甲州名物。郷土料理の「ほうとう」で行列のできる店「皆吉(みなき)」
〈山梨県甲州市〉

甲州・勝沼へ来たのなら、ぜひ寄って食べたいのが、山梨県名物、郷土料理の「ほうとう」だ。「ほうとう」の由来についてはさまざまな説があり、その1つに武田氏の家臣・駒井高白斎が記したとされる記録史料『高白斎記(甲陽日記)』に、家臣に“麺を振る舞った”とする記述が見られ、この麺が「ほうとう」ではないかとされる。

いっぽう「ほうとう」の語源については、平安時代に、こねた小麦粉を麺棒で細長く延ばし、煮込んだうどん「餺飩」(ハクタク)の音が転じて「ほうとう」になったのではないか?とも言われる。語源はさておき、山梨県では「ほうとう」は、武田軍の圧倒的な強さを支えた信玄公ゆかりの陣中食として広く知られている。

この山梨きっての自慢料理「ほうとう」を歴史を感じる明治建築のお座敷でのんびり優雅に食べられるのが「皆吉」だ。ここ勝沼では知らない人がいない!といわれる有名店で、自家製味噌をつかったコクのあるスープの美味しいほうとうが味わえる。

休日には庭や軒先に順番待ちの客たちが列を作って並ぶ光景もこちらではおなじみだ。皆吉では「ほうとう」のほかにも「鳥もつ煮」「馬刺し」「合鴨のくん製」などのお酒に合う一品料理もあり、メインの「ほうとう」が来る前にそれらをつまみながらお酒を楽しむのも良さそうだ。

入店までの待ち時間には、通りをはさんだ側から建物全体を眺めてみよう。まるで盆栽のように美しく整えられた植栽が目にはいるはずだ。同様に中庭の日本庭園の佇まいも見事なので、記念にインスタ映えする写真を狙ってみるのも面白い。

室内は広い座敷にゆったりと席が組まれている。時間はまだ午後3時半。なのに、すでに店内に客の姿はほとんどない。理由は『本日の営業は(すでに)終了』のため。1日ぶんに用意した「ほうとう」の材料がなくなると、そこで営業終了!というのがこの店のルールのようだ。

「ほうとう」ができるまでの間は、白ワインを飲みながらのんびり。山梨産葡萄の「甲州」と「デラウエア」から作られた地元勝沼のワイナリー(丸藤葡萄酒)の「ルバイヤート」というワインをいただく。

そして待つこと25分。ようやく登場した「豚肉ほうとう」。特製味噌のコクのあるだしが、とろみのあるスープと一緒に野菜とほうとうの両方に沁みていて美味しい。思い出したらきっとまたどうしても食べたくなる「やみつき度A」リストにさっそく加えたい。

1日ぶんの「ほうとう」がすべて出尽くしてしまった、まだ午後も早い店先の風景。数時間前までぎゅうぎゅうに人がいた場所が急にガランとして、午後の斜陽が射す庭は心なしか淋しげに目に映った。
 
写真:乃梨花

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レポーター

乃梨花(「町旅」女子部)

ひとり暮らしの猫飼い人ゆえ、
長らくショートトリップ派・・でしたが、
最近は、猫を預けて遠くまで足をのばすこともしてます
(親戚の多い東北へ、行くことが多いです。➕日本酒党❤️)

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