様々な方法でアクセス可能! 紫式部ゆかりの古刹
<滋賀県大津市>

isiyama1_01isiyama1_02比叡山延暦寺へ行く最寄駅「坂本比叡山口駅」始発の京阪石山坂本線にのり、約30分で終点に到着。「石山寺駅」は町の賑わいを抜けたところに位置していて、線路の端から駅への出入り口へは数メートルしかありません。予想よりだいぶこじんまりとしていましたが、なかなか趣きがある駅です。

 

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駅前はこれまたこじんまりとしたお店が一軒あるだけ。軽食とお土産を売っているほか、近隣の観光パンフレットなども置いてあります。後でわかったことですが、この先は食べ物やさんが少ない上に、営業時間外の場合もあるので、お腹がすいているなら何か買っておいた方が良いです。観光案内所も兼ねているためか、お店の人がとても親切でした。

 

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石山寺は駅から850mほど離れているので、駅前からバスに乗るか、瀬田川に沿って伸びる「石山紫の道」を歩いて向かいます。石山紫の道は車道脇の広い舗装路で歩きやすいのですが、幾分味気ないと思う場合は、道路を渡って川べりを歩くのがオススメです。

 

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川沿いは「瀬田川ぐるりさんぽ道」と名づけられ整備されています。ただ、足場が土の部分もあるので汚れが気になる方は舗装された堤防を歩くといいでしょう。穏やかな水面近くを歩けば水鳥やボートが見え、のんびり旅気分を味わえます。ただし、車道を渡る場所があまりないので、交通ルールに気を付けてください。

 

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10分少々歩くと石山寺の東大門前に到着。門前はタクシーやバスの発着場になっているほか、観光船乗り場(季節営業)もありました。どうも歩いている人が少ないと思ったら、乗り物でのアクセスが豊富で、利便性が高いからなんですかね。

 

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駐車スペースの隣には、数軒の土産物屋が軒を連ねています。人気だったのは石山寺名物という「石餅」。石山寺の「象徴である岩」に見立てた小豆餡がたっぷり乗ったふたつの餅が、お茶付きで一人前300円。店前に出された縁台でも頂けるとあって、年配の女性が大勢見うけられました。

 

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747(天平19)年に開山したと伝わる石山寺は、紫式部が参籠中に源氏物語を書き始めたと伝わるなど、平安期の王朝文学に大きく影響を与えたという古刹。源頼朝によって寄進され、淀君によって大規模修理が行われたと伝わる写真の東大門など、まさに歴史的な人物やエピソードがあちらこちらで見られる名所でもあります。

銚子の新たな魅力は高台にあり?! ちょっとディープな銚子旅
<千葉県銚子市>

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漁業のまち銚子らしい神社を発見。長崎町の高台にある「長久郎稲荷神社」である。地元の方でも知る人は多くないだろう。見ての通り、とてもユニークな造りであるが、歴史ある神社だ。約350年前に崎山次郎右衛門と共に来た長久郎という漁師が子孫繁栄や大漁を願って建立したと伝わっている。

 

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長久郎稲荷神社付近に残されていた砲台跡。1945(昭和20)年、東京への食糧供給の重要拠点であった銚子は、B29爆撃機によって空爆を受けた。また、東京大空襲の帰途、米軍機が投下できなかった爆弾を落とされたことにより、多くの犠牲者が出た。事実は定かでないが、米軍機を攻撃するために大砲が設置されたのではないかと言われている。

 

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長久郎稲荷神社の先には絶景が広がっていた。眼下には長崎の町なみが広がり一望できる。この日は前日の悪天候により海が激しく荒れており、強風にさらされた。ただ、このような荒れ方は稀らしく、ある意味ラッキーだそうだ。灯台付近の海は北、南、東から3つの潮がぶつかる場所であるため、高い波しぶきを立てていた。景観のみならず激しい波音も心地が良かった。

 

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銚子にはあらゆる所にキャベツ畑がある。温暖な気候と豊かな土壌で育てられたキャベツは「灯台キャベツ」の名で親しまれている。なかでも春キャベツは全国一位の生産量を誇り、数年前には日本テレビ「満点☆青空レストラン」でも紹介された。冬を超えるために養分を多く蓄えているため甘みが強いとのこと。生でも当然おいしいが、粗みじんのキャベツをメンチや餃子に入れて、食感と甘みを楽しむ人も多いようだ。

 

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外川の町並みは以前に訪れ、その良さを実感したが長崎町の存在は知らなかった。この地区は銚子市市街から南東に約5km、半島先端の長崎鼻にある集落だ。外川の町並み同様、美しく歴史を感じさせる町並みが存在している。まさに隠れた名所である。

 

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長崎町は漁師町だった名残が色濃く残る小さな集落であり、外川と同様に漁業で栄えた町である。海岸付近にあるため、風による被害を避けるべく頑丈な防風対策が施されていた。自然石を使用した石垣で家屋を囲い、敷地を掘り下げ低い位置に家屋を建てるなど様々な工夫が見られた。当時の漁師町を忠実に伝えている貴重な遺産であると感じるとともに、その姿は沖縄に点在する集落のようであった。外川を訪れた際は、少し足を延ばしてこの町を散策して欲しい。

 

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長崎町のほぼ中心に鎮座している「西宮神社」。江戸時代初期にイワシを追って兵庫県西宮出身の漁師が長崎町に移住し、故郷を偲んで建立したと伝わっている。風や塩害により劣化が激しい狛犬や石祠以外は、近年、再建されてものと推測できる。左奥には古びた建物があり、「水難救水會」と書かれた文字が微かに読み取れる。恐らく漁船の監視所だったのだろう。この町で一番高い場所に建てられているようで見晴らしも良く、町の様子がよく分かる場所であった。

 

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銚子電鉄「犬吠駅」にてヘネリーファームの直売所を発見。アフロさんが育てるアフロきゃべつが購入できる。残念ながら、この日は売り切れ?であった。潮風を受けながらすくすくと育ったキャベツは甘みが強く美味しいと評判だ。収穫体験も実施しているので、アフロヘアーとサングラスに抵抗がない方にオススメだ。

 

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サンライズホテル銚子より徒歩数分の場所にある「和」にて会食。銚子と言えばもちろん魚介類。色々と頂いたが、この日の一番はカワハギの肝和え。まったりとした濃厚な味は、やみつきになる。そして、初めて食したサルエビのボイルも、あっさりとした風味としっとりとした食感が印象的であった。

 

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やはりありました「ヤマサ」と「ヒゲタ」。銚子に来たら、是非、醤油チェックをしてもらいたい。たいていのお店には、この2種類が用意されている。また、周囲の人がどちらを使用するかを確認するのも面白いだろう。銚子でのささやかな楽しみである。

間近で見られる国宝の数々「高岡山 瑞龍寺」
<富山県高岡市>後篇

山門付近からの回廊の眺め。法堂を中心に山門、大庫裡(おおくり)、禅堂を結んでいる。回廊内と同じく規則的に並ぶ白壁と格子戸が美しい。

 

禅堂の近くには座禅用座布団が並べられていた。見た瞬間、なぜここにタイヤが?と思ったが、よくよく見ると結構な厚みをもった座布団であった。そもそも座禅を組む際に、このような座布団を使うことを初めて知った。

 

禅堂前の梁に吊るされていた「魚板(ぎょばん)」。人を集める際、合図としてこの魚版を叩くそうだ。魚がモチーフとなっているのは、魚は瞼がなく日夜を問わず目を閉じられないことから、修行に没頭することの象徴とされたためだ。お経を読む時に叩く木魚もこの魚版が原型とされている。

 

1655年建立とされている「法堂(国宝)」。建坪は186坪で総檜造り。境内で一番大きな建物であり、その堂々たる姿に圧倒される。法堂には6室あり、中央奥の内陣には二代藩主である前田利長の位牌が安置されている。中央2室の格子天井には狩野安信による見事な草花が描かれ、欄間には鳳凰が彫刻されている。

 

禅堂と相対して向かい合っている大庫裡。大庫裡とは僧侶たちが調理や寺務を行う場所だ。天井には漆喰が塗られており、結露や防火対策として曲線になっている。1658年頃に建立されたが、明治初年に撤去。1988年から行われた。修復のための解体調査により古面図や主屋の部材が発見され建築時の姿が判明し復元された。

 

 

 

凝縮された200mで伝統的町並みを味わう
<長野県上田市>

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戦国時代の有名武将で、今でもドラマや小説・漫画で多くのファンをひきつける真田幸村。その父親である真田昌幸によって築城された上田城は難攻不落の城として知られていたが、近年は眞田神社・上田市立博物館などの観光施設があるうえ、年間を通して様々なイベントが催され、多くの人が訪れる人気スポットになっている。

 

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そんな上田城を訪れる人が立ち寄る場所としてオススメしたいのが「北国街道・柳町」。柳町は真田氏による城下町形成からづづく歴史的な町であり、いまでも江戸末期から明治時代の2階建て平入りの町屋が並び懐かしい景観をみせてくれる町である。城を訪れる人にはおそらく興味を持ってもらえるはずで、上田城からは徒歩10分もかからず立ち寄れる場所にある。

 

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残されている街道は200mほどだが、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で訪問者が増えたからだろうか、飲食店や土産物など来訪者向けの施設が充実している。白い土塀に格子戸のある建物は昔風だが、どことなくお洒落で洗練された店舗が多い。全体的にすっきり見えるのは、高低差が少なく軒高が揃っているからなのだろう。

 

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柳町のなかでもひときわ目立つ存在なのが、寛文5(1665)年創業の「岡崎酒造」。TVやCMなどにもよく用いられる伝統的な佇まいの建物のなかでは、いまでも菅平水系の水・県産の米を使った地酒づくりが続けられている。通りに面した直営店では試飲ができるのも嬉しいところ。自慢の代表銘柄「亀齢(きれい)」はスッキリと軽快な味わいだ。

 

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街道の一端にある「武田味噌醸造 菱屋」にも注目。この地に店を構えたのは2006(平成18)年であるが、建物は明治元年に建築された民家を移築したもので、伝統的町並みに見事に溶け込んでいる。贈答用やお土産用の定番商品もあるが、最近はあまり見かけなくなった量り売り(100g以上)にも対応しているので、少量でいろいろ購入するのも楽しい。

 

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寒さの厳しい季節に仕込まれた「大寒特別仕込みそ」は、訪れた人だけが味わえる限定品だという。せっかく足を運んだなら、ぜひ試してみてはいかがだろう。

江戸時代のおもむきが色濃く残る北国街道の宿場町
<長野県東御市>

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海野宿は江戸時代に北国街道(ほっこくかいどう)の宿場町として、江戸末期からは養蚕業で栄え、豊かな富により建築された風格ある建物がいまなお残り続けている町である。地域一帯は伝統的建造物群保存地区に指定されており、まるで時代劇のセットのように思えるほどの町並みをみせてくれる。

 

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たまに自動車が走ってくると違和感を感じるほど、町には驚くほど多くの伝統的建造物が立ち並んでいる。街道沿いには江戸時代の旅籠屋造りが多く、長短2本づつ交互に組み込まれた「海野格子」と呼ばれる格子が特徴。

 

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unno04また、富家でないとできない建築的意匠「うだつ」を供えた建物も多いので、建築好きにはたまらない環境でもある。「うだつ」には種類があり、「本うだつ」を備えた建物は江戸時代、「袖うだつ」を備えたものは明治時代に建てられているそう。ちなみに「うだつが上がらない」という言葉は、この「うだつ」のコトをさしているそうだ。

 

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中心地近くには海野宿資料館があるのだが、周囲の建物すべてが資料館的佇まいを持っているので、知らないと見逃してしまう可能性あり。というより、町全体が貴重な資料なのではないかと感じた。

 

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unno07海野町の東端に位置する白鳥神社には、樹高30mをこえるケヤキの御神木があり、町の人たちの手でしめ縄を付けられていた。この町の歴史を見続けてきた樹齢700年以上と推定される大木は、いまもこの地域の人々に大切にされている。

 

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信濃鉄道田中駅と大屋駅の中間に位置し、現在は決してアクセスが簡易と言えない海野宿だが、そのために変わらない町並みが残ったともいえる。これほど昔懐かしい景色や特徴的な地域文化を味わえる場所はそうそうない。のんびり歩けば江戸時代の旅人の気分になれるだろう。

伊豆大島の港にある創建年も御祭神も不明の神社
<東京都大島町>

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伊豆大島・岡田港からすぐ近くの急勾配にある龍王神社は、創建年も御祭神も不明。「そこに昔からあるから」という理由で地域の人々に祀られてきた神社のようです。

 

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積石で作られた城壁を数段重ねにしたような境内は、階段の角度も急でかなりの高低差。段によって石積みの形式が違っていて、上に登るほど古いように見えます。年を経るごとにお参りしやすいよう拡張されているのかもしれません。

 

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一番上までいくと、こじんまりとしたお社があります。お社は比較的最近になって建てられたようです。参道やしめ縄などはキレイに整えられていて、やはり地域の人に大切にされていると感じました。

 

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お賽銭箱が無いなと思ったら、社殿の扉に小さな穴と申し訳程度の鍵が…。隣の木の板を良く見ると「お賽銭口」と書いてあります。直接投入形式は珍しいと思いますが、ダイレクトに感謝や思いが伝わるのかもしれません。山野に置かれた石仏のように、一切商業主義が入りこまないところに、人々の真摯な気持ちを感じます。

 

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境内に置かれた石灯籠には「文化六巳年三月吉日」の日付が刻まれていました。文化六年は西暦だと1809年にあたるので、少なくとも約200年以上前からの歴史はありそうです。

 

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ちなみに、龍王神社は創建以来災害を受けたことがないと言われているそう。見下ろせば岡田港が見え、町からもすぐ近い場所にある高台状の神社は、津波やがけ崩れからの避難場所にもなっていたのかもしれません。さい銭箱もおみくじもありませんが、地域の人々の生活に密着した神社は、むしろ特別な雰囲気を感じる事ができる気がします。

 

アクセスも意外と簡単! 東京の離島「伊豆大島」で懐かしさを感じる町を歩く
<東京都大島町>

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山手線の浜松町駅から歩いて10分ほどの場所にある竹芝桟橋からは、伊豆諸島へ向かう船が日々発着しています。船旅というと慣れないうちは大変と思いがちですが、乗船手続きは思いのほか簡単。運行予定を見て乗りたい船が決まったら、電話で予約して出発時に切符を購入すれば良いのです。登録すればネットで決済まで済ませることもできます。今回は期間限定の「サイクルきっぷ」を電話で予約して、伊豆大島に向かいました。22時に出発するフェリーに乗り、朝6時の到着です。

 

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伊豆大島は、東京都心部から約120㎞ほど南にある伊豆諸島最大の島です。標高758mの三原山を中心に約91平方キロメートルの面積がありますが、その大部分が山林。「大地の公園」を意味するジオパークに、関東では初めて認定されているだけあって、やはり楽しみは登山や海水浴・釣り、そして温泉など自然環境との触れ合いです。さらに、自動車が少ないのと島一周の距離が適していることから、近ごろはサイクリングのために訪れる人も増えているようです。

 

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フェリーが発着する港は2カ所あり、今回は岡田港の方へ到着になりました。もう一つの元町港の方が港も町も大きいのですが、入港地は天候により左右されますので、乗船数時間前までどちらに着くかはわかりません。利便性は元町の方が断然良いですが、風情という点では岡田に軍配があがるという感じです。

 

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岡田港客船待合所は船を降りてまず最初にある建物で、観光のベースとなる場所です。朝一で到着するフェリーの場合、中にある軽食屋や土産物屋は営業開始前ですが、2階にある広めの無料休憩所は使うことができます。また、建物のすぐ前が路線バスやタクシーの乗り場になっています。

 

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ooshima06岡田は30分も歩けば一周できてしまう小さな町ですが、昭和の雰囲気が残されており懐かしさを感じさせます。一般家庭のように見えて民宿や旅館だったり、何かを売っていたりと意外な驚きも。

 

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気になる細い路地も多く、ちょっとした迷路に迷い込んだような非日常的な雰囲気。必要以上に観光化されていない点も魅力のひとつで、岡田ならではの旅情が味わえます。

 

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もちろん海もすぐ近く。夕飯のおかずでしょうか?  港の隣にある磯では、地元らしき人が何かを採取していたり、竿をだしている港町らしい様子もうかがえます。釣り具などはレンタルしているお店もありますので、穴場を聞いて挑戦してみるのも良いかもしれません。

 

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実は…高速ジェット船を使えば、竹芝桟橋から2時間かからずに行くことも可能な伊豆大島。離島と聞くとアクセスが不便と思いがちですが、大島は毎日5本くらい(時期により異なる)の船が発着しているうえ、伊豆半島の熱海港や下田港との定期便もあるんです。手軽に「遠くに来た感」を味わいたい方は、ぜひ試しに行ってみてください。

 

 

きらっせ、みらっせ、ちょっとディープな銚子旅
<千葉県銚子市>

今となっては「しおさい」から見える風力発電も見慣れた光景となったが、まだまだ銚子通とは言えない。今回はちょっとディープな銚子を知るべく足を運ぶこととなった。

 

まずは、銚子プラザホテルの「廣半」へ。こちらでは年間を通して新鮮な鯖料理を提供している。この日は現地の方がイチオシである「鯖の漬け丼」を注文。ほどよく脂がのった鯖は文句なしの美味しさ。適度な歯応えもあり新鮮さが感じられ、酢飯との相性も良い。また、茶わん蒸し、シラスおろしなどの副菜も充実しており大満足であった。鯖寿司も数人でシェアしたが、関西の有名店にも引けを取らない逸品であった。

 

西廣家は紀州から移住した人物であり、江戸時代末以降の銚子漁業を支えた船主の一人とされる。西廣家住宅は日本遺産~北総四都市江戸紀行~の構成文化財のひとつで、現在は、母屋、江戸末期の建築と伝わる納屋2棟、昭和初期に建築された缶詰工場が残されている。当時は足が早い(腐りやすい)と言われた銚子沖の鰹を加工し、鰹節を生産した事でも知られる。色あせた家屋や工場からは銚子の漁業を支えた歴史と重みが伝わってきた。

 

明治時代のレンガ造り塀が敷地の一部に残されていた。江戸末期の漁家屋敷の面影を今日に伝えている。

 

銚子電鉄外川駅に保管されている「デハ800形801」。駅舎と共に外川駅のシンボルと言える車両だ。昭和25年、帝国車両で生産され、伊予鉄道で活躍。銚子電鉄に入線後も主力車両として使用されていたが、2010年、車両代替によりその役目を終えた。2017年、銚子商業高等学校の生徒たち、株式会社BAN-ZI、株式会社REPROUDを中心に車体の腐食や錆の修復作業が行われ、当時の姿を取り戻した。現在は、一般向けに無料公開されており、多くの銚子電鉄ファンがここを訪れている。

 

今日に至るまで修復が繰り返し行われた外川駅舎。大正時代に建設された木造建築で、開業時の雰囲気を醸し出している。木製のベンチに地元住民の手作りによる座布団が置かれているのは、多くの人々に愛されている証拠だ。ネーミングライツよる駅名は「ありがとう」。この駅名にちなんで「ありがとう」グッズが販売されていた。赤と白のシンプルな色使いが気に入り、缶バッジ、ハンドタオルを購入した。非常にリーズナブルなのでオススメだ。

 

外川ミニ郷土資料館に展示されている「万祝」。万祝とは、大漁祝いの引き出物として網元などから漁師へ配られた晴れ着である。江戸時代の房総半島の漁村が発祥と伝わっている。こちらは、かなり手が込んだ上等品で上部に描かれている鶴は「魚を多く釣る」を意味しており、下部には縁起物の鶴と亀が描かれている。このように鮮やかな状態で残っていることはとても珍しいそうだ。

 

斜面に碁盤の目状に整った区割りがされている「外川の町並み」。遠くに見える海を目指して歩くと、何とも言えない期待感が湧いてくる。この町の歴史は1656(明暦2)年、紀州より崎山次郎右衛門が移住したことが始まりだ。当初は飯沼村に住居を構えたが、2年後に外川へ移住し築港を開始、1661(寛文元年)年に外川漁港を完成させた。そして、町づくりを行い、紀州より人々を呼び寄せたそうだ。外川の建設に用いた土木技術は、戦国時代に発達した築城技術が活用されているのではないかと言われている。

 

一見緩く感じるが、下りきってから見上げるとかなり急であることに驚いた。また、どの家屋からも海が見えるように建てられている。これは、家族の船が無事に帰ってきたことを瞬時に確認できるためとのことだ。漁師町として繁栄した地域ならではの町づくりである。

 

外川の猫。この地域の猫たちは人馴れしているためか、近寄っても逃げることなく非常にマイペースだ。観光客の扱いには慣れているようで、なかには我々と共に歩き、立ち止まると足元に寝転がる強者も。外川の猫探しと称した散策も悪くない。

【再編集】地域が誇る一本桜の華麗なる競演
<福島県二本松市>

首都圏の桜はかなり散ってしまいましたが、昨年取材で訪れた福島県二本松市の桜はこれからが本番!  昨年は12日の取材でも開花前でしたが、今年は今週末(7日)ごろから市内のあちこちで見頃が始まるそうです。

 

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まずは、広い会場で多数の桜を見たいという方向けの霞ヶ城公園をオススメ。写真が開花前で申し訳ないのですが、二本松城内三の丸周辺が会場として設定され、ソメイヨシノをはじめとした大小約2500本の桜が楽しめます。観光名所のお城のため比較的アクセスも良く、二本松での花見が初めてなら押さえておくべきポイントです。

※今年は4月4日時点で現在5分咲きとの情報あり

 

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そして、町旅的オススメのお花見は一本桜めぐり。「桜を愛するアマチュアカメラマンの会」や「郡山観光交通株式会社」により県内の一本桜に番付がされていて、各地域の人々は格付けチェックに一喜一憂。更なる格上げを狙って様々な活動をしているのです。

※写真は昨年時の番付です

 

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昨年の二本松取材でガイドを務めていただいた鴫原(しぎはら)さんもその一人で、地元の針道地区にある「中島の地蔵桜」を地域の方と協力して保存・整備されています。さらに、開花時期になると交通誘導や桜の説明をしてくれるほか、休憩所や軽い飲食物のおもてなしも。なんでも年々来場者が増えているため、今年から駐車場スペースを拡大して100台以上停まれるようにしたとのこと。一本桜めぐりは迎えてくれる地域の人たちとの触れ合いも楽しみのひとつなのです。

 

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「中島の地蔵桜」は樹高10m、枝張り30mのしだれ桜。絵画的な美しさから、旅雑誌の特集でトップページにも使われているそうです。一本桜は絵になるためでしょう、通常の花見客のほかにカメラマンの来訪者が多いというのも納得で、今年はプロカメラマンが見つけた新たな撮影スポットも増えたみたいです。

 

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中島の地蔵桜は日が暮れるとライトアップされ驚くほど幻想的な景観に。しかも、この写真は開花前の撮影なので、満開時はもっと美しいビジュアルになるはず。撮影に適した場所も地元の人が親切に教えてくれるので、明るいうちに聞いておくのがオススメ。なんと、この場所は撮影のために田植えなどを先延ばしにしてくれているそうです。

 

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地域自慢の桜はそれぞれ個性的な美しさ。地蔵桜から車で5分ほどの場所には、前頭5に格付けされた樹齢800年といわれる「祭田の桜」があり…

 

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さらに7-8分ほど走ると、大関に選ばれた「合戦場の桜」も見ることができます。他にも市内にある主な桜スポットと開花状況は二本松市観光連盟のホームページで紹介されていますので、ぜひ確認して気になる場所まで足を運んでみてください。出会いを感じる桜にきっと巡りあえるはずです。

 

 

番付提供:桜を愛するカメラマンの会

画像提供:鴫原さん(5枚目の地蔵桜)/二本松市役所観光課(最後の合戦場の桜)

【再掲】文化財→奇岩→黄金像→桜、見どころ盛り沢山の国指定名勝「妙義山」
<群馬県安中市・富岡市・下仁田町>

約45種類の桜が約5千本植えられている「県立森林公園 さくらの里」が開花期に入りました。ソメイヨシノは4月2日の時点で3分咲き、満開予想は今週末あたりのアナウンスがされています。妙義山周辺は他にも面白い場所がありますので、このタイミングであわせて訪問してみてはいかがでしょう?

 

 

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群馬県の安中市・富岡市・下仁田町の境界に位置する妙義山は、赤城山・榛名山とともに上毛三山の一角をしめ、群馬を代表する山のひとつである。石門をはじめとする多数の奇岩やギザギザとした鋸状の尾根が生みだす景観は、国の名勝に指定されている。

 

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そんな妙義山は古くから山岳信仰の対象でもあり、東麓山腹には537(宣化2)年に創建されたという妙義神社がある。境内は上下に分けられ、旧寺域である下部から165段の石段を登ると本殿がある上部神域。取材時はあいにくの天候だったが、タイミングがあえば関東平野の彼方まで見渡せるそうだ。

 

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境内の建造物は江戸時代初期から中期に建てられ、写真の本殿・幣殿・拝殿のほか総門・唐門などは国指定の重要文化財。その他の建造物もほとんどが県・町指定の文化財となっている。

 

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いずれもすぐれた彫刻が各所に見られ、細部に至るまで見どころが豊富。峻険な岩山の懐に際立って見える鮮やかな色彩も見事だ。

 

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妙義神社の南門をでると、妙義山のハイキングコースへつながる。難易度の高さで有名な妙義山だが、ここから中之嶽神社へと向かう中間道は、大半が整備された道になっていて気持ちよく歩ける。

 

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案内板も頻繁にでてくるので道に迷う心配も少ない。ちなみにこの中間道は環境省の構想に基づく「関東ふれあいの道」の一部で、美しい自然や田園風景、歴史や文化遺産にふれあうことができるようになっている。

 

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ただし、一部はこんな鎖場があるので、しっかりした準備は必要。

 

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約2時間ほど歩くと様々な奇岩が集中したエリアに到着。大砲岩をはじめ、様々な名前が付けられた岩が作り出す景観は、さすが日本三大奇勝の一つとうなずいてしまう。

 

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妙義山が一味違うのは、奇岩群の近くには鎖が設置されていて、これを登ると…

 

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これらの岩を見るだけでなく、間近まで行けてしまうところ。足場が狭いので注意が必要だが、中腹なのにかなりの高度感とスリルが味わえる人気スポット。ただし滑落事故もあった場所なので不安を感じたら行かないこと。

 

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もう少し進むと第四石門というアーチ状の大きな岩がある。先ほどの奇岩群もだが、大いなる自然の造形に驚かされる。また、石門の近辺はちょっとした広場と東屋があるので、食事など休憩をとる場所としてもオススメ。

 

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広場から40分ほど歩くと中間道の一端になる中之嶽神社に到着。実は奇岩群や石門を見るだけならコチラからスタートするのが一般的(石門巡りというコースがある)。ここは、轟岩という自然石を御神体にしているため本殿を持たない珍しい神社で、拝殿も岩に食い込むように建てられていている。

 

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妙義神社とおなじく中之嶽神社も長い階段。下の境内には社務所や土産物屋のほか、金色に輝く巨大な像が…。

 

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正体は高さ20メートル、重量8.5トンという日本一大きな大黒様。大黒様は木槌を持っているのが一般的だが、中之嶽神社の大黒像が持っているのは剣。病や悪霊を祓って福を招いてくれるそうだ。

 

myougi14中之嶽神社をでると群馬県立妙義公園の看板と駐車場(歩きではなく自動車を使えば、最初に紹介した妙義神社から10分程度でこられる)があり、隣接してさくらの里という森林公園もある。47ヘクタールという広い園内ではシルエットも濃淡も異なる様々な桜が咲き乱れ、ほかにはない色合いを作り出している。

 

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40種類を超える桜を眺められる場所も時間もそう多くはない。さくらの里は桜の開花シーズンにあたる4月1日から5月10日の間は利用時間を延長しているので、中間道を歩いたあとでも十分楽しむことができる。この期間中に訪れて、妙義山をたっぷり堪能してみてはいかが。