わが町への愛情が止まらない「古川町」~後篇~<岐阜県飛騨市>

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翌朝の白壁土蔵街は、昨日とは全く違った表情を見せてくれた。運よく晴れたことに感謝だ。これ以上ないだろうと思うほど空気が澄みきっており、真っ青な空と町並みの一体感が抜群に美しい。個人的に思う良い町の必須条件である「ゴミひとつ落ちていない」ことにも感心した。
 
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渡辺酒造店に吊るされていた「杉玉」。杉玉とは杉の葉を集めて作られるボール状のもの。別名「酒林」。日本酒の造り酒屋の軒先に吊るされ、緑色の杉玉は新酒を搾り始めた合図となる。徐々に枯れて茶色になっていくが、その姿をみて熟成具合を判断する人もいるそうだ。造り酒屋の看板にも思えるが、もともとは酒の神様に感謝を捧げる意味があるらしい。
 
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「飛騨の匠文化館」は木造建築の歴史をつくった飛騨の匠の技術を伝えるために建てられた施設だ。飛騨の木材を使用し、梁や柱などには釘など金具は一切使わず、継手や組手を用いているのが特徴である。建物自体が飛騨古川の伝統を受け継いだ、技術の集大成と言える。
 
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館内では匠の歴史、体験コーナーや木組みなどが展示されており、飛騨の技術を体感することができる。なかでも驚いたのが「隅木小屋組」という技術。近くで見ても触れてみても到底理解できない、敗北感すら感じさせる技術であった。当時の職人たちは、これらの技を教わるのではなく、師匠から見て学んだのかと思うと尊敬に値する。
 
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国指定重要無形民俗文化財「飛騨古川祭」の様子を立体映像で体感できる「飛騨古川まつり会館」。匠の技が集結された古川祭で活躍する絢爛豪華な屋台や御神輿を常時展示している。屋台を盛り上げるからくり人形の実演はコンピューター制御により巧妙に再現されている。
 
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こちらがからくり人形実演の様子。カラカラ、ジリジリと音を立て人形が動きだし、一瞬にして真っ黒な翁のような顔に変わる。瞬き禁止レベルの早さであった。命が吹き込まれた人形が、自ら動き出しているとも思える様子は好みが分かれるであろう。日本人形が苦手な人にはオススメできないが、技術の高さが感じられる実演である。
 
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古川町の散策ではあらゆる建物で目にすることができた「雲」。軒下の小腕と呼ばれる部材に施されている。この紋様は建物を手掛けた棟梁の印で、木の葉や唐草模様など約170種類以上も存在する。自分が手掛けた建物には必ず同じ紋様を施すそうだ。古川の大工が持つプライドの象徴である。
 
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うっすらとした雪化粧をまとった山と古きよき町並み。この地に生まれ育った人間が、他の土地に行ったとしても、この風景が忘れられずいつか必ず戻ってくるのだろう。そんなことを思わせる風景であった。
 
 
 

地図

レポーター

森 順一郎

毎年4月19日・20日に「起こし太鼓」が行われます。天下の奇祭と呼ばれるそうで、数百人の裸男がぶつかり合う、激しく熱い祭りです。起し太鼓の先頭集団の提灯行列は観光客も参加できるようなので、ぜひ「飛騨人の心」に触れてみてください!

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