近代日本のシルクロードを辿る⑩


国立大学唯一の繊維学部
が信州大にある理由
〈長野県上田市〉

1911(明治44)年に設立された上田蚕糸専門学校が前身になって今日続いているのが、信州大学繊維学部です。上田蚕糸専門学校は、養蚕業・製糸業の近代化のために日本で初めて設置された蚕糸専門学校で、東京蚕業講習所(東京農工大の前身)、京都蚕業講習所(京都工芸繊維大学の前身)とともに蚕糸の御三家と言われました。
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蚕都上田の冠をもつ上田には、養蚕業の隆盛を今に伝える歴史的建造物も多く遺されています。信州大学の構内敷地にも上田蚕糸専門学校時代に建てられた講堂(写真上)や、現在は資料館として利用されている貯繭子など、国の登録有形文化財となった施設があります。
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上の講堂の内部です。昭和初期の木造建築で様式はゴシック建築に分類されます。全体的にクラシカルでモダンな雰囲気の中にも学びの場にふさわしい落ち着きのある造りです。この講堂の特徴は、入口の天井、ステージの柱、アーチの縁飾り、演台などのそこかしこに蚕糸のシンボルである桑・繭・蛾のマークがあしらわれている点で、ひと目で養蚕時代の遺構とわかります。
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おなじく国の登録有形文化財となっている旧・上田蚕糸専門学校の貯繭庫として利用されていた施設で、現在は繊維学部の資料館として利用されています。二階建の赤レンガ造りで寄棟屋根に炭色の和瓦を浅く葺いた和洋折中がバランスよく調和したモダンな建築です。
 
写真:米山淳一
 

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