世界文化遺産「五箇山の合掌造り集落」
~菅沼合掌造り集落~<富山県南砺市>

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五箇山とは富山県南西部にある庄川上流の地名であり約70の集落が散在する地域だ。その中で世界文化遺産に登録されているのは「菅沼合掌造り集落」と「相倉合掌造り集落」。こちらは、「菅沼合掌造り集落」。現在は9棟の合掌造り家屋が残っており、古いものであると約400年以上前に建設されたと言われている。白川郷、相倉とともに住民が実際に生活する文化遺産として高い評価を受けている。
 
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「菅沼合掌造り集落」付近を流れる庄川。想像とは違い、まったくと言って動きを感じさせなかった。川というよりは小さいダムのようだった。それだけに、しばらく眺めていても疲れを感じさせない。まさに「癒し系河川」だ。
 
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同じ合掌造りでも、その地域の気候風土や生活によってさまざまな工夫が凝らされている。白川郷と比べ、土間の取り方、入口の位置が違っていたり、水分を多く含む重たい雪に対応するため、屋根の傾斜をきつくしている。また、日本有数の豪雪地帯であるため、厳しい自然環境から生活と作業場を守る頑丈な造りが必要であった。その頑丈な造りを支える「チョンナバリ」と呼ばれる根元が曲がった太い梁も特徴的だ。この梁は五箇山、白川郷ともに使用されている。
 
蒸気 (1280x960)
ゆらゆらと蒸気をあげる合掌造り。菅沼の人たちにとっては、日常茶飯事で当たり前の風景であろう。しかし、こんな風景こそが“豪雪地帯の合掌造り集落ならでは”であり、ぜひ自慢してもらいたいお宝であると思う。
 
野菜 (960x1280)
冷たく澄んだ水に野菜が浸されていた。これも日常生活の一部であり、菅沼の当たり前なのであろう。季節によって、どのような食材に変わるのだろうと非常に気になってしまう。夏はトマト?きゅうり?とか。いずれにせよ、心が和む風景であった。
 
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江戸時代の主な産業や歴史と伝統を伝える「五箇山民俗館」。合掌造り家屋を利用して資料館として公開している。当時、盛んであった養蚕、紙すきに使われた道具や生活用具など約200点が展示されている。当時の暮らしも紹介されており、寒さを凌ぐための重厚な衣類は必見。その重さには驚かされた。
 
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「塩硝の館」も五箇山民俗館と併せて訪れたい。火薬の原料である塩硝づくりはこの地域の一大産業であった。材料はよもぎ、麻殻、蚕の糞などを使う「培養法」と呼ばれる製法により、囲炉裏の下で大量の塩硝が生産された。五箇山は“人為的に塩硝を製造”しており、他藩の塩硝製造である“自然発生したものを採集”とは大きく異なった。これは加賀藩の支配下にあった事が大きく影響しており、幕府の目を盗んで製造していたとも言われている。
 
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合掌造りばかりが、菅沼の魅力ではない。集落を囲む山々の雄大さにも注目して頂きたい。律儀に並んでいる丸い雲が可愛らしく、印象的であった。
 
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「三段染め」と呼ばれる山村風景。青空、雪景色、紅葉が織りなす姿を、このように呼ぶらしい。その三段染めの風景には、人の生活が垣間見える。そこが嬉しい。五箇山のパンフレットには世界文化遺産認定により“世界のふるさと”になったと明記されていた。訪れる人たちを素朴にやさしくもてなす菅沼を象徴する言葉であると感じた。
 
 

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レポーター

森 順一郎

白川郷にくらべ、観光客も少なくこじんまりとした菅沼ですが、ゆったりのんびりと合掌造り集落を楽しみたい方にはオススメです。

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