台風さんにはちょっと待っていただいて・・・
<福井県小浜市>

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宿泊先から望む若狭の海。台風前の静けさと言ったところか、穏やかな光景が目の前に広がっていた。1日の始まりとしては申し分ない晴れやかな気分にさせてくれた。
 
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この日は小浜市にて若狭地方最大の秋祭りである「放生祭(ほうぜまつり)」が行われていた。約300年の歴史を持ち、山車、大太鼓、神楽、獅子、神輿が二日間にわたり旧小浜町内を巡行する。紋付袴を纏った人々が引率する姿は懐かしくもありながら、祭り特有の貫禄が感じられた。
 
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各区には本陣が構えられていた。こちらは貴船区の本陣。台風18号が九州に上陸し、北陸に向かっていたので「無事に開催できて良かったですね」と声をかけたところ「台風さんにはちょっと待っていただいて」と粋な言葉がかえってきた。こんなやり取りができるのも祭りの魅力であろう。
 
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本陣の前では、大太鼓や獅子による演し物が披露される。大音響の囃子に合わせて、棒振りが勇壮に立ち回っていた。跳ねまわりながら棒をかち合わせるなど、演者同士の呼吸合わせが重要な動きが多く盛り込まれていた。
 
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重要伝統的建造物群保存地区に指定されている小浜西組の町並み。主に商家町と茶屋町で構成されている。中世の頃には、京都に近いこともあり日本海側屈指の湊町として繁栄したそうだ。現在の町並みは、明治4年の地籍図とほぼ同じ形態であり、丹後街道を基軸にした町割りが評価されている。
 

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大正期に建てられたという町家を修理再生した「町並み保存資料館」。京都と同じく「ウナギの寝床」のように間口が狭く奥行きが長いのが特徴。玄関に入ると通り庭があり、その横にはミセノマ、ナカノマ、オクノマがある。そして、その奥には中庭、土蔵といった小浜の伝統的な町屋である。当時は間口の広さで税金を決められたため、このような工夫を凝らしていた。
 
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大正14年に建築された「高島歯科医院」。病院建築の遺構として貴重な存在で、木造2階建て外壁はモルタル仕上げだそうだ。玄関上部にあるダビデ風の星型レリーフが、ある種異様な雰囲気を醸し出していた。平成19年、国登録有形文化財に登録されている。
 
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魚の小売商店が並ぶアーケード街「いづみ町商店街」は、慶長6年に行われた町割りで生まれた。鯖街道の起点とされており、その証としてプレートが埋め込まれている。現在も魚問屋や魚屋が営まれており、店頭では鯖が焼かれていた。昼食後であったが、周囲に漂う香ばしい香りに食欲をそそられてしまった。
 
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近年、新たな観光資源や魅力的なまちづくりの寄りどころとして、社会的関心を集めている近代化遺産。このSL給水塔は小浜駅に保存されており、かつてSLの動力となる蒸気に必要な水を給水塔から供給していた。大正10年製のレンガ造りで、当時はこの上にタンクがあったそうだ。
 
 
 
 
 
 

地図

レポーター

森 順一郎

最近、祭りに参加する若い人や神輿の担ぎ手が減っていると聞く。祭りは多くの人間をまとめる人と参加する人との信頼関係が必要に思える。放生祭りでは、子供から大人まで沢山の人々が参加しており、まさしく信頼関係がなりたっているのだと感じた。そして、その信頼関係が歴史文化を継承していくのであろう。

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