全国的にも珍しいステータスシンボル!
「二層うだつ」が物語る歴史
<徳島県つるぎ町>

貞光の町並みはうだつで有名だが、ちょっとほかとは変わっている。うだつが重なるように二層になっているのだ。全国的に見ても珍しい存在で、町が繁栄した揺るぎない証である。
sadamitsu02
JR貞光駅から徒歩で約15分、通りを右に曲がれば一宇街道・通称剣山街道である。そこが二層うだつの町並みだ。古くから剣山信仰の入り口として貞光の町は栄えた。さらに葉タバコ、藍の地場産業も盛んであった。その証が二層うだつや見応えある充分の鏝絵で装飾された町家に繋がるのである。景観は結果であり手がかりである。二層うだつが物語る歴史をたどることも旅の醍醐味である。
sadamitsu03
町家の間の路地を抜けると、旧永井家住宅が目に入る。一般公開されている庄屋屋敷だ。約550坪の敷地に、江戸期から明治初期にかけての茅葺の主屋や付属屋、庭園などが本瓦葺の表門と土塀に囲まれて保存されている。
sadamitsu04
織本屋と看板がかかっている豪壮な町家も気になった。こちらも充分整備され一般公開されている。元は造り酒屋という商家で、1772(明和4)年ごろに建てられ、1871(明治4)年に再建されたと考えられている国の登録文化財である。なかに入ると広い土間を介して店の間、座敷がある。二階にあがると窓から本瓦葺の町家が街道に沿い、連なっているのがよく見えた。
sadamitsu05
貞光の町歩きで訪れたいのが「飯田食堂」。二層うだつをそなえた、本瓦葺の重厚な江戸期の町家をそのまま食堂にしている。営業しているのか不安だったが、目印の藍染の大きな暖簾が風に揺れていてほっとした。
 
写真:米山淳一

INFORMATION

地図

レポーター

米山 淳一〔よねやま じゅんいち〕

獨協大学外国学部英語学科卒業。岸信介事務所を経て、75 年(財)観光資源保護財団(現(財)日本ナショナルトラスト)入所。事業課長、事務局長を経て、06 年退職。現在は母校の獨協大学等で講義を行うほか、地域遺産プロデューサーとして全国で歴史を活かしたまちづくりプロジェクトを推進。現在、公益社団法人横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)常務理事・事務局長

一般社団法人 日本茅葺文化協会理事
一般財団法人 茶道宗偏流不審庵理事
日本鉄道保存協会事務局長
東映株式会社「大鉄道博覧会」企画プロデューサー
一般財団法人 東武博物館アドバイザー ほか


【著書】
●酔余の町並み(駒草出版)
  http://komakusa-pub.shop-pro.jp/?pid=61024099
●続・酔余の町並み〈2016年1月刊行予定〉(駒草出版)
●写真集「特急 とき」(駒草出版)
◎「地域遺産みんなと奮戦記」(学芸出版)
◎「歩きたい歴史の町並」 文 米山淳一 写真 森田隆敏(JTBパブリッシング)

http://www.j-yoneyama.jp/

関連タグ

関連記事

エリア

(Categories)

タグ

(Keywords)

すべてのタグを見る

おすすめ記事