見るものを圧倒する匝瑳(そうさ)の緑たち
<千葉県匝瑳市>

匝瑳市は、緑のまちと言っても過言ではない。亜熱帯雨林でよく見られるスダジイ(ブナ科シイ属の常緑広葉樹)が市内広範囲に多く存在し、植木に関しては生産量、樹種が日本でトップクラスを誇るのだ。

 

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こちらは平山さん宅。裏庭にある巨大スダジイは見るものを圧倒する。一般公開されているが個人宅なのでマナーには注意頂きたい。また、見学の際は維持管理協力金として200円が必要である。

 

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門を過ぎると歴史を感じさせる大きな古民家が姿をあらわす。周囲に置かれている庭石も立派で良く整備されていた。平山さん宅では都会で感じることができない、ゆったりとした時間が流れていた。

 

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裏庭へまわると、樹齢1,000年以上といわれる巨木がそびえ立っていた。この巨木が「安久山の大スダジイ」である。幹まわりは約10メートルもあり、根の部分は、上部が板のように伸びる「板根」になっている。安久山の大スダジイは県内最大級、全国でも十指に数えられる大きさだ。匝瑳市が全国に誇る巨木であり、市の天然記念物に指定されている。

 

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大スダジイの裏には「日本の里山 100選の地」との看板が。この先には、NHKの番組「日本の里山100選」に選ばれた谷津田風景が広がっている。

 

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足元に気を付けながら、道なき道を進む・・・。もしこちらを訪れるようであれば、革靴は避けてほしい。まさかの展開だったので、運動靴を履いていなかった私は、大変な思いをすることに。

 

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これぞ里山といった日本の原風景が広がる。このあたりの散策路は、地元の有志の方がコツコツと一人で切り開いたとのこと。地元愛に溢れた里山だ。また、絶滅危惧種の猛禽類であるサシバ(タカ目タカ科)が毎年、子育てを行う場所であり非常に貴重な一帯でもある。

 

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匝瑳市には約76店の造園業者が存在する。なかでも最大規模を誇る「共種園(きょうしゅえん)」にお邪魔させて頂いた。広い園内には、出荷予定である大きな植木が横たわっており、パッと見には、大きなブロッコリーのようだった。最近では、海外での需要も多く、アメリカ、ヨーロッパ、アジアに輸出されるそうだ。共種園は、80年以上続く造園業のノウハウを活かし、品質の高い植木を生み出すと評判だ。

 

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植木のみならず、九十九里に面している匝瑳市は海産物も有名である。こちらは国道沿いにある「波音(はおん)」で頂いた刺盛り。鮮度抜群で間違いなし!特に貝類が絶品であった。他にも焼き魚や揚げ物を注文したが、何を食べても美味しく、丁寧さが感じられる素敵なお店であった。

 

国産絹糸の文化を守る下諏訪の製糸工場
<長野県下諏訪町>

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長野県のほぼ中央に位置する諏訪湖。その諏訪湖の北側に位置する下諏訪町は、かつての中山道と甲州街道が交わる要衝地であり、宿場町として栄えた地域である。なかでも御柱祭りで有名な諏訪大社下社の春宮・秋宮周辺は当時の名残りが色濃く残り、いまでも神社を中心とした地域社会が残されている。そんな宿場町で生まれ育ったという山田昌宏さんに、下諏訪の名所や見どころを案内していただいた。
(下諏訪町連載第2回)


 

 

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諏訪湖周辺は精密機械工場が多いことで知られているが、これはかつて蚕糸業で栄えたころの製糸工場が移行したことが理由のひとつと言われている。現在、絹糸の国内自給率は1パーセント未満であり、日本国内の4カ所でしか作られていない。そのうちの一つ、諏訪にただ一軒だけ残る松澤製糸所を訪れた。

 

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山田さんとは子供の頃からのお知り合いだという松澤清典(きよのり)社長にご挨拶。インターネットはよくわからないという松澤さんに、山田さんから町旅の説明をしていただく。お祭り前日でお忙しいなかだったが、快く取材に応じていただき貴重なお話を伺うことができた。

 

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清典さんのお父様が第二次世界大戦後に復員したあと始められ、70年以上の歴史を刻んでいる松澤製糸所。製糸工場になる前は、明治期の祖父の代から副蚕糸(繭のくずや蛹)を集めて商いしていたというから、すでに100年以上を蚕とともに過ごしてきた家といえる。

 

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松澤さんは18歳から岡谷の製糸工場に20年以上勤めて製糸の仕事を一通り学んだのち、実家の工場に入ったというこの道ひとすじの職人さんである。写真からも伝わると思うが、少しお話しただけでとても真面目で誠実な人という印象をうけた。そんな松澤さんから発せられた「自分の代になってからは良い時代は一回もなかった」「長男として生まれてきた責任感でこの仕事を続けてきた」という言葉からは、国産絹糸が今の状態になった歴史とともに、家業や伝統を守り続ける古き良き日本男児の誇りも垣間見える。

 

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suwa02_07工場は松澤さんが岡谷から戻ってきたとき建てなおしてからすでに数十年が経過している。「かなり傷んでいるけれども」と言うが、なかに入ると大変キレイにされていて驚く。先代は人の手による座繰りで創業したそうだが、人材不足や外国との競争により機械化に切り替えたとのこと。「これがなきゃ勝負できない」という大切な機械は、生産性を向上させるため業者と協力して改良を重ねているという。故障しないためのメンテナンスはずっと心がけているというだけあり、長年使っているとは思えないほど美しい状態だ。

 

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工場の稼働時間は8時から16時。家族2人を含めた従業員6名と運営しているそうだ。意外だったのは、男性は松澤さんを含めて2名しかおらず、スタッフはほとんどが女性。理由を聞くと、糸をつないだりするのはやわらかい女性の手が圧倒的に向いているためだという。ここでは極細の14中から110中まで8種類の太さの絹糸を作ることができ、1日約30キロが生産されている。

 

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工場が始まる8時に間に合うよう繭を煮るため、社長は1時間以上早く出社しボイラーを炊いているそうだ。燃料を使用するボイラーなら5分で蒸気を発することができるそうだが、雑燃ボイラーを使って廃材を燃やすことで経費を削減し生産性をあげているとのこと。こういった努力をしても家族の協力や家財を犠牲にしなければ続けるのが難しいという。

 

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先代が亡くなってからは、営業もしなければならなくなったことも負担が大きいそう。昔は相場的なものがあったが、最近は取引のたびに値段交渉がおこなわれるという。しかし、ほとんどが固定の取引先に卸しているため、なかなか値上げの要請は難しいのが実情らしい。年々養蚕農家が減少し繭の値段も高騰するなか、製造・販売の重責を担うのは想像するだけでも怖くなる。

 

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しかし、松澤さんの口から「やめる」という言葉は一度も出てこない。むしろ「子供が継いでくれるという話があるので、なんとか続けられる形を整えて受け渡したい」と力強い言葉を聞かせてくれた。そうまでして続ける理由は、それが家業だからか国内にわずかに残された製糸業を守る義務感からなのだろうか。

 

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仕事をしていて最も嬉しかったことを聞くと「親父に良い仕事して良い糸つくったなといわれたこと」という答えが返ってきた。工場の社長というよりも、品質にこだわりとプライドを持つ職人という印象が強い松澤さん。そのありようが諏訪でただ一軒継続できている製糸工場の秘訣なのかもしれない。

気軽に手軽に制作体験! 長野県の伝統工芸「水引細工」
<長野県下諏訪町>

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長野県のほぼ中央に位置する諏訪湖。その諏訪湖の北側に位置する下諏訪町は、かつての中山道と甲州街道が交わる要衝地であり、宿場町として栄えた地域である。なかでも御柱祭りで有名な諏訪大社下社の春宮・秋宮周辺は当時の名残りが色濃く残り、いまでも神社を中心とした地域社会が息づいている。
(下諏訪町連載第1回)

 


 

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今回一緒に町を歩いてくれるのは、そんな下諏訪町の宿場街で生まれ育ったという山田昌宏さん。全国的に有名な諏訪大社の「御柱」は6年ごとだが、毎年行われる「お舟祭」というお祭りも盛大だと聞き、下諏訪町の見どころや人々とあわせて案内していただいた。

 

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下諏訪町で人材派遣会社やカルチャースクール事業をおこなう株式会社あさぎを経営している山田さんとは、事業所のひとつ水引工房やまだで合流。水引とは贈答品の包みに付けられる飾り紐のことで、冠婚葬祭時につかう封筒の飾りで使われているのを見たことがあるはずだ。内部は和紙をこより状にしたものなので、水引も和紙の産地で作られることが多いという。色は和紙のこよりに巻きつけた糸で表現され、写真の水引は赤い絹糸が巻かれているそうだ。ちなみに、額に入った店名も水引でつくられた作品のひとつ。

 

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その水引を使って作る小物やアクセサリーを水引細工といい、長野県が国内生産量の70%を占める伝統工芸である。おめでたいイメージからか、結婚式のブーケや花束の需要が多いそうだが、最近はよりカジュアルに楽しめるアクセサリーの人気も高いそう。なかでも「かんざし」は訪日外国人や和装ブームもあって、最近の人気商品になっているという。

 

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「水引工房やまだ」では、お土産屋や通販ショップへ納品する作品を作るだけでなく、自分で作ってみたいという方への講習会も開催。百貨店などでのイベント出展時は体験コーナーも実施しているので、自分だけの作品を作れるのも魅力。事前に連絡すれば、事務所でも体験可能というお話を聞けたので、比較的簡単にできるという「淡路結びのフィッシュボーン」を作らせていただくことに。

 

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今回の講師は25年以上の講師歴を持つ石川さん。水引工芸以前はフラワーアレンジメントも教えていたことがあるという大ベテランに、マンツーマンで教えていただいた。

 

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席に座ると好きな色の水引を選んで作業開始。石川さんの手本を見ながら、同じように水引を結んでいくだけでなんとなく形になっていく。ただし、水引と水引の間があいてしまったりするので、見栄え良くするのは結構難しい…手工芸とは無縁の人生を歩いてきたことをなかなか言い出せないでいると、石川さんから机の上に一部を固定して進めるやり方の提案が…。

 

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せっかくなら綺麗に作りたいので、返事はもちろん「それでお願いします」。不得手な人でもしっかり作らせてくれる方法を持っているあたりさすがベテランである。それまでは手先より水引の方が動き回っていたのだが、固定後はかなり楽に結んでいけるようになった。

 

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長さは好み次第で良いそうなので、5分ほど編み込んで申告した。精密機器を扱う企業にいたこともあるというKENJIさんに金具をつけてもらって完成。ちなみにKENJIさんも講師歴14年以上のベテランで、作品を作るための作業道具から作ることもできるそうだ。

 

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トータル作業時間30分程度で、自分だけの作品が完成。個人的には大満足のできばえ。よーく見るとだんだん結び目がキレイになってきており、上達のあとが見られる所も嬉しい。

 

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今回は最も簡単にできる作品でお願いしたが「事前に人数や時間を相談していただければ、いろいろな提案ができます」という石川さんとKENJIさん。まずは百貨店などで行われるイベントの体験コーナーで試してみるのがオススメだが、「水引工房やまだ」なら本格的な伝統工芸作品にも楽しく挑戦することが可能だ。雰囲気もアットホームなので、興味がある方は気軽に問い合わせしてみてはいかがだろう。

 

【水引工房やまだ】

ホームページ
http://www.lcv.ne.jp/~mizuhiki/

 

●講師紹介・水引体験の詳細はコチラ
http://www.lcv.ne.jp/~mizuhiki/koushyuukai.html

 

●百貨店などで行われるイベント情報はコチラ
http://www.lcv.ne.jp/~mizuhiki/event.html

 

【株式会社あさぎ(案内してくれた山田さんの会社)】

ホームページ
http://www.asagi393.jp/