
えびの市の南に広がるえびの高原は、1934(昭和9)年に日本で初めて国立公園に指定された「霧島屋久国立公園」の一部で、現在は「
霧島錦江湾国立公園」に含まれる自然豊かな観光スポットである。霧島連山の最高峰である「韓国岳(からくにだけ)」をはじめとする特徴的な山や、美しい火山湖などへの観光拠点としても発展し、レジャー施設も充実したエリアになっている。

地域の情報発信基地である「えびのエコ・ミュージアムセンター」の周囲には、展望台やキャンプ場、温泉のほか、屋外アイススケートリンクまであり、四季を通じて滞在するだけでも楽しめる。もちろん、様々な個性をもつ火山湖を見て回る「池めぐり」や、四季折々の植物などが楽しめる散策路など、自然をたっぷり味わえるようしっかりとした整備もされており、好みに合わせた過ごし方が可能だ。

国の天然記念物に指定されている「ノカイドウ」は、世界中でえびの高原の一部にしか自生していないバラ科の植物。4月下旬から5月上旬に向かえば、薄桃色をした可憐な花をみることができる。

直径約900m、深さ約300mの火口をもつ「韓国岳」は、20を超える霧島連山の最高峰で、最高地点は標高1700m。独特の自然環境が作り出す景観や、周囲の美しい火山湖などが楽しめるため、トレッキングスポットとしても人気だ。

山頂周辺からは絶景が望める。近くは2011(平成23)年に噴火した新燃岳の火口内がのぞけ、遠くは条件がよければ桜島や九州南端にある開聞岳まで見える。ちなみに「韓国岳」という山名は、韓国まで見渡せると言われていたことからつけられたそうである(ただし、実際には見えない)。