筑波に神々がいた証し? なぜその形になったか分からない不思議な岩の数々
<茨城県つくば市>

tukuba2_00a筑波山神社から山頂を目指す以外に、ロープウェイ乗り場近くから登山道も人気。その理由としては、車で高度が稼げるという部分もあるが、やはり途中にある数多くの奇岩を見て回れるというのも大きいのではないか。
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半分以上が石段になっている道を約1㎞歩くと、筑波山神社から女体山頂へ向かう道と合流。ここから山頂までの間に数多くの奇岩が次々とあらわれる。
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まず最初は、二つの巨岩の間に絶妙なバランスで大きな石がかぶさり、門のような状態となっている「弁慶七戻り」。名前の由来は、弁慶がくぐるとき岩が落ちそうなので7回も躊躇したとの伝承による。登り時は反対側からなので、落ちそうには見えないのだが、通り抜けたあと振り向くと確かに肝が冷える。古くは石門といわれ、神々の住む高天原(たかまがはら)と俗世を分ける場所だったそうだ。長い年月をこの状態でいられるのは本当に不思議で、見ていると「本当に神秘的な力はあるのかも」と感じさせる。
tukuba2_03数十メートル進むと「高天原」。急な階段を上って岩の上に着くと、筑波山神社の摂社のひとつである稲村神社があり、天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られている。降りるときは社の裏の岩の隙間を通り、社を一周する感じになる。
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せりだした巨岩の下に岩が挟まっている「母の胎内くぐり」もすぐ近く。ここは筑波山禅定(修験行)の行場のひとつといわれており、岩の間を抜けることは生まれた姿に立ち返ることを意味しているそう。話はそれるが、出羽三山の修験道にも生まれかわりを意味する修行があり、山岳信仰には共通する部分が多い。
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実際にくぐってみると岩の隙間は予想以上に狭く、自然と赤ん坊のように這いつくばる姿勢になる。ほんのわずかな距離なのに圧迫感があり、抜け出たときは開放感を感じた。
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二つの巨大な岩が寄り添うようにそびえ立つ「陰陽石(いんようせき)」は登りながらだとわかりづらいが、通り過ぎてから振り返るとその不思議さが分かる。寄り添うというよりくっついているといわれた方がしっくりくる絶妙のバランス。
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ついつい隙間に挟まってしまう人が多いのが「出船入船(でふねいりふね)」。出てゆく船と入ってくる船が並んでいるように見えることから名付けられたそうだが、もとは「熊野の石鳥居」といい、航海安全を願う古い神「船玉神」を祀っているそうだ。なぜ内陸の山の尾根に航海安全を願う場所ができたか気になり調べてみると、筑波山西麓には古代の霞ヶ浦に続く海があり、貝塚や地名に名残りが残っているとのこと。もしかしたら、その当時から信仰の対象になっていたことの証しなのかもしれない。
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決して動かないことを意味しているといわれる「北斗岩」は、尾根道を遮るようにそびえ立つ高い岩。かたわらには筑波山神社の摂社のひとつである小原木神社が立てられ月読尊(つくよみのみこと)が祀られている。
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女体山の山頂近くまで登るとでてくる「大仏岩」は、角度によって本当に人が作った大仏のように見える。有名な奈良の大仏には1mほど及ばないものの高さは15mあり、山中にいきなりあらわれるので結構驚く。日本古来の神々のなかにしれっと大仏が混ざっているのも、なんだか日本的ではないだろうか。

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒

町旅編集部

今回紹介した岩は登山道の途中にあるのですが、ロープウェイのあるつつじヶ丘から山頂までコースタイムで80分ほど。ちょっとした運動にもなるし、紹介した以外の岩も多数あり飽きずに登れます。
どうしても登るのが嫌だという場合はロープウェイで登って、下山にこのルートを使ってみてはいかがでしょう。

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