千葉県北東部に広がる実り豊かな里山~前篇~
<千葉県匝瑳市>

匝瑳市(そうさし)。読める人書ける人は、それほど多くないだろう。千葉県北東部に位置し、平成18年に八日市場市と野栄町が合併して誕生した市である。と言われてピンとくる人、こない人のために匝瑳市の見どころを紹介したい。
 
03882c5901bed800718506e369de1158
飯高寺(はんこうじ)は八日市場駅から北へ約8キロの台地上に造られた日蓮宗の寺院である。この寺は、日蓮宗の檀林(だんりん)として多くの学僧を輩出した。檀林とは、栴檀林(せんだんりん)の略語であり、僧侶の集まりを栴檀の林に例えた仏教の学問所を意味する。配置上の中心が多くの寺院に見られるような「本堂」ではなく「講堂」となっている点が学問所としてのこの寺の特徴をよく表している。敷地は67,667平方メートルを有し、境内全体が檀林跡として県指定史跡に指定されている。
 
d3fc769c3f1e3118483f7cbf149fbd6f
「総門」は延宝8 (1680) 年、有力な信者である「中野善左衛門」の援助により建立。現在の総門は、天明2 (1782) 年に改築された。当時は、多くの僧侶たちがこの門を行き交い、学問を深めていったのだろう。間口約4.7m、脇門約1.9mの腕木門形式で、国の重要文化財に指定されている。
 
6242a4d681d834d621728fd6e6beccb0
この総門をくぐり抜けると、参道を囲むうっそうとした杉林が現れる。見上げてしまうほど背が高く、尚且つ太い幹が歴史の重みを感じさせてくれる。
 
702cc645edf7da2e853a5ee376b5fd75
「鼓楼」も国指定重要文化財である。慶安4(1651) 年に建立され、現在の鼓楼は、享保5 (1720) 年に改築されたものである。下層部は袴腰付で、屋根は木造入母屋造り茅葺。講堂の前方左右に建っており、講堂に学僧を呼び集めるために打ち鳴らされた。
 
9382334c010a880112c7926a087da179
木造入母屋造りの「鐘楼」は間口約3.2m、奥行約3.4mで、寛文頃(1661~1672年)に再建された。平成4(1992)年に修理が行われた際に、鉄板葺前の屋根材が判明し、栩葺き(とちぶき)に復原された。梵鐘は、寛永16 (1639) 年秋に寄進されたものと伝わる。
 
画像提供:匝瑳市観光協会

地図

レポーター

森 順一郎

檀林は日本で一番古い大学と言われており、現在の立正大学の前身となっています。とはいえ、入学試験のようなものは存在しなく、師匠の弟子になれば入檀できたそうです。学力よりも学ぶ姿勢が重要だったのでしょう。大学本来の有り方である気がしました。

関連タグ

関連記事

エリア

(Categories)

タグ

(Keywords)

すべてのタグを見る

おすすめ記事