閉館間近の遊園地で遭遇した登録有形文化財の電動木馬
〈群馬県前橋市〉

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本日の目的地である臨江閣(りんこうかく)の閲覧時間が終了したのでやむなく外へ出てみると、斜め前に遊園地らしき風景が。「あれはなんだろう?」と坂を下っていく先に現れたのはやっぱり遊園地!じつはまるで予備知識なく遭遇したこの遊園地こそ、今から60年前の昭和29年に開園して以来、多いところでは4世代にも渡って近隣の住民に愛されてきた「にっぽんいち なつかしい ゆうえんち」として有名な「るなぱーく」だったのです。同時に大人遊具が一回50円、木馬と子供遊具が一回10円という日本一安い遊園地としても有名です。
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閉館時間を過ぎているため、園の係の方にお話だけでも、と伺ってみたところ、なんと!こちらの遊園地には国指定の「登録有形文化財」に登録されている遊具があるとのこと。しかもわざわざいったん閉めたシャッターを開けてまで見せてくださったのが、上の電動木馬だったのです。この登録有形文化財の木馬にたったの10円で乗れてしまうというから、おどろきです。日本に現存する最古の電動木馬というのが認定された理由ですが、それもそのはず、昭和初期に製作された木馬の表情は、今とはだいぶ違い、突っけんどんと言えるほどの愛想のなさ。そこが逆に新鮮でした。IMGP6686
予想外の木馬にめぐり会ったおかげで、この日は偶然にも登録有形文化財を2つ続けて見る幸運にあやかりましたが、ここで強引にも欲張って3つ目にトライ!訪れたのは上の写真の渋いレンガ造りの古い倉庫です。一見したところでは横浜の赤レンガ倉庫と同じくらい古そうですが、さてじっさいはどうなのでしょう?
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館内にて詳しい説明と案内役を買って出てくださったのは、こちらの倉庫の歴史的・文化的価値の重要性から保護と保存の活動を中心的に担ってこられた「街・建築・文化再生集団 RAC」の中村さん。じつはこの日は特別にお願いしてわざわざ来ていただいたのです。ここは正式名称「旧安田銀行担保倉庫」と言い、今から約100年前の1913年(大正2年)に当時の銀行の担保物件のひとつである生糸や繭の保管庫として建てられ、使用されていたものだそうです。
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ところが昭和20年の第二次世界大戦期の終わりに前橋は空襲にあい、市の中心部にあった建物のほとんどが焼失してしまいます。その時この倉庫と対で南側にあった倉庫も焼け落ちてしまい、残されたこちらの倉庫ひとつで、その後の前橋乾繭取引所に対応する倉庫としての役割を果たしてきたそうです。同時に戦後の群馬の絹産業も支えてきました。IMGP6689
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こちらには、前橋で当時使っていた蚕卵紙(さんらんし)も保管されています。蚕卵紙とは、蚕の卵である蚕種(さんしゅ)を産みつけた厚紙で、蚕種の輸出にもそれを用いていました。ここ前橋では、上の写真のように28マスの漢数字の書かれた「蚕卵紙」に卵を産みつけたものを使っていましたが、このマス目の数も地域と時代により若干異なるとのことです。
 
写真:「町旅」編集部

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