不定期連載 -歴史・文化・芸術の堆積「上野の山」を歩く⑩

実は競馬場にもなっていた!? いろんな要素が盛り沢山の不忍之池(しのばずのいけ)
<東京都台東区>

ueno10_00穴稲荷・五條天神社前の坂を下りると不忍之池にでる。
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山側からの入り口は、そのまま中之島にある弁天堂への参道へとつながる。ここには屋台が出店していることが多く、池のそばにはベンチもある。池を見ながら一休みするのにちょうどよい。
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短い参道を歩くと、1625(寛永2)年に建立された弁天堂。ご本尊は八臂大辯財天(はっぴだいべんざいてん)で、寛永寺開基の天海が竹生島の宝厳寺から勧請したといわれている。現在のお堂は1958(昭和33)年に再建されたもので、八角形をしているのが特徴だ。
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ちなみに、境内には数多くの石塚があり、これはグルメ漫画のはしりといわれる「包丁人味平」で有名になった(?)包丁塚。また、今年(2016年)9月に人気ゲーム「ポケモンGO」の敷地内遊戯を禁止したことで、メディアの露出が増えたのもこの周辺。創建時は弁天島とよばれる島になっていて、船で参拝するようになっていたのだが、誰でも気軽に参拝できるよう橋がかけられたそう。江戸時代にこんな騒動になるとは考えもしなかっただろう。
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弁天堂を通過すると1931(昭和6)年から続くボート乗り場がある。
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自分が学生だった平成初期のころまでは、手漕ぎボートしかなかったと記憶しているが、いつのまにかスワンやサイクルなどレジャー施設っぽいボートが導入され、レジャー感が増したように思う。これだけビルに囲まれた池も珍しいのではないだろうか。
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ボート乗り場を左に折れ、湯島方面へ進むと「上野水上音楽堂(上野恩賜公園野外ステージ)」。一般にも貸出されているが、ときたまイベントを行っているのを見かけるくらい。ライブなどをやりたい方には穴場かもしれない。
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音楽堂を背にすると、密生した蓮の向こうに弁天堂や上野の山がみえる。2014年には蓮観察デッキが新設され、蓮の花が咲き乱れる夏は人気のスポットになった。
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あまり知られていないが、明治中期の不忍之池では競馬が開催されていたそうだ。ただし、明治天皇はじめ華族、政府高官、財界人など貴族の社交場としての意味合いが強く、馬券販売などは行なわれていない。1884(明治17)年から1892(明治25)年の9年間のみの開催であったが、池を周回した長さ880間(1,600m)・幅12間(21.8m)のコースの面影はいまも残っているように思われる。

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レポーター

恩田 正恒

町旅編集部

前回から一か月以上空いて、ようやく不定期連載「上野の山」も⑩まできました。①から見返したらなかなかのボリュームに…。

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