招き猫発祥の地と伝わる彦根藩・井伊家の菩提寺
<東京都世田谷区>

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近ごろ頻繁に訪れるようになった三軒茶屋を歩いていたら、世田谷線三軒茶屋駅に今までなかった施設を発見!「SANCHA3(サンチャキューブ)」というこの施設は、世田谷の魅力を発信する観光案内所として2019年3月末にオープンしたそうです。覗いてみると観光地図や冊子が用意されているほか、ボランティアガイドのツアー申込みもできるとか。愛想の良いスタッフさんに世田谷線で一番の人気スポットを聞いてみると「やっぱり豪徳寺ですかね~。行かれたことあります?」とのこと。名前は聞いたことあるけど訪れたことはなかったので、豪徳寺に行ってみることにしました。
 
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三軒茶屋から世田谷線に揺られること約10分。最寄駅の宮の坂駅が無人駅であることに驚くと同時に、降りようとしたらホームの外にも車両があったので、どこまでが駅構内になるのかちょっと迷いました。まぁ、世田谷線はバスのように降りるときに清算を済ませる駅が多いので、とくに後ろめたいことはないのですが…。
 
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ちなみに、ホーム横に置かれた車両は…かつて江ノ島電鉄に譲渡された世田谷線の車両が里帰り(?)して展示されているそう。駅に隣接する区民センター開館中は車内にも入ることが可能で、世田谷線の歴史や1900年代初期の写真展示などを見ることができます。また、板張りの床やいまよりシートの位置が低い座席など、ある程度の年齢以上の方は、世田谷線に乗ったことが無くても懐かしさを感じること間違い無しナシ!  僕はある程度の年齢を越えているのでとても懐かしく感じました。
 
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意外なところで足をとめてしまいましたが、改札をでて右へ進み3-4分ほど歩くと豪徳寺に到着。住宅街を通る一般道にいきなりという感じで写真の門があらわれます。「せたがや地域風景資産」にも選定されている立派な松並木の向こうに見えるのが豪徳寺です。
 
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1480(文明12)年の創建と伝わる豪徳寺は、江戸時代に井伊家の菩提寺になったという歴史を持つお寺で、国指定史跡の井伊家墓所をはじめとする数多くの文化財にくわえて、招き猫伝説に端を発する「招猫殿」など見どころが豊富。外国人の訪問客の多さにも驚きます。
 
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山門からまっすぐ進んだ場所にある豪徳寺仏殿は、1600年代後半に行われた伽藍整備事業によって建てられたとされ、世田谷区に現存する最も古い建物。区の文化財にも指定されています。真裏には本殿があるのですが、こちらの仏殿で参拝を済ませる人も多いようでした。仏殿の方が雰囲気があるので、資料を見ないと本殿に気がつかないのかもしれません。
 
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仏殿のすぐ西側にある建物が、人気スポットとなった招福殿です。彦根藩2代藩主・井伊直孝が、豪徳寺の猫の手招きに応じて寺に寄ったおかげで落雷を避けられたという言い伝えから、その猫を「招福猫児(まねぎねこ)」として祀っているとのこと。その一件で、井伊家の菩提寺となり今に至るという伝承が本当であるなら、少なくともお寺にとってはかなりの福をもたらした実績があると言えるでしょうね。
 
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で、そんな実績を信じてか、はたまた猫ブームの影響か、お堂の片側には無数の招き猫が…
 
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いっぱい居過ぎて怖いような気もしますが、写真のインパクトは絶大! 訪問時も数多くの人が様々なアングルで撮影に挑戦していました。ちなみに、豪徳寺の招き猫は小判を持っていないのが特徴。招き猫を奉納したい場合は社務所にて購入できます。
 
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仏殿から招福殿を過ぎると国指定史跡になっている「彦根藩主井伊家墓所」があります。招き猫の故事に登場する2代藩主・直孝をはじめ、6人の井伊家藩主が埋葬されているほか、江戸暮らしの正室や側室、子供達、藩士など、300基以上の墓石が据えられているそうです
 
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藩主の墓石が並ぶ一角は、都内とは思えないほど広々としていますが、墓石自体は質素と言っても良いつくり。こちらには観光客が少なかったので、ゆっくりじんわり歴史を感じられます。同じ敷地に藩士の墓を建てていることや、過度な装飾をしない墓石から、彦根藩の家風が伝わってくるような気がしました。

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒 (町旅編集部)

昨年から頻繁に訪ねるようになった世田谷区ですが、それまで存在を知りもしなかった世田谷線に妙に惹かれています。今回紹介した豪徳寺あたりはショートトリップに向いていますし、商店街などを歩くと一昔前の雰囲気がのこっているのでちょっとしたタイムトリップ気分になれるのが良いんです。


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