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見るべきものは梅だけじゃない! 創造性溢れる9代水戸藩主の空間デザイン
<茨城県水戸市>

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日本遺産「近世日本の教育遺産群 -学ぶ心・礼節の本源ー」の物語を構成する文化財として認定された偕楽園。日本三名園のひとつで梅の名所として有名ですが、常陸水戸藩の第9代藩主・徳川斉昭公が「多くの人々と楽しみを偕(とも)にしたい」と造った庭園の中には、梅の時季を過ぎても楽しめる施設があります。
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好文亭は、詩歌・管弦の催しなどを行い家中の人々とともに心身の休養をはかることを目的に、1842(天保13)年に建てられました。その「癒やしスポット」には、それぞれの名前を象ったデザインを施した部屋が配置されています。
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偕楽園のコンセプトのひとつに「陰の世界」「陽の世界」と相反するものの調和があるそうです。その「陰」部分を担う竹をモチーフにした「竹の間」は、欄間に竹の意匠が! そして襖絵にも竹の子が描かれている…。 現代の都会っ子(自称)からしてみると、竹の子のデザインが非常に新鮮で思わずニヤニヤ。
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そして「萩の間」。天袋(?)には夕方の眺め、下の襖は月と兎。まるで絵本のような世界が描かれています。この部屋は藩主夫人お付きの女中さんの控え室として使われていたそう。プレイボーイと云われた斉昭公、さすが女ゴコロを解っていらっしゃる!
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KIMG0305KIMG0274その他、偕楽園といえばもちろんの「梅の間」や、「桜の間」「紅葉の間」など、四季折々の植物が描かれた部屋がたくさんあります。おひとり様でお気に入りを穴の開くほど眺めるもよし、お友達と行って自分の推し部屋(!?)をアツく語りあうもよし。色々な楽しみ方ができることでしょう。
 
さらに、部屋をつなぐ通路からも計算されていると思しき眺めが…
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彩りがあるものだけが美しい訳ではない、とここで再認識。
 
そして急な階段を上ると、偕楽園を一望できるフロアに。KIMG0347
楽寿楼と呼ばれる3階からの眺めは格別で、眼下に広がる千波湖が偕楽園の池のように配されている景色は、桃源郷を彷彿させる1枚の絵画のようでもあります。眺めもよく、夏も涼しく過ごせていたのだろうな、と当時の人々を空想したりして…悲しきかな、雄大な景色の中でも脳内が忙しい現代人のわたし。
 
 
そんな現代人思考のわたしがここでオススメしたいのは、元祖エレベーターとも云える配膳用昇降機!KIMG0343
このように上に滑車がついていて…
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下の階から食事を運べるようになっています。
 
今でもラーメン屋さんなどで見かける「小型エレベーター」を江戸時代に考案した斉昭公、恐るべし…一説によると日本で最初にラーメンを食べたのは黄門様の呼び名でおなじみの水戸光圀公であったとか。違うとわかっていても関連付けたくなってしまいますよね…?
 
 
烈公の異名をもつ斉昭公ですが、その強烈な個性は政治以外のクリエイティヴ面でも発揮されたということを、好文亭は今に伝えているように思いました。「何か新しいものをつくりたい」と思っている方、もしかしたら好文亭にヒントが隠されているかもしれませんよ。

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レポーター

naco.

10代の頃、ライブ遠征のために各駅停車・夜行バス・フェリーを駆使し、約1ヶ月の間に北は北海道、南は福岡まで放浪。30代になった現在、人の少ない時期・場所にエスケープしている。
最終的にはパンダになりたい。

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