昔と今をつなぐ懐かしい風情を残す町並み
<千葉県匝瑳市>

チイチイこと地井武男さんの故郷である匝瑳市(そうさし)。明治時代「名邑(めいゆう)」とたたえられた旧道である本町通りには、往時の面影を残す商店が佇んでいる。
 
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東京から特急「しおさい」で約90分、主要駅である「八日市場」に到着。駅前は背の低い建物が多く開放感に満ち溢れていた。とても居心地の良い場所である。
 
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本町通りへ向かう途中にあるそば処「吾妻庵本店」で昼食をいただく事に。このお店は明治29年創業の老舗である。旅館のような大きな造りが特徴的で、店内も広く落ち着いた雰囲気だ。地元の方々にも人気があるようで、多くのお客さんが訪れていた。
 
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人気メニューは「三色せいろ」との事だったが、肌寒い陽気であったため「あんかけ」を注文。味も見た目も求めていたものとドンピシャなものが運ばれてきた!いわゆる「かき玉そば」である。あっさりした出汁と上品な風味をもったそばの相性が良い。わき目もふらずに夢中で食べ終えた後に、添えられたネギとしょうがに気付く・・・。次回のお楽しみとしようかな。
 
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鶴泉堂菓子店は天平年間(1781~89年)に創業した和菓子店。店舗兼主屋と裏に建てられている石蔵庫が国の登録有形文化財である。店舗兼主屋は昭和前期、倉庫蔵は大正時代に建てられた。東日本大震災の被害により屋根の本瓦が壊滅的な被害を受けたが、ご主人の尽力により早急な対応が行われ、見事に復活を遂げた。
 
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彩り豊かな和菓子が所狭しと並べられていた店内。どれもが美味しそうだ。
 
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当時は天井板が張られていたが改修工事を行った際、業者さんからの勧めで梁を剥き出しにしたそうだ。昭和前期の面影を残す梁と白壁のコントラストが素晴らしい。受け継がれてきた伝統の和菓子と日本の美を味わえる貴重な老舗である。
 
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黒の漆喰壁が施され、何とも言えないオーラを放っていた「坂本総本店」。こちらも国の有形文化財に登録されている。名物は落花煎餅。明治44年、皇太子(後の大正天皇)が、この地を訪れる際に、当地方名産の落花生を原料とした煎餅を創作したのが始まりで、今もなお、名物として販売を続けている。
 

秋ナスを砂糖汁で煮込んだ後、さらに砂糖をまぶした「初夢漬」は、約220年の歴史をもつ匝瑳市の銘菓である。「一富士、二鷹、三なすび」と言われる初夢の縁起物にあやかり命名された。メディアで紹介されたことにより大人気となったそうで、この日も品切れであった。初夢漬は鶴泉堂、坂本総本店で購入できるが、仕込みの時期により購入できない場合があるので確認が必要だ。
 
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「新井時計店」は昭和初期の商店街の面影を伝える遺構として貴重な建物である。モルタル塗りの典型的な看板建築で、妻面を洋風ぺディメントに仕上げている。正面上部には何かを意味するイニシャルが見られる。看板建築とは、通りに面した正面のみにデザインを施す建築様式で、関東大震災後に数多く建設された。新井時計店は昭和6年に建築されたとされており、「鶴泉堂」「坂本総本店」と同じく国の登録有形文化財である。
 
 
 

地図

レポーター

森 順一郎

鶴泉堂の御主人から地井武男さんについて、色々とお話を伺うことができました。毎年行われる祇園祭りには必ずスケジュールを調整して参加し、その時は芸能人というオーラを一切出さかったそうです。とても気さくで地元を大切にする、人情溢れる地井さんだったからこそ、日本中の人々に愛されたのでしょう。

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