日本遺産の物語

江戸時代から庶民に人気の門前町、成田山の表参道歩きで、見て食べて感じる江戸文化
〈千葉県成田市②〉

成田街道のなりたちは、そもそも水戸街道の新宿から分岐し、佐倉藩や多古範が参勤交代に使っていた「佐倉道」からなる。元禄時代ごろから成田山信仰が盛んになったため、多くの成田詣での参詣人が佐倉道を通って成田山へ向かうため、いつしか呼称も「成田街道」へと自然にとって変わってしまったようだ。
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江戸時代から人々に愛されてきた成田山新勝寺の門前町は、いまも外国人観光客をはじめ、多くの観光客を惹きつけてやまない活気ある魅力にあふれている。(注・写真は1日の中でもっとも人通りの少ない平日午前中のもの)
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黒漆喰塗りの土蔵造りで目をみはるのは、一粒丸三橋薬局(いちりゅうがんみつはしやっきょく)の建物。二宮尊徳もひいきにしたという元祖、生薬配合胃腸薬『はらのくすり 成田山一粒丸』は、江戸元禄より一粒丸三橋薬局に伝わる家伝薬という。その当時から成田山新勝寺に訪れる旅人の“道中薬”として、携行され(何病にも良いとされたので)重宝されたという話。
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町家ふうの建物に樽を並べた店頭風景が、なごみの雰囲気をかもす「兄弟堂」は、漬物店。参道には、この店の他にも成田発祥と言われる人気の「鉄砲漬け」などを置く漬物店が多く点在する。ちなみに鉄砲漬けは、白瓜の中心にシソで巻いた青トウガラシが入っているのが鉄砲の筒に似ていることから名付けられたもの。
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創業明治43年の老舗のうなぎ専門店「川豊」の建物も老舗旅館のような大店で独特の風情があり、もはやこの門前町の町並みには欠かせない存在だ。
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店先で、熟達した職人たちがうなぎを手際よくさばく光景も、店の看板商品のひとつ(?)として、いまやすっかり定着した「川豊」。外国人観光客が写真を撮っている姿もよく見かける。
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成田山表参道で唯一の酒蔵「長命泉(滝沢本店)」は、成田の地下水で作られた日本酒。酒蔵見学もできる。写真は店舗ではなく、古い塀と渋い木造建築が目をひく酒蔵のある敷地への入り口。
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成田山表参道の中で、もっとも目をひく「大野屋旅館」は、国登録有形文化財の見事な建物。現在は古くから続いた旅館業ではなく、食事処と漬物屋として営業している。大野屋旅館としての創業は江戸中期で、望楼(展望台)つきの風格ある日本建築は、昭和10年に建てられた。江戸末期に建てられた建物は現在「房総のむら 体験博物館」に再現されているので、こちらと比べてみるのも面白そうだ。
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藤倉商店は、竹細工・木工品・籐製品などの専門店。昔ながらの熟練の職人による手づくり品を見ながら、時代とともに変わっていった身近な道具たちの歴史も感じられ、見るだけでも楽しめる。
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斎藤商店は参道に入ってすぐの老舗の乾物屋さん。主力は言わずもがな千葉の名産ピーナッツ。年季の入った木造建築の木目の風合いと、乾物を並べる台に敷かれた赤のギンガムチェックの相性が不思議にぴったり。レトロ可愛い。
 
写真:乃梨花

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乃梨花(「町旅」女子部)

ひとり暮らしの猫飼い人ゆえの
ショートトリップ派
(➕日本酒党❤️)

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