現代の人々をリアルに結ぶ甲賀の三大佛③

苦しみのない世界へ導く釈迦如来と幽雅流麗な枯山水庭園
<滋賀県甲賀市>

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十楽寺(じゅうらくじ)から約18km、車で30分ほど(櫟野寺(らくやじ)からも同程度)国道一号線を北西へ走ると、蓬莱庭園で有名な臨済宗・大池寺(だいちじ)がある。
 
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大池寺のはじまりは、742(天平14)年に高僧・行基菩薩によって心字池(しんじいけ)が掘られ、その中央に建てられた寺とされ、宗派や建造物の変遷を経ながらもこの地にありつづけたという。甲賀三大佛のひとつである丈六坐像の釈迦仏は、同時期に行基菩薩が一刀三礼(一回のみを入れる度に三回礼拝)して彫ったといわれ、戦国時代に境内が焼失したさいも焼け残り、その後の再興に繋がっているそうだ。
 
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釈迦如来仏は像高約八丈(約2.4m)。1.5mの台座の上に乗せられているうえ、直径2メートルほどの光輪を合わせると、トータルで5メートルにも及ぶ高さ。近くによると見上げる形になる。現代の仏師の見解によると、片眼だけで約3500回のノミ入れが必要とのこと。この大きさを手彫りで作られたことを思うと、ますますありがたみを感じられるのではないだろうか。
 
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大池寺はさらに美しい庭園を鑑賞できる楽しみもある。「蓬莱庭園」は、江戸時代初頭に水口城を築城した小堀遠州(こぼりえんしゅう)が作庭したと伝えられ、約400年も大池寺で守り続けられてきた鑑賞式枯山水庭園。形だけでなく作庭の意匠もいまに伝わっており、庭園の味わいかたも教えてくれる。
 
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例えば、庭園の奥に刈り込まれたサツキは大波・小波を、水面に見立てた白砂の上の刈り込みは宝船を表現しているという。大海原のなかすすむ一隻の宝船が描かれた庭は、四季のうつろいと融和しながらその表情を変え、訪問者をいつも楽しませてくれるのだ。
 
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事前に希望すれば庭を見ながらお抹茶とお菓子を頂くこともできる(NGの日時あり)。最近の訪日観光ブームもあり、取材時も中国から訪れた団体がご参拝しお茶と庭を味わっていた。
 
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5年前(2013年)に発足した「甲賀三大佛」巡りは、過去・現在・未来の平安を願う「安心(あんじん)参り」であるが、その過程には地域の名所・名物や人々と触れ合える場所も多い。三大佛を回るだけなら3時間程度で済むが、せっかくなら寄り道をしながらたっぷり旅を楽しんではいかがだろう。無数にあるという「仏の縁」を感じられるかもしれない。
 
つづく
 
※取材協力:びわこビジターズビューロー

INFORMATION

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レポーター

恩田 正恒(町旅編集部)

お茶と一緒に出していただいた和三盆を使用したお菓子がとてもおいしかったです。
気がづくと、歳をとるごとに和食や和菓子が好きになってきました。味覚ってヤツもDNAに刻み込まれているのかもしれませんね。

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