日本遺産の物語

北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の町並み〜成田山新勝寺
〈千葉県成田市①〉

江戸時代から「成田山のお不動さま」の愛称で親しまれ、人々の信仰を集める成田山新勝寺は、940年に『平将門の乱』平定祈願のために開山された真言宗智山派の大本山。家内安全、交通安全などを祈る護摩祈祷は人気が高く、全国から多くの参詣者を集めます。
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お正月には身動きが取れないほど人でいっぱいの境内ですが、ふだんはこの通り。のんびり広々としています。初詣の参詣風景などでも、よく知られるこの大本堂は、弘法大師・空海によって敬刻開眼された(※公称)不動明王を御本尊とした御護摩祈祷を行う道場です。
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開基1070年の記念事業として、あたらしく建てられた総門は、総ケヤキ造りで高さ15mの威容を誇ります。平成19年に落慶され、以後、成田山新勝寺の表玄関に。蟇股(かえる股)には十二支の木の彫刻があり、楼上には八体の生まれ歳守り本尊が奉安されています。
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仁王門(国指定重要文化財)は天保2年(1831)に再建。左右を密迹(みっしゃく)、那羅延(ならえん)の金剛が守り、裏仏には右に広目天、左に多聞天を奉安して、仏を安置する伽藍を境内の入り口で守護しています。
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平成19年に、古文書をもとに漆塗り彩色の修復がされた三重塔(国指定重要文化財)は、とってもきらびやか。塔の各層に見られる雲水紋の彫刻の垂木は、一枚板で作られており、ひじょうに珍しいものだそう。正徳2年(1712)建立で、塔内には五智如来が奉安されています。
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安政5年(1858)に3代目の本堂として建立された釈迦堂(国指定重要文化財)は、釈迦如来とともに文殊、普賢、千手観世音、弥勒の四菩薩を奉安しています。堂の周囲には五百羅漢や二十四孝の彫刻がはめこまれ、ぜひじっくり時間をかけてめぐりたいもの。総ケヤキ造りの見事な伽藍は、江戸時代後期の特色をよく残しているといいます。
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1861(文久元)年に建立された額堂(国指定重要文化財)は、ご信徒から奉納された額や絵馬などをかける建物。ここ成田山とはとっても縁の深い「成田屋」の屋号で知られる、歌舞伎役者の市川團十郎(七代目)から寄進された石像も見られます。
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1701(元禄14)年に建立された光明堂(国指定重要文化財)は、釈迦堂よりもうひとつ前に本堂だったところ。本尊は大日如来で、不動明王、愛染明王(縁結び祈願)が奉安されています。成田山で恋愛成就(縁結び)をお願いするなら、迷わずここです。
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光明堂の伽藍を下から見上げれば、建物の経てきた歴史の重みがずしりと感じられます。全体に建立当初の構造がよく残されており、江戸時代中期の密教寺院の建物として貴重なものといいます。
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光明堂の周囲を覆う古い額など。額堂と同じく、ほとんどが信徒から奉納されたものだそう。長い年月を経てきた古刹は細部まで味わい深く、長く見ていても飽きない風趣があります。


(②へつづく)
 
写真:乃梨花

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乃梨花(「町旅」女子部)

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