そうだ!灯台へ行こう〜本州の最東端に立つ犬吠埼灯台〜
〈千葉県銚子市〉

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源義経に置き去りにされた愛犬が7日7晩鳴き続けたという。そんな義経伝説が地名の由来といわれる犬吠埼。埼という字が最後に付く岬もめずらしく、“山がそのまま海に迫り上がった地形を指す”崎に対して、土偏の埼は“草木が生えない荒れ地が突出している地形”のさまをいう。
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この岬に立つ灯台は、美しい白亜の塔で遠くからでもよく目立つ。明治七年に作られたレンガ造りで、2014年には、点灯140周年を迎えた。「日本灯台の父」と呼ばれる英国人R・H・ブラントンが設計。
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2008年まで使用され、その任を終えた灯台付属施設の霧笛舎。明治期に設置された霧笛舎の中でもここ犬吠埼のものは国内で最後の1つとなるまで稼働していた。五里霧中の船舶が頼みにした霧笛も、レーダーやDGPSなどハイテク技術の進歩に取って代わられ、100年の歴史はあえなく幕を閉じた。
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『霧笛』といえば思い出すのは、レイ・ブラッドベリの同名の短編。(短編集「ウは宇宙船のウ」収録)灯台の霧笛を仲間の呼び声と間違え、海を渡りやってきた百万年の眠りから覚めた孤独な恐竜。恐竜の「咆哮」と灯台の「霧笛」が夜のしじまに悲しく響きあう、胸がせつなくなる物語。
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犬吠崎燈台霧信号所内部にある霧笛の動力装置。写真は燃料によるエンジン式のもの。奥には圧縮した空気を蓄えるタンクが置かれている。霧信号(霧笛)は、鳴り方(周期:音を鳴らす時間と止めている時間の組み合わせ)が霧信号所によって異なるため、船舶はどこが発信元かを識別できる。
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犬吠埼灯台は日本を代表する灯台の一つで歴史的文化財的価値も高い。「日本の灯台50選」「世界の灯台100選」にも選ばれ、年間10万人以上もの見学者を集める。高さ31.3mで尻屋埼灯台(青森)に次ぎ国内2位。
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九十九里浜にちなんで作られた99段の石造りの螺旋階段をのぼると、眼前には太平洋を彼方まで見晴らせる眺望がひらける。
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犬吠埼灯台資料展示館内に飾られている犬吠崎燈台の初代レンズ。
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この灯台の構造はレンガの二重円筒構造。建設には、19万3千枚ものレンガが必要だった。ブラントンは品質の良い(しかし高価な)イギリス製を希望。が、日本人技師・中沢孝政はイギリス製に負けない高品質の国産レンガの製造に努め、努力の末に見事に成功させる。その後につづく日本の『モノづくり神話』の原型がなんとここにも!
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灯台からほんの少し離れた海沿いの崖の上に立つ高浜虚子の句碑。「犬吠の今宵の朧待つとせん」と刻まれている。日本探勝会の吟行で、虚子が銚子へ訪れ犬吠埼で一泊した際に詠んだとされるもの。太平洋から湧いた霧がかかって、今宵の月は朧(おぼろ)となろうか・・そんな情景がここに立つとよりはっきりと目に浮かんでくるのは、場の力だろうか。
 
写真:乃梨花

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乃梨花(「町旅」女子部)

ひとり暮らしの猫飼い人ゆえの
ショートトリップ派
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