真の地獄は温泉噴出口にある!? 見れば納得「別府の地獄めぐり」
<大分県別府市>

307-00奈良時代初期に編纂された「豊後国風土記(ぶんごのくにふどき)」によると、千年以上も昔より噴気・熱泥・熱湯などが噴出していたという別府の鉄輪(かんなわ)・亀川周辺。もともとは人が近寄ることができない忌み嫌われた土地であったことから「地獄」と称したが、今では温泉噴出口を「地獄」と呼び人々が観光に訪れる名所となっている。有名な「別府の地獄めぐり」とは、国指定名勝4カ所をふくむ7つの地獄をめぐる旅である。
 
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コバルトブルーの泉質が美しくおよそ地獄らしく見えない「海地獄」は、約1200年前に鶴見岳の爆発によってできた含食塩酸性泉。園内ではアマゾン地方原産の植物栽培も行っていて、お盆の3日間には20㎏までの子供がオオオニバスに乗れるイベントも行なわれている。プールのような色合いから涼しげに見えるが、硫酸鉄が溶解した温泉の温度は約98度と沸騰寸前。やっぱり地獄の名前は伊達じゃない。
 
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海地獄のすぐとなりにあるのが、灰色の泥が沸騰してボコボコ吹き上げている「鬼石坊主地獄」で、浮き出た泡が坊主頭のように見えることから名づけられたそう。園内にある大きな音を立てて蒸気が吹きだす間欠泉は「鬼の高いびき」と呼ばれ、地獄らしさを強調している。
 
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1丁目~6丁目までさまざまな湯の池がある「かまど地獄」は、蒸気とともに高温の温泉が噴出する迫力ある地獄。かって氏神様にお供えする御供飯を炊いた習わしから、かまどという名前がつけられたそう。係員の方がタバコの煙を吹き付けると、雲ができるのと似た原理で白煙があらわれる「かまど地獄の煙の実演」は、煙の粒子に水蒸気が結合することで視認できるようになる現象だ。
 
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大正12年に日本で初めて温泉熱を利用したワニ飼育を始めた「鬼山地獄」は、別名を「ワニ地獄」といい、現在もここで生まれ育ったワニを含めた約80頭のワニが飼育されている。「エサやり」のアトラクションで見せてくれるジャンプしながら餌を食べるワニは迫力満点。
 
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吹き出すときは透明で、池に落ちると青白く変化した温泉が「白池地獄」。パッと見は庭園の池のようにみえるが、湯の温度は95度と高温。こちらの園内では温泉熱を利用して、ワニではなく熱帯魚を飼育している。さらに、一帯の温泉地の礎を築いたといわれる「一遍上人」の像や、県指定重要文化財の向原石幢など、歴史・文化にも触れることができる。
 
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最も地獄のイメージに近いのは、この「血の池地獄」ではないだろうか? 広さ約1300平方メートル、深さは30メートル以上という広大な池は、酸化鉄や酸化マグネシウムを含んだ赤い熱泥が堆積し、血のような赤さになったそう。昭和2年まではたびたび爆発した記録も残っており、まさに地獄感満載。日本最古の天然地獄は必見。
 
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「龍巻地獄」は、約150度の地中の熱水が30~40分間隔という極めて短い間隔で吹き出す間欠泉だ。噴出の勢いも強く、安全のため屋根でせき止めなければ、約30メートルも吹き上がるそう。噴出時の熱量と噴気は大迫力で、見るものを興奮させる力がある。
 
 
画像提供:公益社団法人ツーリズムおおいた

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レポーター

恩田 正恒(町旅編集部)

この記事の取材で、温泉噴出口のことを「地獄」と呼ぶと初めて知りました…。地獄は現世にもたくさんあるんですね。妙に納得。

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