各時代の風情が混在する蔵の街で、のんびり穏やかな気分に浸る
〈栃木県栃木市〉

徳川家康の没後、日光東照宮に幣帛を奉献するための勅使が通る日光例幣使街道(にっこうれいへいしかいどう)が引かれ、徐々に商家が進出し始めた栃木市。江戸初期に開かれた巴波川(うずまがわ)の水運もあり、江戸末期から明治期にかけて北関東有数の商業都市に発展。黒塗りの重厚な見世蔵や白壁の土蔵群のほか、1890年(明治23年)発行「大日本博覧図」に掲載された油伝味噌などの商家がいまでも残っており、近年は「蔵の街とちぎ」として注目を浴びています。
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現代的な栃木駅北口から歩くと、5分もかからずに「蔵の街遊歩道」の看板が現れます。石畳で整備された巴波川(うずまがわ)沿いの道は、ゆっくり周りを見ながら気分よく歩けます。
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遊歩道を歩くと、近頃の建物に混ざって昭和前半を思わせる商店がチラホラ。川で鯉にエサをやる親子の姿なども見え、どこか懐かしい感情が湧きあがってきます。
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巴波川橋までくると、対岸に江戸~明治時代を思わせる白壁土蔵群が現れます。ここは江戸時代後期から木材回漕問屋を営んできた豪商で、現在は「塚田歴史伝説館」として塚田家が収集した家宝約300点やロボットによる人形劇の展示が行なわれています。川べりからはレトロスタイルの遊覧船が運行されており、船頭による唄と歴史案内を楽しみながら、ちょっとした船旅気分が楽しめます。
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遊覧船乗り場の次の橋を渡ると、またもや昭和の香りを残した商店街。みなさん現役で商っていらっしゃいます。こんな呉服屋さん、最近なかなかみられないですよね。
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tochigi_09商店街の突き当りが、歴史ある建物が多数残る「蔵の街大通り」。栃木駅前からまっすぐ伸びるメインストリートですが、いまでも江戸時代以降に建てられた見世蔵を活用している商店も多く、代々続いてきた生活の歴史を感じる通りです。多数の旅人でにぎわう観光案内所やお土産屋のほか、地元の人が活用する市役所や銀行なども混在するこの通りを歩くと、地域の生活と観光が結びついていて不思議な気分を味わえます。
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観光総合案内所のとなりは「とちぎ歴史文化まちづくりセンター」。ここは小山高専のサテライトキャンパスで、中には伝建地区のパネル資料や近隣のチラシなどが置かれていて、一休みできる机とイスもあります。なにより嬉しいのは、地域の方がスタッフとしておもてなしをしてくれること。モノの資料だけでなく、ちょっとかけてくれる声があたたかくて柔らかいのです。「ここら辺りはのんびりした所だから~」という言葉を聞いて、コチラものんびり穏やかな気分になれる。そんなところが、この地域の持つ一番の魅力なのかもしれません。

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レポーター

恩田 正恒

「町旅」編集部

この取材で数十年ぶりに東武線の特急電車「きぬ」に乗車
春日部過ぎたら雪が積もっていてビックリ

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