かつては北国街道の要衝、いまはレトロ・モダンな魅惑の町並み
<滋賀県長浜市>

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※ 広大な琵琶湖にむかって開けている様子が、空撮で見るとよくわかる(写真中央の突堤が現在の長浜港)。長浜は古くから、北国街道の宿として、また琵琶湖舟運の拠点として栄えた町だ。だが昭和50年代ごろから自動車の普及とともに中心市街地の衰退が目立ち始めた。これに危機感を持った市民と行政が力を合わせて、平成になるころから着々とまちづくりを進めてきた結果、現在は多数の観光客を集める町として復活したのだ。
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※ その象徴ともいえるのが、この「黒壁スクエア」。ガラス館として素敵なガラス製品が多数展示販売されていて人気スポットになっている。
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町を散策すると、長浜名物・鯖そうめんの翼果楼はじめ、オシャレなカフェやレストラン、土産物店など、町歩きが楽しくなるスポットがたくさんある。
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かつて長浜御堂と呼ばれ湖北門徒の道場であった「大通寺(長浜御坊)」には、伏見桃山城の遺構といわれる重文の本堂や大広間、また長浜城の追手門を移築した脇門(薬医門)などの貴重な建造物が残る。また伊吹山を借景とする枯山水の含山軒庭園、松や木犀の老樹と小さな池にかかる反(そり)橋が優雅な蘭亭庭園があり、これらは国の名勝に指定されている。
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商店街の奥に大通寺の大きな山門が見える。
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一見何気ないが、味わいのある町並みである。
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ちょっと不思議な建物、長浜タワービル。
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「魚仙房 能登」は、広い店内にカウンターや小上がりや個室座敷などがあり、鮒ずし・天然うなぎ・琵琶マス・真がも・手長えびなど、湖北ならではの季節の食材がゆったりと味わえる。料理の旨さはもちろん、女将さんの笑顔もとても素敵なお店である。
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※ もちろん長浜といえば、歴史の町。ユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まった「山・鉾・屋台行事」のひとつ、「長浜曳山祭」は、日本三大山車祭であり、豊臣秀吉の男子誕生を祝ったのが起源という由緒ある祭り。
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※ 豪華な毛織物などの贅を尽くした曳山の優美さはもとより、小学生前後の男の子によって熱演される「子ども歌舞伎」は見もの。さらに若衆による勇壮な「裸参り」や、子ども役者が練り歩く「役者夕渡り」など見どころは満載。
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※ その祭りの中心、「長浜八幡宮」は、平安時代に京都石清水八幡宮から神霊を移して祀ったことに始まるといわれ、室町時代以降の貴重な宝物を多数現代に伝えている。
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※ 今浜という名を長浜に改め、ここに最初の拠点を築いたのが秀吉。残念ながら当時の長浜城は、豊臣氏の滅亡とともに徹底的に破壊されたので、その姿は不明な部分が多いらしいが、一部は彦根城へ移築されたという。歴史博物館として公開されている現在の「長浜城」は、昭和58年に安土桃山時代の城郭を模して復元されたものだが、湖北の風景を一望できる見事な眺望から、秀吉がこの地に着目した理由などあれこれ想像してみると楽しい。
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長浜鉄道スクエアの向かいにある「慶雲館」は、明治20年、明治天皇の京都行幸の帰路、大津から船で長浜へ至り、ここで鉄道に乗り換えるにあたって休憩する施設として、土地の実業家・浅見又蔵が私財を投じて建設したもの。二階は、御簾の奥に陛下が休息された玉座の間、そして全体が広い座敷になっている。二階から見る庭はいまも見事だが、琵琶湖が埋め立てられる以前は、ここから見る湖の眺望も素晴らしかったのだという。毎年1月上旬から2ヶ月間開催される盆梅展は、日本一の規模といわれ、たくさんの観覧者が訪れる。

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さて少し歩き疲れたのでお茶にしよう。休憩するにはカフェや甘味屋などたくさんあるが、ここはちょっと変化球で文泉堂という本屋さんへ。かつては両替商であったという重厚な建物が素敵である。いわゆる書店のイメージではなく、セレクトショップといえばいいか。
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店内に入ると奥に座敷があり、土蔵のある庭を眺めながら珈琲をいただくことができる。降り始めた雨にしっとり濡れる庭を見ながら、ゆったりといただく珈琲の味はまた格別である。

 ※の写真は、(公社)びわこビジターズビューロー 提供
 その他は、町旅編集部

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レポーター

岡崎 聡

「町旅」編集部

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