地元有志が立ち上がった「黒壁プロジェクト」で蘇った長浜の町並み
〈滋賀県長浜市〉

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現存するわが国最古の駅舎をご存じだろうか? 赤レンガの東京駅舎でも門司港駅舎(ともに国重要文化財)でもない。明治15(1882)年に建てられた旧長浜駅舎(鉄道記念物・滋賀県指定文化財)である。比類ない英国風のデザインはまるで、機関車トーマスのひとコマを見ているようでどこか愛らしい。現役ではないが、今も当時と変わらぬ場所に佇んでいる。すぐ脇を北陸本線の特急電車が轟音をたてて通過する。
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そんな駅舎がある現在の長浜は、歴史的建造物を再利用した町並みを目当てにした観光客が、休日に限らず訪れている。「黒壁プロジェクト」なる町の活性化事業がスタートして約20年を越え、町に賑わいが戻ったのだ。
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「黒壁プロジェクト」とは、都市化に遅れをとり活力を失った町を復活させるの起死回生の策であった。このプロジェクトは、旧北国街道沿いの旧第百三十銀行(明治33年)を保存・再生し、ガラス館として転用することからスタートしたのである。このガラス館「黒壁スクエア」が黒壁1号館となり、地域活性化の先進例として注目を集めた。ちなみにその裏手にある土蔵を再生したレストランが3号館である。
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長浜の町を歩くとなんとなく楽しくなる、とは訪れたことのあるみなさんの感想である。城下町の雰囲気が心地よい町歩き、由緒ある建物を再生したお店でのショッピングや食事。すべては、黒壁プロジェクトのお陰なのだ。観光資源を磨き、輝かせるのは人なのである。
 
写真:米山淳一

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レポーター

米山 淳一〔よねやま じゅんいち〕

獨協大学外国学部英語学科卒業。岸信介事務所を経て、75 年(財)観光資源保護財団(現(財)日本ナショナルトラスト)入所。事業課長、事務局長を経て、06 年退職。現在は母校の獨協大学等で講義を行うほか、地域遺産プロデューサーとして全国で歴史を活かしたまちづくりプロジェクトを推進。現在、公益社団法人横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)常務理事・事務局長

一般社団法人 日本茅葺文化協会理事
一般財団法人 茶道宗偏流不審庵理事
日本鉄道保存協会事務局長
東映株式会社「大鉄道博覧会」企画プロデューサー
一般財団法人 東武博物館アドバイザー ほか


【著書】
●歴史鉄道 酔余の町並み(駒草出版)
  http://komakusa-pub.shop-pro.jp/?pid=61024099
●続・歴史鉄道 酔余の町並み〈2016年2月1日発売〉(駒草出版)
●写真集「光り輝く特急「とき」の時代」(駒草出版)
◎「地域遺産みんなと奮戦記」(学芸出版)
◎「歩きたい歴史の町並」 文 米山淳一 写真 森田隆敏(JTBパブリッシング)

http://www.j-yoneyama.jp/

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