うまい鮭と酒、そして歴史的町並み。北前船がもたらした北限の京町屋
<新潟県村上市>

村上といえば、なんといっても「塩引き鮭」が有名だ。ふつうの塩鮭とは製法が異なり、とても手間をかけて造られており、味に独特のコクがあって、食べてみればまるで違うものだとわかる。
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村上には古くからの鮭料理の伝統があり、料理は百種類を越えるといわれる。老舗の鮭料理屋「味匠喜っ川」では、日本のどこを探しても無いさまざまな鮭料理が楽しめる。
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そして全国屈指の酒処・越後にあって、清流三面川の伏流水が生むふくよかな銘酒「〆張鶴」「大洋盛」の味わいは、また格別である。いくら町並みが素晴らしくても、酒、肴が旨くなければ歴史的町並みを訪れた喜びは半減する。そんな贅沢な注文にも応じてくれるのが村上である。
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駅前から旧市街をめざして歩き始めると、茅葺の武家屋敷は、誰もが目にするランドマークである。
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大町・小町に入ると、北前船がもたらしたといわれる京風町が連なる光景に、こころが和む。間口が狭く低い二階、そして細い格子、京都の町家を思わせる町家がずらりと並ぶ。夏祭りには伝統の「おしゃぎり」(屋台)が一堂に会して練り歩くようすは、歴史的町並みとあいまって一枚の絵画を見るように美しい。
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旧町人町にある安善小路とその周辺では、昔ながらの景観に戻すため、ブロック塀などを黒板塀にする「黒塀プロジェクト」が成果を上げ、整った景観をつくりあげている。
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地元の人たちの長年の努力により、趣ある町並みが保たれている。いつかどこかで見た原風景のような町並み、そして伝統に裏打ちされた深い味わいの料理と酒を楽しめば、この国の神髄に触れるような気がする。
 
写真/米山淳一

INFORMATION

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レポーター

米山 淳一〔よねやま じゅんいち〕

獨協大学外国学部英語学科卒業。岸信介事務所を経て、75 年(財)観光資源保護財団(現(財)日本ナショナルトラスト)入所。事業課長、事務局長を経て、06 年退職。現在は母校の獨協大学等で講義を行うほか、地域遺産プロデューサーとして全国で歴史を活かしたまちづくりプロジェクトを推進。現在、公益社団法人横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)常務理事・事務局長

一般社団法人 日本茅葺文化協会理事
一般財団法人 茶道宗偏流不審庵理事
日本鉄道保存協会事務局長
東映株式会社「大鉄道博覧会」企画プロデューサー
一般財団法人 東武博物館アドバイザー ほか


【著書】
●歴史鉄道 酔余の町並み(駒草出版)
  http://komakusa-pub.shop-pro.jp/?pid=61024099
●続・歴史鉄道 酔余の町並み〈2016年2月1日発売〉(駒草出版)
●写真集「光り輝く特急「とき」の時代」(駒草出版)
◎「地域遺産みんなと奮戦記」(学芸出版)
◎「歩きたい歴史の町並」 文 米山淳一 写真 森田隆敏(JTBパブリッシング)

http://www.j-yoneyama.jp/

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