中津川沿いに建つ、蔦の絡まる“まるで隠れ屋みたいな”喫茶店『ふかくさ』
〈岩手県盛岡市〉

岩手銀行赤レンガ館から中津川沿いの遊歩道を沿ってしばらく行ったところに、大きなギンドロの木と蔦に覆われた喫茶店『ふかくさ』はある。

名前が先か、はたまた建物がツタにすっぽりと覆われてしまったのが先なのか、順序が気になるところだが、なるほど、ぴったりな店名だ。この店は盛岡の地元誌(『てくり』)によれば、オペラ歌手として著名だった関谷敏子に師事し、戦後、歌姫として進駐軍キャンプや将校クラブなどのステージで活躍していた元店主の細谷律子さんが今から40年ほど前に開いた店だという。

すでに息子さん夫婦に引き継がれた『ふかくさ』の店内には、“長い時間その場所にずっと留まったもの”が放つ、深い褐色の輝きがある。レトロ、ヴィンテージ、アンティーク・・どの言葉も似合いそうだ。

モザイクガラスのテーブルライトからは、ぼんやりと青みがかった優しい灯りが滲みだす。

店内は10人入れば一杯という感じのカウンターと3組のテーブル席だけ。店にいる、というよりは、自宅でくつろいでいるように感じられる広さだ。


コーヒーはサイフォンでていねいに淹れられた上品な味。カップも、大切に扱われている感じの趣味が良いものだ。ミルクレープをロール状に巻いたケーキも美味。

川のせせらぎに耳を傾けながら、窓から流れこむ心地よい風のなか、ゆったりと時間を過ごす。北の町の澄んだ光が目にまぶしい。

外へ出れば、中津川に沿って風が爽やかに抜けていく河原の景色がひろがっている。

橋を渡り、さきほどまで居た『ふかくさ』を振り返ると、古い板葺きと土壁のぬくもりある塀の古民家がすぐ隣で、風景に溶けこむように寄り添っていた。

川沿いには、美しい小庭に『笛吹き少年像』など、目を楽しませるコーナーもある。


 
写真:乃梨花

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レポーター

乃梨花(「町旅」女子部)

ひとり暮らしの猫飼い人ゆえ、
長らくショートトリップ派・・でしたが、
最近は、猫を預けて遠くまで足をのばすこともしてます⭐️
(親戚の多い東北へ、行くことが多い最近です。➕日本酒党❤️)

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