のみならず、日本の瓦屋根には、古くから鳩の飾りが据えられているようだ。

 

 

 

 

丘陵地に発達した“どこか独特”な商家町~白市~前篇
<広島県東広島市>

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四方八方、ゆるやかな坂が多く存在する「白市(しらいち)」は、瀬戸内地域で最古の商家町と言われる。江戸・明治・大正時代に建てられた赤瓦の家屋や神社が立ち並び、独特の雰囲気を醸し出している閑静な集落だ。江戸時代、牛や馬を売り買いする牛馬市がたてられ、最盛期には約500頭もの牛馬が集り、大いに賑わいをみせていたそうだ。

 

趣のある路地を見つけると、ついついテンションが上がってしまう。狭いところが好きという訳ではないが、路地を歩いていると何故か安心感を得られるとともに、この道を独占しているような気分にもなれる。また、この先に広がる風景にも期待が膨らむ。

 

昭和の香りが漂う食堂で昼食。やはり、広島に来たらコレ!という訳で注文した「お好み焼き豚天そばシングル」。シングルは麺が1玉、ダブルは2玉。育ちざかりの方はダブルがオススメ。焼きそばセットとメニューにあったので聞いたところ、焼きそば、ご飯、味噌汁がセットになった定食だそうだ。少々、驚いたが洋食に例えるならパスタ、パン、スープのセットと言ったところか・・・。

 

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1966(昭和41)年、国の重要文化財に指定された「旧木原家住宅」。木原家は江戸時代に酒造業や塩田業などを営み、豪商として繁栄した。西国のなかで最も古い町家のひとつとされている貴重な家屋であり、これといった装飾もなく、極めて素朴な造りで古い民家の形態をよく残している。

 

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屋内は、土間が奥まで続いており、左側は板間になっていた。板間の奥にある部屋から2階に上がる階段があり、従業員の寝室や納屋として使われていたそうだ。屋根を直接支える構法はとても珍しく「四天柱式(してんばしらしき)」と呼ばれ、江戸時代初期以降、ほとんど見られなくなった。

 

堂々とした造りである「伊原惣十郎家」は明治時代の特徴を色濃く残す家屋だ。井原惣十郎は、商人のまちである白市に居を構え、鋳物業を営み幅広く活躍した人物。京都御所の灯篭や厳島神社の青銅大灯籠を手がけたことで知られている。ただ、創業時期は明確にされておらず、口伝では1780(天明頃)年以降といわれている。現在、遺品として眼にできる作品は、厳島神社の青銅大灯籠のみである。

 

 

 

 

 

 

 

【再編集】燃える天然記念物! 伊豆半島の春を告げる大室山の丸焼きを見よ
<静岡県伊東市>

毎年2月の第2日曜日に行われる静岡県伊東市の大室山山焼き。記事は2016年に取材したものです。 2019年は2月10日(日)が予定日ですが、天候により延期になる場合も多い催事なので…。大室山登山リフトホームページや、同Facebookなどでご確認ください。山が燃える熱まで感じられる山焼きは、何度見ても心が震える迫力があります!

 

oomuro01伊豆半島伊東市にある大室山は標高580mの独立峰で、単成火山の典型例として2010年に国の天然記念物に指定された名峰。お椀を逆さにしたような美しい形はまさに絵に描いたような山容です。火口のなかには大室山浅間神社という神社も存在していて、2016年に大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」に登場する山に似ているとネットの一部で話題にもなりました。

 

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大室山の特徴あるシルエットは東伊豆の様々な場所から確認できます。東伊豆のランドマーク的存在といえるのはないでしょうか。

 

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大室山は歩いての登山は禁止されていますが、リフトに乗れば山頂まで6分。ちょっと怖がる人もいそうな角度でぐいぐい登っていきます。

 

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お鉢は歩いて一周できるので、晴れていれば富士山や伊豆七島など、360度の眺望が楽しめます。ただし、山頂周辺は風が強い時があるので、リフトに乗る前に上着を一枚持っておいた方がよいでしょう。

 

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そんな大室山でぜひ見ていただきたいのが、700年余りの伝統がある「山焼き」。なんと、カヤで覆われた山に火をつけ全体を焼き上げてしまうという、年一回の大イベントです。午前中に噴火口内が焼かれたあと、式典を挟んでから山全体に火をつけます。

 

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先着順(有料)で山に火をつける権利を得た一般の方たちが、消防団とともに山麓に散らばり準備万端。見ている方の期待も最高潮に達する瞬間です。

 

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本部の合図とともに点火されるのですが、最初はチロチロとした火がいくつも上がっていくだけ…「これで山が燃えるのか? 」と不安になりますが…。

 

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中腹のやや下あたりから、合流した火炎が一気に勢いを増し、バチバチという音とともに盛大に燃えはじめます。けっこう離れていても熱さを感じ迫力満点! 巨大な火炎はそれだけで人を興奮させる力がありますね!!

 

大室山山焼きの動画

 

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舞い上がった煤と煙で空も急速に暗くなり、前々回訪れたときは龍のように渦をまいて舞い上がる気流も発生! 本当の山火事の恐ろしさを想像してしまうとともに、貴重な現象を見ることができて感動。

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これは山焼きで焼かれたあとの火口内です。正面に見えるのはリフトの駅で、そこから火口内に続く階段を下りると、安産と縁結びにご利益があるといわれる「大室山浅間神社」が中腹にあります。さらに、火口の底まで降りるとなぜだかアーチェリー場が? ここでは観光客向けのお手軽体験なども用意されています。

 

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ちなみに…山焼きの実施は毎年2月の第2日曜日というコトになっているのですが、雨風や積雪などの状況により、延期になることも多いです。記憶では3月まで引っ張ったこともあるので、大室山リフトのHPなどで開催状況を確認してからお出かけを。

 

【延期時のオススメ】
延期が続くと桜が咲き始め、花見も一緒に楽しめるというメリットが発生します。山焼きの見物スポットである「さくらの里」は、その名の通り桜の名所。そこがまだ咲いていない場合は、早咲きで有名な「河津の桜まつりまで足を伸ばすと良いでしょう。

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