
漁業のまち銚子らしい神社を発見。長崎町の高台にある「長久郎稲荷神社」である。地元の方でも知る人は多くないだろう。見ての通り、とてもユニークな造りであるが、歴史ある神社だ。約350年前に崎山次郎右衛門と共に来た長久郎という漁師が子孫繁栄や大漁を願って建立したと伝わっている。

長久郎稲荷神社付近に残されていた砲台跡。1945(昭和20)年、東京への食糧供給の重要拠点であった銚子は、B29爆撃機によって空爆を受けた。また、東京大空襲の帰途、米軍機が投下できなかった爆弾を落とされたことにより、多くの犠牲者が出た。事実は定かでないが、米軍機を攻撃するために大砲が設置されたのではないかと言われている。


長久郎稲荷神社の先には絶景が広がっていた。眼下には長崎の町なみが広がり一望できる。この日は前日の悪天候により海が激しく荒れており、強風にさらされた。ただ、このような荒れ方は稀らしく、ある意味ラッキーだそうだ。灯台付近の海は北、南、東から3つの潮がぶつかる場所であるため、高い波しぶきを立てていた。景観のみならず激しい波音も心地が良かった。

銚子にはあらゆる所にキャベツ畑がある。温暖な気候と豊かな土壌で育てられたキャベツは「灯台キャベツ」の名で親しまれている。なかでも春キャベツは全国一位の生産量を誇り、数年前には日本テレビ「満点☆青空レストラン」でも紹介された。冬を超えるために養分を多く蓄えているため甘みが強いとのこと。生でも当然おいしいが、粗みじんのキャベツをメンチや餃子に入れて、食感と甘みを楽しむ人も多いようだ。

外川の町並みは以前に訪れ、その良さを実感したが長崎町の存在は知らなかった。この地区は銚子市市街から南東に約5km、半島先端の長崎鼻にある集落だ。外川の町並み同様、美しく歴史を感じさせる町並みが存在している。まさに隠れた名所である。


長崎町は漁師町だった名残が色濃く残る小さな集落であり、外川と同様に漁業で栄えた町である。海岸付近にあるため、風による被害を避けるべく頑丈な防風対策が施されていた。自然石を使用した石垣で家屋を囲い、敷地を掘り下げ低い位置に家屋を建てるなど様々な工夫が見られた。当時の漁師町を忠実に伝えている貴重な遺産であると感じるとともに、その姿は沖縄に点在する集落のようであった。外川を訪れた際は、少し足を延ばしてこの町を散策して欲しい。


長崎町のほぼ中心に鎮座している「西宮神社」。江戸時代初期にイワシを追って兵庫県西宮出身の漁師が長崎町に移住し、故郷を偲んで建立したと伝わっている。風や塩害により劣化が激しい狛犬や石祠以外は、近年、再建されてものと推測できる。左奥には古びた建物があり、「水難救水會」と書かれた文字が微かに読み取れる。恐らく漁船の監視所だったのだろう。この町で一番高い場所に建てられているようで見晴らしも良く、町の様子がよく分かる場所であった。

銚子電鉄「犬吠駅」にてヘネリーファームの直売所を発見。アフロさんが育てるアフロきゃべつが購入できる。残念ながら、この日は売り切れ?であった。潮風を受けながらすくすくと育ったキャベツは甘みが強く美味しいと評判だ。収穫体験も実施しているので、アフロヘアーとサングラスに抵抗がない方にオススメだ。

サンライズホテル銚子より徒歩数分の場所にある「和」にて会食。銚子と言えばもちろん魚介類。色々と頂いたが、この日の一番はカワハギの肝和え。まったりとした濃厚な味は、やみつきになる。そして、初めて食したサルエビのボイルも、あっさりとした風味としっとりとした食感が印象的であった。

やはりありました「ヤマサ」と「ヒゲタ」。銚子に来たら、是非、醤油チェックをしてもらいたい。たいていのお店には、この2種類が用意されている。また、周囲の人がどちらを使用するかを確認するのも面白いだろう。銚子でのささやかな楽しみである。