懐かしき日本の情景~明治の香る街「小坂町」~<秋田県鹿角郡>

奥羽山脈の西側、鹿角盆地の北部に位置し、かつては小坂鉱山などの鉱山資源で栄えた秋田県「小坂町」。決して大きくはないが、細かい部分まで整備が行き届いた非常に美しい街である。
 

康楽館は明治43年、鉱山で働く人々の厚生施設として建てられた芝居小屋だ。労働者のみならず家族までもが招待されたとのこと。老朽化やテレビの普及により、一度、一般興業が中止されたが、町の人々の熱意により昭和61年に見事に復活。平成14年、国の重要文化財に指定された。一世紀を経た今も現役であり、大御所の歌舞伎役者もここで演じている。
 
RIMG0432-1024x768
舞台や桟敷は江戸時代の典型的な芝居小屋をモチーフにしており、2本の花道(本花道と仮花道)が存在するのは非常に珍しいとのこと。また、切穴(すっぽん)と呼ばれる役者を舞台にせり上げる装置もあり、人力で操作をしている。
 
RIMG0435-1024x768
天井にあるチューリップ型の電灯や洋風の板張りは明治時代のもの。創建当時、東北には電気が無かったが、小坂鉱山が国内有数の水力発電所をもっていたため電灯が設置された。和洋折衷のモダンなつくりや画期的な設備により「東北一の芝居小屋」と称された。
 

明治38年に巨費を投じて建設された「小坂鉱山事務所」。当時の繁栄を象徴しているかのごとく、絢爛豪華な建物である。ルネッサンス風を基調とした木造3階建ては、全て天然秋田杉造り。屋根に設置されたドーマーウインドー(飾り窓)やペディメント(窓飾り)は気品と格調の高さを醸し出していた。こちらも康楽館と同様に国の重要文化財に指定されている。
 
RIMG0411-1280x960

館内はモダンなデザインが多く施されていた。壁面の白と木材のコントラストが美しい室長所や見事な曲線美を描くらせん階段は見る者を魅了する。館内にある「モダン衣装室(有料)」では100着以上のドレスが用意されており、好きな衣装をレンタルして館内で撮影が楽しめる。
 
RIMG0409-1024x768
建物の前には美しく整備された敷地が広がる。館内を見学した後は、ぜひ、この近辺を散策していただきたい。小坂町を大切に思う地元の人々のおもてなし精神が、ひしひしと伝わってくる。
 
小坂の七瀧_FG秋田 (768x1024)
樹海ライン(県道2号線)を十和田湖へ向かう途中、忽然と現れた「七滝」。高さ約60mから七段にわたって流れ落ちるこの名瀑は、日本の滝百選のひとつに数えられている。七滝の周辺は公園として整備されており、付近には「道の駅こさか七滝」やレストランがあるので、この名瀑を眺めながら食事や休憩ができる。
 
 
 

地図

レポーター

森 順一郎

初めての秋田県小坂町。天候にも恵まれ、非常に思い出に残る旅となりました。いまだ現役を誇る芝居小屋や鉱山事務所も素晴らしかったのですが、なんといっても新緑の美しさが一番印象に残っています。小坂町から車で十和田湖へ向かう山道も最高に気持ちが良かった・・・。小坂はよいとこ一度はおいで。

関連タグ

関連記事

エリア

(Categories)

タグ

(Keywords)

すべてのタグを見る

おすすめ記事