私的記憶と歩く西新井大師
<東京都足立区>

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忘れていたり無視していたわけではないのですが、なぜか今まで町旅で紹介していなかった西新井大師。自分の地元では一番の名所で、足立区では大師といえば西新井大師の事を言います。子供の頃は、祖母に連れられて来ましたし、最近になっても正月には家族とお参りにくる馴染みのあるお寺です。

 

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家から自転車でも20分くらいですが、家族と行くときは東武線スカイツリーライン・西新井駅から出ている東武大師線という電車に乗ります。この大師線は名前の通り西新井大師のための路線になっていて、駅は写真の大師前駅しかありません。しかも大師前駅の改札は無人で、切符も売っていません。1駅(路線は約1㎞・乗車時間2分)しかないので、上りも下りも「清算は西新井駅」という、独自のルールがまかり通っています(笑)。

 

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駅をでて右へ歩きはじめると1分もかからず山門に到着。初詣の時期は混雑するので大きく迂回させられるのですが、それ以外はコチラのルートでOK。お土産屋や飲食店がならぶ参道から歩きたい場合は駅から左へ向かいます。ただ、西新井大師の場合、参道には帰り道に寄る人が多いのかなというイメージです。年始の迂回路も参道を通らないルートに設定されていますし…。

 

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山門から本堂までの短い距離の間にも、塩地蔵や六角観音堂などの見どころがあります。しかし、それを覆い隠すような勢いで立ち並ぶのが出店。西新井大師の境内はいつ訪れても多くの出店が建っているような気がします。もしかしたら常設に近い感じの店も多いのかもしれません。強く印象に残っているのは30年くらい前にあった「八目うなぎの串焼き」の出店。「大師様の八目うなぎは目に良い」なんて言って、祖母が買って食べさせてくれたのを覚えています。

 

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いつも出店に気を取られていたので、今回初めて認識したのが「塩地蔵」。お堂内の塩は「いぼ取り」などに霊験があり、功徳があったときは倍の塩を返すという仕組みで、江戸時代から信仰されているというお地蔵様です。結構強めの個性をお持ちなのですが、アピールが控えめなためか、近年はあまり知られていないようです。ひとつ前の写真だと、黒糖と赤白のカバー(やっていない)の店の間のちょっと引っ込んだ位置に鎮座するという奥ゆかしさ。ここはまわりが気を使い、参道で塩せんべいとか塩饅頭とか塩飴などを売って、盛り上げていってもらいたいものです。

 

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西新井大師の正式名称は五智山遍照院總持寺(ごちさん へんじょういん そうじじ)。こちらも初めて知りました。おそらく近所で「總持寺」と言っても、わかる人は一割もいないのではないでしょうか。本堂には弘法大師と大師が造られたと伝わる十一面観音像が祀られています。歴史の授業で大師=空海と習い「そんな偉人が地元に!」と親しみを感じたものですが、大人になって実は高野山の人であるとか、全国各地に足跡や伝聞が残ると知って、なんとなく残念に思ったものです。

 

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横に広い賽銭箱の向こう側はガラス張りになっていて、本堂内で御祈祷をしている様子が見えます。いつも多くの人が御祈祷を受けていて驚くのですが、調べてみたら、お護摩祈願をはじめ、車祈願・ご供養など、祈願の種類ごとのスケジュールもHPにしっかり記載されていました。お護摩祈願はほぼ毎日6~8会の機会が設けられており、いまでも多くの人の信心を集めているのは間違いないよう。さすが西新井大師です。

【再掲】歴史的景観地区を華やかに彩る「真壁のひなまつり」
<茨城県桜川市>

茨城県桜川市真壁町で2019年2月4日(月)~3月3日(日)の約一か月間開催される「真壁のひなまつり」。一昨年開催時に町旅編集部がボランティアガイドさんに案内していただいた記事を再掲載いたします。180をこえるお雛様が楽しめるこの機会に、歴史的町並みが残る真壁町を訪れてはいかがでしょう。

 

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筑波山の北に位置する桜川市真壁町は、戦国時代の城下町の町割りがいまだに残り、地域にある登録文化財の数も100をゆうにこえる歴史を感じさせる町である。中心部は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、ゆっくり町歩きを楽しむにはもってこいの地域だ。

 

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そんな真壁町に大勢の人が押し寄せるのが、2月上旬から3月3日まで行われる「真壁のひなまつり」である。

 

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10万人以上の来訪者があるというこの期間は、地元の方々が自主的に飾ったおひな様で町が華やかに染め上がる。町内で展示されるひな飾りはなんと160体以上。そのすべてを紹介するのは難しいので、通常時も町歩きガイドをしているボランティアの方に見どころを案内してもらうことにした。

 

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スタートは江戸時代は真壁陣屋であったという場所に建てられた真壁伝承館。ここには真壁の歴史や江戸時代から大きな変化がないという町割りの模型など、町を歩く前に知っておきたい情報が満載。ついつい長居してしまいそうだったが、今回はひなまつり期間なので早々に切り上げ町へ。

 

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と思ったら、向かったのは併設する図書館。なぜ?と思いながら館内に入ると、日本の古典とともに「本棚」に飾られたお雛様がお目見え!

 

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一体一体をよく見るとそれぞれの人形が古典を読んでいるという凝りよう。ちなみに男雛は古今和歌集、女雛は土佐日記、官女の1人は伊勢物語など、キャラクターにあわせた本がチョイスされていてディティールへのこだわりも相当だ。ディスプレイとしての完成度も高く、「ひな飾りなんてどれも大差ない」と思っている人も、これを見たら興味が湧いてくる一作といえる。

 

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伝承館の一つとなりの区画にある「村井醸造」は、延宝年間(1673~1680)に店を構えたという記録が残る老舗の造り酒屋で、店舗・蔵・煙突は登録有形文化財である。

 

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ひなまつり期間中はひな飾りの展示のほかにも、お酒の試飲販売や酒蔵見学…

 

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地元アーティストによる作品の展示や販売など様々な催しが行なわれている。

 

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試飲コーナーの近くに飾られたお雛様は、昭和10年代から伝えられているというもの。段飾りの麓には裏書きされた木箱も展示され、長年大切に扱われてきたことがよくわかる。ガイドさんに教えられて注目したのが、一番下に飾られた3体の仕丁(じちょう)。通常は傘や箒などの道具を持っていることが多いのだが、こちらの仕丁たちは手ぶらだったり、酒器やつまみを持っていたりと宴会モードなのである。

 

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約100年も酒蔵にいて相当できあがっているはずだが、お酒を飲んで楽しそうにしている仕丁のいきいきとした顔をみると、見ている方も一杯やりたくなってくる。

 

つづく

寅さんの面影が漂う帝釈天の周辺
<東京都葛飾区>

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年末に映画館の前を通りかかったら「男はつらいよ」の新作告知を見まして…、なんでも2019年は一作目誕生から50年目にあたるらしく、いろいろな企画が考えられているらしいです。で、ふと思い立って、今年の初詣は「柴又帝釈天」に行ってきました。

 

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参道は比較的短いですが、昔ながらの店舗が軒先をつらねて雰囲気あります。3が日を過ぎたあとでも多くの人で賑わっていました。有名な草団子や煎餅など和風の食べ歩きフードも充実しているうえ、観光地にしてはお値段も良心的。個人的に気に入ったのは「芋羊羹のバター炒め」で、味は「食べ応えのあるスイートポテト」です。一本タバコの箱くらいの大きさで200円とリーズナブル。これが流行ったらスイートポテトが売れなくなるかもしれません。

 

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境内に入るとすぐに、ブルーシートを用いた特設賽銭箱が設けられていました。そこそこお札なんかも入っていましたが、ちょっと興醒め。賽銭箱に小銭を入れてお願いするのが初詣らしさってヤツだと思うのです。なので、お参りはヤメにして境内を見て歩くことにしました。

 

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すると、向かって右手の建物に入口らしきものが…。こちらが本堂とのことで、靴を脱いで中に入れるようになっていました。管理している氏子らしきおじさんに尋ねると、下町らしい愛想の良さで「どうぞどうぞ」と靴を入れるビニールを渡してくれます。本堂から渡り廊下を通って帝釈堂へ行くと、僧侶が檀を設けて読経をあげており、それを真近で聞きながら参拝するようになっていました。控えめにいっても特別な雰囲気アリ。さっきの特設で済ませなくて良かったと思いながら、納得の初詣を済ませることができました。

 

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帝釈堂の大部分はガラスで覆われていて、彫刻のギャラリーになっています。外側からでも見えますが、ここはぜひ中に入って見てください。境内の奥にある都指定名勝「題経寺邃渓園」と共通のチケットは400円。入場は16時半までです。

 

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帝釈天から歩いて5分ほどの江戸川岸には、歌で有名な「矢切の渡し」もあります。「矢切の渡し」は、江戸幕府による直轄事業として行われていた渡し船の一つで、明治時代からは杉浦さんという家が世襲で運航を引き継いでいるそうです。

 

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お客を乗せた渡し舟は江戸川をゆっくり進んでいました。対岸の松戸市側には渡し場しか見えず絵画的な風景で、帝釈天の賑やかさとは逆の静かな時間に包まれています。なんだか喧騒と一抹の寂しさといった寅さんのイメージと一致しているようで、年末に上映予定の「男はつらいよ」も見てみようかなと思いました。