【再掲】歴史的景観地区を華やかに彩る「真壁のひなまつり」
<茨城県桜川市>

茨城県桜川市真壁町で2019年2月4日(月)~3月3日(日)の約一か月間開催される「真壁のひなまつり」。一昨年開催時に町旅編集部がボランティアガイドさんに案内していただいた記事を再掲載いたします。180をこえるお雛様が楽しめるこの機会に、歴史的町並みが残る真壁町を訪れてはいかがでしょう。

 

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筑波山の北に位置する桜川市真壁町は、戦国時代の城下町の町割りがいまだに残り、地域にある登録文化財の数も100をゆうにこえる歴史を感じさせる町である。中心部は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、ゆっくり町歩きを楽しむにはもってこいの地域だ。

 

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そんな真壁町に大勢の人が押し寄せるのが、2月上旬から3月3日まで行われる「真壁のひなまつり」である。

 

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10万人以上の来訪者があるというこの期間は、地元の方々が自主的に飾ったおひな様で町が華やかに染め上がる。町内で展示されるひな飾りはなんと160体以上。そのすべてを紹介するのは難しいので、通常時も町歩きガイドをしているボランティアの方に見どころを案内してもらうことにした。

 

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スタートは江戸時代は真壁陣屋であったという場所に建てられた真壁伝承館。ここには真壁の歴史や江戸時代から大きな変化がないという町割りの模型など、町を歩く前に知っておきたい情報が満載。ついつい長居してしまいそうだったが、今回はひなまつり期間なので早々に切り上げ町へ。

 

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と思ったら、向かったのは併設する図書館。なぜ?と思いながら館内に入ると、日本の古典とともに「本棚」に飾られたお雛様がお目見え!

 

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一体一体をよく見るとそれぞれの人形が古典を読んでいるという凝りよう。ちなみに男雛は古今和歌集、女雛は土佐日記、官女の1人は伊勢物語など、キャラクターにあわせた本がチョイスされていてディティールへのこだわりも相当だ。ディスプレイとしての完成度も高く、「ひな飾りなんてどれも大差ない」と思っている人も、これを見たら興味が湧いてくる一作といえる。

 

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伝承館の一つとなりの区画にある「村井醸造」は、延宝年間(1673~1680)に店を構えたという記録が残る老舗の造り酒屋で、店舗・蔵・煙突は登録有形文化財である。

 

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ひなまつり期間中はひな飾りの展示のほかにも、お酒の試飲販売や酒蔵見学…

 

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地元アーティストによる作品の展示や販売など様々な催しが行なわれている。

 

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試飲コーナーの近くに飾られたお雛様は、昭和10年代から伝えられているというもの。段飾りの麓には裏書きされた木箱も展示され、長年大切に扱われてきたことがよくわかる。ガイドさんに教えられて注目したのが、一番下に飾られた3体の仕丁(じちょう)。通常は傘や箒などの道具を持っていることが多いのだが、こちらの仕丁たちは手ぶらだったり、酒器やつまみを持っていたりと宴会モードなのである。

 

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約100年も酒蔵にいて相当できあがっているはずだが、お酒を飲んで楽しそうにしている仕丁のいきいきとした顔をみると、見ている方も一杯やりたくなってくる。

 

つづく

寅さんの面影が漂う帝釈天の周辺
<東京都葛飾区>

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年末に映画館の前を通りかかったら「男はつらいよ」の新作告知を見まして…、なんでも2019年は一作目誕生から50年目にあたるらしく、いろいろな企画が考えられているらしいです。で、ふと思い立って、今年の初詣は「柴又帝釈天」に行ってきました。

 

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参道は比較的短いですが、昔ながらの店舗が軒先をつらねて雰囲気あります。3が日を過ぎたあとでも多くの人で賑わっていました。有名な草団子や煎餅など和風の食べ歩きフードも充実しているうえ、観光地にしてはお値段も良心的。個人的に気に入ったのは「芋羊羹のバター炒め」で、味は「食べ応えのあるスイートポテト」です。一本タバコの箱くらいの大きさで200円とリーズナブル。これが流行ったらスイートポテトが売れなくなるかもしれません。

 

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境内に入るとすぐに、ブルーシートを用いた特設賽銭箱が設けられていました。そこそこお札なんかも入っていましたが、ちょっと興醒め。賽銭箱に小銭を入れてお願いするのが初詣らしさってヤツだと思うのです。なので、お参りはヤメにして境内を見て歩くことにしました。

 

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すると、向かって右手の建物に入口らしきものが…。こちらが本堂とのことで、靴を脱いで中に入れるようになっていました。管理している氏子らしきおじさんに尋ねると、下町らしい愛想の良さで「どうぞどうぞ」と靴を入れるビニールを渡してくれます。本堂から渡り廊下を通って帝釈堂へ行くと、僧侶が檀を設けて読経をあげており、それを真近で聞きながら参拝するようになっていました。控えめにいっても特別な雰囲気アリ。さっきの特設で済ませなくて良かったと思いながら、納得の初詣を済ませることができました。

 

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帝釈堂の大部分はガラスで覆われていて、彫刻のギャラリーになっています。外側からでも見えますが、ここはぜひ中に入って見てください。境内の奥にある都指定名勝「題経寺邃渓園」と共通のチケットは400円。入場は16時半までです。

 

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帝釈天から歩いて5分ほどの江戸川岸には、歌で有名な「矢切の渡し」もあります。「矢切の渡し」は、江戸幕府による直轄事業として行われていた渡し船の一つで、明治時代からは杉浦さんという家が世襲で運航を引き継いでいるそうです。

 

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お客を乗せた渡し舟は江戸川をゆっくり進んでいました。対岸の松戸市側には渡し場しか見えず絵画的な風景で、帝釈天の賑やかさとは逆の静かな時間に包まれています。なんだか喧騒と一抹の寂しさといった寅さんのイメージと一致しているようで、年末に上映予定の「男はつらいよ」も見てみようかなと思いました。