1685年に開削した運河で特産品を搬出!伊藤藩の財政を支えた港町
<宮崎県日南市>

油津は、飫肥と同じ日南市に属している。飫肥は城下町、油津は港町で、かつては特産の飫肥杉を搬出するために油津が使われていた。現在の油津は遠洋漁業の基地。マグロ、カツオの水揚げで有名だ。
油津の町を貫いて流れる堀川運河、藩の財政の安定をもたらす特産の飫肥杉を搬出する目的で、五代目藩主伊東祐実の命によって1683(天和3)年から約2年の歳月をかけた難工事の末、開削したもの。その堀川運河を中心に、町には歴史的遺産が多く息づいている。堀川運河に架かる石造りのアーチ橋・堀川橋(1903〈明治36〉年完成 国登録有形文化財)は、映画『男はつらいよ 寅次郎の青春』(平成4年)にも登場した。歴史的な石橋の存在感を堪能できる作品だ。今は空家となったロケ現場を眺めながら、石橋を渡って油津の町並みへ向かう。
 
aburatsu03

中町通りにさしかかると、赤レンガ倉庫があった。ここは市民のみなさんが歴史的遺産としてまちづくりの拠点にぜひ保存したいと熱望した結果、国の登録有形文化財にまでなっている。かって保存に関わられた市民のみなさんが目に浮かび感極まった。
 
aburatsu04

狭い通りから表通りにでると、三階建ての金物店や看板建築の商家などがそのまま残っていた。商家の戸が開き「どちらから? お茶はいかが?」と声がかかる。聞けば、この建物は町並みのお休み処で、NPOがボランティアで運営しているとのこと。みんなで作成した「油津らしさを活かしたまちづくり」を実践し、それが実を結んでいたのである。
 
写真:米山淳一

INFORMATION

地図

レポーター

米山 淳一〔よねやま じゅんいち〕

獨協大学外国学部英語学科卒業。岸信介事務所を経て、75 年(財)観光資源保護財団(現(財)日本ナショナルトラスト)入所。事業課長、事務局長を経て、06 年退職。現在は母校の獨協大学等で講義を行うほか、地域遺産プロデューサーとして全国で歴史を活かしたまちづくりプロジェクトを推進。現在、公益社団法人横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)常務理事・事務局長

一般社団法人 日本茅葺文化協会理事
一般財団法人 茶道宗偏流不審庵理事
日本鉄道保存協会事務局長
東映株式会社「大鉄道博覧会」企画プロデューサー
一般財団法人 東武博物館アドバイザー ほか


【著書】
●歴史鉄道 酔余の町並み(駒草出版)
  http://komakusa-pub.shop-pro.jp/?pid=61024099
●続・歴史鉄道 酔余の町並み〈2016年2月1日発売〉(駒草出版)
●写真集「光り輝く特急「とき」の時代」(駒草出版)
◎「地域遺産みんなと奮戦記」(学芸出版)
◎「歩きたい歴史の町並」 文 米山淳一 写真 森田隆敏(JTBパブリッシング)

http://www.j-yoneyama.jp/

関連タグ

関連記事

エリア

(Categories)

タグ

(Keywords)

すべてのタグを見る

おすすめ記事