誰もが訪れることができる標高1640mの箱庭
<長野県下諏訪町>

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かつての中山道と甲州街道が交わる要衝に位置する下諏訪町には、諏訪大社下社をはじめ諏訪湖周辺に見どころが多く、町としての機能も湖近辺に集中しています。しかし、観光で訪れるなら北部にある「八島湿原」もオススメ。夏は多くの島ができるように見えるので「七島八島」という名前でも親しまれている国内最南の高層湿原です。標高1630mの標高に広がる湿原は、400種もの花が咲くといわれる亜高山植物の宝庫で、八ヶ岳中信高原国定公園内にある「霧ケ峯湿原植物群落」として1939(昭和14)年に天然記念物にも指定されています。
 
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七島八島への入口は、ドライブロードとして人気の高いヴィーナスライン沿い。約120台が停められる八島湿原駐車場からは、徒歩1分で「天空の箱庭」を訪れることができます。入口手前には八島湿原ビジターセンターや八島山荘などの施設もあるので、まずはしっかりと準備を。
 
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ビジターセンターには、散策コースやコースタイムのほか、その日の天候や見られる生物など情報が豊富。写真のホワイトボードのほか、書籍やパンフレット映像資料もあるので、事前に立ち寄っておけばより深く散策を楽しめます。また、途中湿原に入ると買物ができる場所がないので、ちょっとした飲食物は八島山荘で買っておいた方が良いです。
 
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なだらかに連なる山に囲まれた湿原は、箱庭や別世界という言葉がピッタリ。雲により太陽の光が目まぐるしく移ろい、変化する色合いに思わず見とれてしまいます。
 
suwa09_10湿原の周囲には木道があり、湿原一周は約3.7km、コースタイムは90分。植物が間近まで迫っているところもちょいちょい出てきますが、良く整備されているので、老若男女を問わず歩けそうです。途中まででも良いのでぜひ歩いてみてください!
 
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suwa09_12八島湿原は400種もの花が咲くといわれる亜高山植物の宝庫。遠景が素晴らしいのはもちろん、足元に咲く美しい花や様々な昆虫もみどころのひとつ。歩くほど多くの生物と遭遇することができるので、飽きることがありません。
 
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木道を半周ほどすると、「こんなところに!?」と驚く場所に「ヒュッテ みさやま」が現われます。昼にカフェとして飲み物や軽食を提供しているほか、宿泊も可能。基本は素泊まりですが、食事が必要な場合も別料金で対応しているとのことなので、ニーズに合わせて利用できそうです。
 
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このお店から見える位置に、少しだけ不自然というか作為的な木の並びがあるので、そちらへも足を運んでみてください。木に囲まれた「旧御射山(もとみさやま)神社」にお社はなく、石積みの台座のうえに石祠があるだけ。その素朴さがかえって昔から続く信仰心の強さを感じさせます。ご祭神は「建御名方神」で、諏訪大社のご祭神と同じ。御射山は諏訪信仰の原点という説もあるそうです。周囲にほとんど人工物が無い場所で、昔は来るだけでも大変だったと思われる祠がいまに続いてるのは、やはり信仰心の強さがあったからなのでしょう。
 
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suwa09_08すぐそばにある「御射山(みさやま)遺跡」も同様。草深い丘の上に建てられた碑は近代に入ってから建てられたもので、それが無ければかつて大勢の人が集まった場所とは思いもつきません。しかし、ここは鎌倉・室町時代に全国から武士が集まり馬術や弓技の技量を競う場所であったと伝わる場所で、国体発祥の地とも言われています。
 
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ビジターセンターから駐車場へ向かう道にはゲートがあり、行き止まりと勘違いしやすいので注意。コレは鹿除けのために設けられたもので、散策者は横にある通行口から通り抜けることができるのですが、遠目には通行止めに見えるので注意が必要。取材時もコチラへ進んで良いか迷っている方たちがしました。ちなみに、カンタンに空けられる鍵がついているので、通り抜けたあとは施錠することも忘れずに。
 
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御射山遺跡から約45分ほど歩くと元の駐車場に戻ることができます。ビジターセンターの横にある八島山荘は、食事や休憩、土産品の購入はもちろん、奥には宿泊者用の別棟も。山荘という名前がついていますが、個室だしお風呂にも入れるので、民宿と同じ感覚で泊まれます。そして、家族経営のアットホームな対応も魅力のひとつ。湿原が一番美しく見えるという早朝や星空観察など見どころも良くご存知なので、八島湿原を訪れる場合は相談すれば力になってくれるはずです。

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒 (町旅編集部)

自然豊かな場所が好きなので山に行ったり海に行ったりするのですが、結構危なかったり行くのが手間だったりで、誰にでも薦められる場所ではないことも多いのです。しかし、八島湿原は駐車場から歩いて数分で行くこともできるうえ、比較的危険も少ないので老若男女を問わずお薦めできる場所でした。
取材時も、遠足にきた小学生とすれ違ったかと思えば、写真を撮りにきたという老夫婦がいたりと様々な人々が訪れていましたので、「ここなら自分の親も連れて来られるなー」なんて考えも…まぁ、なかなか実行にはいたらないのですけれど。。。

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