古い町家を活用した店舗が続々オープン! 歴史ある町を未来へつなぐ人々
〈大阪府富田林市〉

IMG_8616富田林市の寺内町とは戦国時代・近世初期に主に浄土真宗等の寺院の境内に形成された自治集落の事で、寺院が持つ力を背景に経済的に発展し、その多くが江戸時代には商業都市として栄えた。寺院を中心に整然とした都市計画が行われている事が多く、ここ富田林寺内町も興正寺別院から広がる町割は戦国時代のまま。酒造業で栄えた江戸時代の町屋の多くが当時の姿をとどめ、1997年には重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
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「虫籠窓(むしこまど)」と呼ばれる町家の二階部分に設置された特徴的な縦格子の固定窓は、二階建てが禁止されていた江戸時代、裕福な商家が物置の為に利用した屋根裏部分の明かり取りや通風の為に作られたと言われている。寺内町には虫籠窓が数多く残されていて、色々な形の虫籠窓を見て回るだけでも町歩きが十分楽しめる。
虫籠窓ちなみに、作られた時代ごとの形の違いが面白く、江戸中期は丸形、江戸後期は横長丸形、明治は長方形、大正は軒高・長方形だ。
IMG_8599虫籠窓巡りの次は、ショップ巡りが楽しい。 歴史を感じさせる寺内町の可能性を感じた方たちが、町の景観ととけ込んだショップを開店し、町に新たな活気を創り出しているのだ。IMG_8656
aiまずは「じないまち交流館」の前にある「寺内町きっちん あい」。朱の暖簾をくぐり店内に入ると…あっ、普通の民家のままだ。靴を脱いで進む座敷は友人の家に遊びにきたみたいで、キッチンの奥から店主の今西さんが笑顔でお出迎え。店内では地元の方が作ったクラフト商品が展示・販売されている。
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地元の野菜にこだわった料理も今西さんの笑顔のままの優しい味。とても温かい気持ちに包まれ…美味しい!! 帰りに今西さんそっくりのイラストが可愛いいピンバッジを頂く、いいお土産ができた。
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IMG_8711隣の「獺祭が飲めるお店」八反茶屋も捨てがたかったが、気になったのは「紅梅蔵(こうばいくら)」と名付けられた建物。もともとは築120年以上の味醂醸造蔵で、現在はリノベーションされ三軒分の店舗が長屋状につながっている。地下には味醂醸造用の甕が今でも埋められているそうで、掘り出した甕や石臼が中庭に置かれていた。ton001
紅梅蔵の一角にある「彫貼紙 今昔の玉手箱」に入ると、店主で作家の亀井美知代さんが作品作りをしていた。
IMG_8685ton002「彫貼紙」とは、切り絵と伊勢型紙の中間にある亀井さんオリジナルの作風で、和紙を切り取った図柄と背景の素材を重ね合わせ、影とともに浮かび上がる独特の世界を創り出している。自分の工房+展示販売もできるお店を探していた亀井さんは、寺内町に出逢い町の雰囲気や建物が気に入りオープンしたそうだ。
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IMG_8692亀井さんに連れられて、建物内でつながっている隣の珈琲豆の蔵「平蔵」に行く。「平蔵」の店主 泉北ニュータウン生まれの平谷聡さんは、偶然テレビで寺内町を見て、近くにこんな魅力的な町がある事を知り4年前に店をオープン。高齢化とともに空き家が増えた寺内町では、協議会や民間団体が中心となって空き家活用の活動をしており、平井さんもそんな方たちとの出逢いからこの場所に出店したとのこと。焙煎珈琲にこだわった店も今では地元にすっかり根づいている。
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亀井さんには築100年を越える古民家を使った女性専用ゲストハウス「ご婦人乃宿 泊や」もご紹介頂いた。当日はお休みのため直接お話は伺えなかったが、町を観光で活性化する為にはやはり宿泊施設も大切だ。この宿は古い町並みを楽しみにくる女性、特に外国人観光客の利用がほとんどとの事で、町を愛する人たちによって寺内町の魅力はどんどん高まっているように感じた。
kan素敵な町には、素敵な人がいる。約束もなしに訪ねた私を寺内町の方たちは誰も優しく接してくれた。今回伺ったのは寺内町のほんの一部。町を旅して話を直接聞けば、知らなかった土地の事がどんどん好きになっていく。そんな出逢いの繰り返しが、歴史あふれる町を未来につなげて行くのかもしれない。

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つちだゆういち

「町旅」編集部

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