サムライゆかりのシルクから「絹産業の再生と継承」を学ぶ
<山形県鶴岡市>

NPO法人 街・建築・文化再生集団と(公社)横浜歴史資産調査会が絹遺産を継承するべく、共同で進めている「シルクロード・ネットワーク・フォーラム」。今年は山形県鶴岡市で開催。鶴岡市は日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市ネットワーク」食文化分野での加盟が認定された。シルクのみならず独自の食文化も継承されている地域だ。
 
 
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多くの人で賑わっていた「鶴岡まちなかキネマ」。昭和初期に建設された絹織物工場「松文産業旧鶴岡工場」を大幅なリノベーションにより復活させ、映画館として再生活用している。鶴岡市民はもちろん、各地から訪れた人々をも癒す「まちなかのオアシス」である。
 
 
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トップライトから入り込む光が開放的な空間を演出していた。床にはフローリングが敷かれており、木のぬくもりが感じられるように配慮。キネマへの入り口や廊下も全て木材が使用されるといった“こだわり”がいたるところに感じられる施設である。
 
 

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約3,000人の藩士たちが開墾した地「松ヶ丘」に建つ史跡「松ヶ丘開墾場」。ここには国内最大級と言われる巨大な蚕室が立ち並んでいる。士族たちが生活の為ではなく、国への奉仕として開墾を行った例は全国に類がないそうだ。
 
 
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入り口付近にある2番蚕室の2階は、絹産業の歴史に関する資料が展示されている。戊辰戦争で降伏した庄内藩に寛大な処分を指示した「西郷隆盛」や、戊辰戦争降伏後、庄内藩の復興に尽力した庄内藩中老「菅実秀」など、絹産業の礎を築いた偉人たちについて学ぶことができる。
 
 
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1番蚕室(松ヶ丘開墾記念館)の2階もなかなか面白い。日本全国から集められた「土人形」や「土鈴」がずらりと展示されている。キツネ、鬼、天狗といった日本古来のものや、何をモチーフにしているのかがサッパリわからない珍品まで幅広い。日本一のコレクションと言っても過言ではないほど充実した内容であった。
 
 
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1階の天井には、2階に設置されている埋薪(まいしん)が見えていた。埋薪とは、床下の炉に生木をいれその上に炭火を置き蚕室を温める装置。今で言うところの床暖房である。徐々に生木が燃えることにより、長時間の暖房効果が得られたそうだ。
 
 
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新たな絹織文化の創造と展開をめざして取り組んでいる「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」。その一環である「kibiso(きびそ)」は、鶴岡の強みを活かし、シルク産業を次世代につなげていく事を目的に開発された絹製品ブランドである。
 
 
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「きびそ」とは蚕が繭を作る際に、最初に吐き出す糸のことである。太くて不均等かつゴワゴワしているため製糸が難しく、織物には不向きとされてきた。しかし、そのゴワゴワとした素材感を活かし、従来の絹のイメージとは異なる独自の風合いを出すことに成功。また、オーガニックコットンとの融合により、kibisoブランドならではの様々な表情を作り出している。ラインアップも豊富で、定番のストールからスリッパ、傘、ブックカバーなど普段使いに役立つ商品が多いのも魅力だ。
 
 
 

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レポーター

森 順一郎

同じく鶴岡シルクタウン・プロジェクトの一環である「シルクガールズプロジェクト」も盛り上がりを見せていました。テーマは「地域を元気にする」こと。鶴岡中央高校の生徒たちが中心となり、シルク製のウエディングドレスを製作し、ファッションショーなどを行っています。“シルクを愛するまち”ならではの活動です。

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