最後のワンピースはドコにある? 世界文化遺産「忍野八海」のリアル底なし池を探せ
<山梨県忍野村>

霊峰富士の伏流水を水源とする忍野八海(おしのはっかい)はその名が示す通り8つの池があり、かっては富士山に登る前に身を清める霊場でもあったそうだ。澄みきった美しい水を称える忍野八海は、1934(昭和9)年に国の天然記念物に指定、2013(平成25)年6月には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」を構成する資産として世界文化遺産に登録され、現在は海外からの来訪者も多数訪れる観光地として賑わいをみせている。
IMGP6179 忍野八海を見物するルートは決められている訳ではないので、好きな場所から好きなように見てまわれる。オススメは807(大同2)年に創建されたという忍草浅間神社側からのアクセス。神社前には群馬県指定天然記念物である「イチイの群集」やバス停「忍野八海入口」・有料駐車場もあるうえ、最も北側に位置する菖蒲池から廻れるので比較的効率的と思われる。
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osino05q見どころは何と言っても神秘的に透き通った池。特に中心地にある涌池(わくいけ)は深い水底まで青く透きとおり、湧水で底の砂が吹き上がっている様子まで見える。なんだか怖い位の透明度だ。思わず見入ってしまうあまりにも綺麗な水は、神性を帯びているように感じられる。
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IMGP6131かっては沸騰するように湧出したという御釜池(おかまいけ)など、八海のうち6つは徒歩3~4分圏内で見ることができる。さらに、お釜池から約1kmのあたりに出口池があり、8つのうち7つは無料で見学可能だ。
IMGP7725最も人が集まる中池は、中心部が水深が8mもあるのに底まで見通せ、色とりどりの魚が泳ぐさまが美しい。しかし、ここは八海に含まれない個人所有の池。残る1つはただ歩いているだけでは見られない場所にある。
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中池の前には「榛の木林民俗資料館」があり、八海のうち底抜池(そこぬけいけ/そこなしいけ)は入場しないと見ることができない。有料なのでここを素通りする観光客も多いようだが、池以外の見どころもあり意外と面白い。時間があるなら、ぜひ立ち寄ってみるべきだ。
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IMGP7865まず、入って驚くのは資料館入り口の建物が展望台であったというコト。「この高さで展望台とは…」と思いながら試しに階段を登ってみると、思いのほか視界が開け、館内の庭園的な景色を味わえる。天気が良ければ写真の方向に富士山も見えるそうだ。
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IMGP7936IMGP7946奥へ進むと忍野村最古の茅葺き民家:渡辺家が資料館として開放されている。中に入ると開放感のある座敷が広がり、この家に伝わる家具・生活道具や古文書、刀剣類、古銭のコレクションなど様々なモノが展示されている。いずれも使用感が溢れていて、実際に使われていた情景が思い浮かぶようである。
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IMGP7972IMGP7973町旅の熱心な読者なら想像がつくと思うが、2階は養蚕に使われていた部屋。ここでは養蚕や農業に使われた機具が約300点も展示されている。3階にあがれば突き上げ屋根からの風景も楽しめる。むしろ、先ほどの展望台より良い眺めだ。
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IMGP6269a渡辺家を堪能したあとは、いよいよ八海のうち唯一有料鑑賞の池である底抜池(そこぬけいけ/そこなしいけ)がお目見え。樹木に囲まれ静謐な佇まいのこの池は、浅く見えるが底には泥が堆積しているため真の深さは不明とのこと。地底では御釜池とつながっているという説もあるという、伝説的な池であった。静かに佇む池面は、見ていると吸い込まれそうな厳かな気配を醸し出していた。
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「忍野八海」の神秘的な美しさを湛える8つの池は、それぞれ異なる竜王が祀られるなど霊場としても扱われている。近年、増加している外国人観光客の見本となるよう、真摯な心を持って訪れていただきたい。

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒

「町旅」編集部

榛の木林民俗資料館内に「虹マスに触れて下さい。」というコーナーを発見!
触るだけじゃなく捕まえてやろうと挑戦するも、意外と水深があり指先すら触れることもできずに敗退…。できれば水深を半分くらいにして欲しいです。

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