日本遺産「かかあ天下 -ぐんまの絹物語-」の町をめぐる

今も物語がいきづく養蚕農家群の町なみ
<群馬県甘楽町①>

日本遺産(Japan Heritage)」をご存じだろうか?
遺産といっても特定の物を示すのではなく、地域の歴史的魅力や特色を伝える「物語」を文化庁が認定したものが「日本遺産」である。有形無形の文化財群をひとつのストーリーでつなぐことで、訪日観光客を含めた旅人に日本の文化・伝統をより分かりやすく伝えようとする試みなのである。
この連載では、日本遺産に認定されたエリアに注目し、認定された物語以外の魅力も含めて紹介。地域をより深く味わう旅を提案する。まずは日本遺産のひとつ「かかあ天下 -ぐんまの絹物語-」を構成する町「甘楽町」を紹介する。
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群馬県南西部にある甘楽町(かんらまち)は人口1万3千人台ののんびりした町で、大正初期には約7割の世帯が養蚕農家を営んでいたという。町役場から上信越道を南に越えると養蚕農家群の町なみが現れる。
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古くから灌漑用水として使われていた用水路「雄川堰」に沿って、明治中期ごろに建築された養蚕農家が続いているさまは、「邑(むら)ニ養蚕セザルノ家ナク製絲セザルノ婦ナシ(村で養蚕をしていない家はなく、製糸をしていない女はいない)」と刻まれた甘楽社小幡組由来碑の文言を実感させてくれる町なみだ。
kanra01_05日本名水100選にも選定されている雄川堰は、地元の人の生活用水としても使われていたそう。所々に洗い場などが設けられており、蚕の世話、家事・炊事、農作業と、農家の働き手の中心として活躍した天下一の「かかあ」達の姿が目に浮かぶ。
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用水路と農家群のあいだは、車が楽々通れるほどの広い歩道になっていて、ゆったり歩けるのも嬉しい。歩道をしばらく歩くと、明治時代後期に建てられた古民家を改修したお休み処「信州屋」が見えてくる。信州屋は町が用意した無料休憩所で、甘楽の観光案内所も併設。迎え入れてくれた笑顔が素敵なご婦人は、いまでも「かかあ天下の物語」がこの地にいきづいていると思わせてくれる。
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広い間口から中へ入ると、軽食や飲み物を楽しんだり、土産物を購入できる売店になっている。レトロな内装に使われている看板やショーケースなどは、さまざまな物を販売してきた信州屋で使われていたモノ。古い町なみを歩くなら、休憩も雰囲気があるこのような場所で過ごしたいと思う素敵な空間だ。
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また、町の紹介動画やパンフレットが用意された観光案内の一角も設けられており、町を訪れた人への玄関口としても機能している。
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階段をあがって2階へ行くと広々とした板の間のスペース。なかなか気がつく人がいないが、コチラも無料の休憩所になっていて、足を伸ばして休める。軒下から眺める景色は、古い民家に住んだことがなくても、なぜが懐かしさを感じさせるものがある。
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建物の裏へでると庭園と桑畑があり、ここも散策可能。桑畑は養蚕文化の伝承のために新たに拓いたもので、ゆくゆくは養蚕や座繰りの動態展示を企画しているとのこと。これから甘楽を訪れるなら、まず信州屋へ立ち寄ってみると良いだろう。

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒

町旅編集部

今回の甘楽町取材では町役場・商工観光係の土屋主事(左)・新井主任(右)にご案内いただきました。驚いたのは、どこへ行ってもお二人が地域の方から声をかけられるコト! みなさん一体となって地元を盛り上げようとする想いをひしひしと感じました。お二人には連載中になんどかご登場いただく予定…重ね重ねお世話になります。

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