日本遺産「かかあ天下 -ぐんまの絹物語-」の町をめぐる

養蚕文化の歴史を紡ぎ続ける甘楽町歴史民俗資料館
<群馬県甘楽町②>

kanra02_01信州屋から100mほど歩けば甘楽町歴史民俗資料館(旧甘楽社小幡組倉庫)に着く。ここは、日本遺産「かかあ天下 -群馬の絹物語-」の構成文化財に含まれる施設で、養蚕の最も盛んであった1926(大正15年)に、繭倉庫として造られた建物を活用している。
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入り口横には日本遺産認定記念のかかあ天下像が設置されていた。群馬の絹物語の主役といえる養蚕・機織り・家業を担った女性がイメージされたこの像は、左官職人が壁を塗る鏝(こて)で製作したという。
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中に入ると受付周辺から養蚕関連の資料がギッシリ。チケットを買うと、たまたま他にお客がいないタイミングだったからか、窓口にいた女性がギャラリーに出てきて展示物を親切に解説してくれた。この方は町役場でもお噂を聞かされた名物学芸員。特にお蚕さまに関しての知識と愛情が深く、養蚕文化を楽しく学ばせてくれる。
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例えば、富岡製糸場に収められたレンガの展示では「この煉瓦は瓦職人が焼いたものなんですよ」など、解説を読むよりも言葉で聞くほうがすっと頭に入ってきて、なんだか得した気分になれる。
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もちろんつきっきりの解説がなくても見どころ十分。甘楽で実際に使われていた養蚕器具や神社に奉納された絵馬、蚕の病気予防のポスターなど、この地域の歴史を紡いできた養蚕文化を生々しく感じることができる。
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面白いのは、資料館のあちこちにできている繭。気が付くとたくさんあるのだが、これはみんな蚕が勝手に作ったそう…。「勝手にってどういうことですか?」と尋ねると、この資料館では蚕の生体展示も行っていて、 季節になると入り口横のスペースで飼育するとのコト。そこで育てた蚕が繭をつくってしまうそうだ。「ときには家の裏から桑を持ってくることもあるんです。本当お蚕様かわいいんですよ~。」という名物学芸員さん。飼育したお蚕が資料館内に繭を作って、それをそのまま見せるなんて…これより生きた展示があるだろうか?  蚕の飼育期間中にまた来たくなってしまった。
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富岡製糸場の後に立ち寄る人も多いという甘楽町歴史民俗資料館だが、ここへ来て「養蚕のことが良くわかった」という人も多いそう。外から見てるだけでは分かりづらいが、実際に来てみればその言葉に納得できる。日本遺産「ぐんまの絹物語」を読み解くなら、欠かせないスポットといえるだろう。
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ちなみに2階は立派な鎧など武家関連資料や2,000年以上前の出土品など展示されているのだが、コチラは「ゆっくりご覧になってください」と送り出してくれた。もちろんコレが普通だとわかってはいるのだが…「お蚕愛」とのギャップは「かなり強め」だ。

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒

町旅編集部

この記事に出てくる学芸員さんには、ものすごく丁寧にご説明いただき感動しました。取材と告げずに訪問したので、誰がいってもお時間があれば話しかけてくれると思います。
退出前に取材であることをお伝えし登場をお願いしたのですが…ご自身の撮影はNGだったのが残念。。。

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