雨と静寂に包まれた熊川宿でしっぽり<福井県三方上中郡>

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約1㎞にわたって古い町屋が軒をつらねる「熊川宿」。山間にある風情溢れる宿場町である。若狭の海で水揚げされた海産物はこの地を経て京都に運ばれ、最盛期には、1日約1,000頭にもおよぶ牛馬が行き交ったといわれている。当時の地割を今に残す「熊川宿」は1996年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、年間約40万人が訪れる観光地である。
 
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熊川宿は、東の宿場入口から西の宿場入口まで上ノ町(かみんちょう)、中ノ町(なかんちょう)、下ノ町(しもんちょう)の3地区で構成されている。当日は雨ということもあり、まずは車で上ノ町へ。道の駅付近にある鯖街道ミュージアムを見学後、街道へ向かった。何の気なしにふと足元を見ると、そこには「沢蟹」が。思わぬ珍客に戸惑ったが、とりあえず踏まなくてよかった・・・。
 
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上ノ町の子供たちがよく遊んでいるという巨岩。いまだかつて怪我をした子供がいないことから「子守り岩」と呼ばれている。目測ではあるが、高さ1m以上はあったと思う。権現神社と何かしらの関係があると言われるが、詳細はあきらかでない。
 
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現在、北川水系における幾多の水害や異常渇水などの問題を解決するために、平成31年度の完成を目指し、ダムの本体工事、付替道路の整備工事を進めている。この建物は、工事に従事する方たちの事務所および宿舎だ。伝建地区の景観を崩さぬよう、配慮がなされていたことに感銘を受けた。
 
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平成の名水百選にも選ばれている「前川」。家の前には水路で作業を行うための「かわと」と呼ばれる石段が造られている。当時は野菜を洗ったり、果物を冷やしたりと地域住民には欠かせない生活用水であった。また、400年の歴史を誇る熊川宿の景観には欠かせない水路である。
 
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旧逸見勘兵衛家住宅は、伊藤忠商事2代目社長である「伊藤竹之助翁」の生家である。平成7年、主屋、土蔵などが町指定文化財となり、その後、大規模な保存改修修理が行われた。現在は、一般公開のみならず、宿泊施設としても利用できるというから驚きだ。
 
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灰色の壁がひときわ目を引く「若狭鯖街道資料館」は昭和15年、伊藤竹之助翁により熊川村役場として建てられた。現在は資料館として活用されており、熊川ゆかりの古文書、宿場で使用された道具や古地図が展示されており、この地域の歴史を深く学ぶことができる施設である。
 
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中ノ町にある「まる志ん」さんでは、できたての葛料理が味わえる。熊川の葛は、儒学者「頼山陽(らいさんよう)」が「吉野よりよほど上品にて、調理の功これあり候」と評したことで知られている。こちらでは蕎麦粉に葛が練り込まれている「葛そば」を注文。鰹と昆布でとった出汁はとても上品。蕎麦はちゅるちゅるとした食感で出汁との相性も抜群。椎茸の甘露煮も良い箸休めになっていた。近くにあってほしい店である。
 
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前川と同様に、こちらも熊川宿に欠かせない景観だと感じた「御蔵道」。何気ない小さな路地だが、何とも言えない味のある雰囲気を醸し出していた。並走して流れている北川を往来した舟運の米が、この路地を通り、松木神社の蔵屋敷に持ち込まれたことが名の由来となっている。
 
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約1㎞の散策であったが、熊川宿は様々な歴史文化を見せてくれた。東の宿場入口にある熊川番所から始まり、町の中心であった中ノ町では道幅も広く当時の賑わいが伺えた。水路や路地は、街道を行き交う人々や当時の生活を支える重要な役割を持っていた。たとえ雨だとしても、ぜひオススメしたい観光地である。
 
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夜は小浜市にある「食彩 ごえん」さんにて会食。刺身はもちろん、若狭かれいの一夜干しやイカ姿つくりなど海の幸を中心に注文。若狭かれいは、手で頭を外してから身を割くのが若狭の食べ方だそうだ。イカはひとしきり刺身を楽しんだ後、げそ等を天ぷらに。やはり、知らない土地に来たら店主のオススメに従うのが間違いないなと感じた。
 
 
 
 

地図

レポーター

森 順一郎

当日、葛そばの存在を知った私は「今日の昼食はそれしかない」と勝手に決めていました。そして、その美味さ上品さにどハマリ。早くも葛そばロスです。皆様も葛そばを見かけた際は、ぜひ味わってください!

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