春らんまん。ローカル列車「いすみ鉄道」に乗って城を見に行こう!
〈千葉県夷隅郡〉

房総半島中央部を太平洋側から内陸部まで全14駅でつなぐいすみ鉄道は、こんもりした里山とのどかな田圃がひろがる風景の中をのんびり走るローカル列車。春になると、地元ボランティアの協力で植えられた菜の花が黄色の絨毯のように沿線を埋めつくす。さらに桜の花が開けば、そこはピンクと黄色に彩られた優しい春色の風景。まるで『ムーミン谷』の物語の世界に迷い込んだかのようだ。
IMG_4115r
このいすみ鉄道で目下人気の車両は、黄色い車両に『ムーミン』キャラクターがペイントされた「ムーミン列車」。『菜の花列車』の愛称もあるいすみ鉄道の中で、イメージキャラクター的存在だ。しかし、個人的には上の「キハ20-1303」が好み。老朽化が進んで土休日の運行のみになったが、それでも国内で唯一運行可能なキハとして知られ、ファンも多いキハ52とキハ28の代わりに平日も走るキハとして投入された。この新型車両には、昭和の懐かしい国鉄一般色に塗装が施されて、キハ20という形式がつけられた。
IMG_5148r
JR大原駅から、いすみ鉄道へアクセスするときに悩むのが、乗り換えの待ち時間をどうするか。カフェに入ってお茶する時もあるが、今回はせっかくなので、この時間を利用して近辺を散策してみた。すると、あっと驚く桜の絶景ポイントに遭遇!
IMG_5391r
大原から乗って車窓の景色を楽しんでいると、あっという間に目的の大多喜駅に着く。パステルミントの色で塗られた木造の駅舎のせいか、おおたきの文字までが可愛く見えてくる。
IMG_5210r
大多喜駅から歩いて10分で行ける大多喜城は、徳川四天王として勇名を馳せた戦国の猛将・本多忠勝によって築かれた。当時の城は、西から東に張り出す丘陵を利用し、本丸・二の丸・三の丸を配置し、西は屋根を切る空堀、南は夷隅川に落込む急崖、東と北は水堀という堅固な要害に守られていたという。現在の城は大多喜城の本丸跡に1970年(昭和50)に建てられた城郭様式の建物。内部は千葉県中央博物館・大多喜城分館として、房総の城、武家社会と城下町の文化と暮らしをテーマに、武器・防具から歴史資料までを並べ、わかりやすく展示している。
IMG_5320
大多喜城の本丸跡に残っている大多喜城内建造物唯一の遺構である『漢医門』を見に、案内板に従って城の裏斜面を降りていくと、とつぜん大多喜高校の敷地の中に出るので、知らない人は面喰らうだろう。なんと『漢医門』がある場所は、高校の中だった。
IMG_5328r
本多忠勝が十万石でこの地に封ぜられた慶長年間(1596〜1614)にでき上がった城は、天保十四年(1843)に焼失し、本丸跡の周囲にはかろうじて土塁が残っているが、当時の石垣や建物はすでにない。二の丸跡にある県立大多喜高校の一角には、明治の廃藩置県で解体され処分されずに残っていた薬医門が残っている。
IMG_5195r
大多喜駅から城へ向かう途中には、二の丸浄水場がある。雄大な渓谷の木々の緑に抱かれるように建つ古びた建物からは、侘び寂びの気配が匂い立つ。
IMG_5343r
大多喜駅から見える大手門は、昭和57年に作られた新しいものだが、ここに大手門があると観光客にとっては、この先が大多喜城へ続く道で間違いないことが直観的にわかって便利だ。
IMG_5400r
菜の花と桜の競演。桜の開花に合わせてタイミングよく行くと、線路沿いに黄色とピンクの気持ちまでほんわか染まる、なごみの春カラーが並ぶ。
IMG_4136r
来年もまたムーミン列車に乗って、菜の花と古い城下町を見に来よう。心からそう思えるローカル線の充実した日帰りのプチ旅でした。
 
写真:乃梨花

INFORMATION

地図

レポーター

乃梨花(「町旅」女子部)

ひとり暮らしの猫飼い人ゆえ、
長らくショートトリップ派・・でしたが、
最近は、猫を預けて遠くまで足をのばすこともしてます⭐️
(➕日本酒党❤️)

【東京からのアクセスと料金】
JR東京駅より特急わかしおで約1時間20分、2590円(大原駅まで)
★いすみ鉄道「大原〜大多喜駅」へは、1日フリー乗車券1000円がお得。

関連タグ

関連記事

エリア

(Categories)

タグ

(Keywords)

すべてのタグを見る

おすすめ記事