日本遺産の物語

『珠玉と歩む物語』小松
~時の流れの中で磨き上げた石の文化~
<石川県小松市>

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弥生時代の権力者を魅了した碧玉(へきぎょく)の装飾品加工から、およそ2300年にもわたり石の文化を磨き続ける小松。装飾品ののちには石を建築素材として加工する技術も導入され、生活・文化に密着した石の活用が普及した。
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それを可能にした要因は、石川県小松市全域が銘石を産出する地域であることや、大陸からの技術が入ってきやすい日本海沿岸交易の要地であること…
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そして、なによりそれらを活用しより高いものづくりを目指してきた、この地域の人々の高度な技術とたゆまぬ努力があった。
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先人から脈々と受け継がれてきた「石」の文化は、装飾品・美術品・建造物・信仰の対象など様々なかたちでいまなお残されている。小松を訪れ石に関する文化を見て歩けば、人々の2300年におよぶ足跡を感じることができるだろう。
 
 
小松市埋蔵文化財センター
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小松の石文化に興味を持ったら、ぜひ訪れたいのが「小松市埋蔵文化財センター」。地域の出土品を中心に企画展示されているほか、 古代の技術をそのまま取り入れた「勾玉づくり」や「組み紐」等を無料で体験できるなど、古代のものづくり技術をより身近に感じられる施設である。
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また、はるか弥生時代から時を刻み続けてきた「八日市地方遺跡(ようかいちじかたいせき)出土品(国指定重要文化財)」も、ここで収蔵展示されている。
 
那谷寺(国名勝指定・国指定重要文化財)
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この那谷周辺の地域は管玉(くだたま)の材料である碧玉の産地であり、そのなかにある那谷寺(なたでら)は自然を崇めてきた小松らしく“自然智”の教えを守り受け継いでいる。境内周辺の岩山にある多くの洞窟も、魂がよみがえり清められる聖地として信仰の対象となっている。
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国指定重要文化財である本殿は巨大な岩山の洞窟とつながっており、やはり石との密接な関係を見せてくれる。そして、広大な境内は四季を通して美しく、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでも一つ星がつけられているほど。来年(2017年)は、泰澄により開創されたと伝えられる養老元(717)年から1300年を数え、那谷寺開創一千三百年大祭が催される。歴史・自然美に加え、貴重な祭礼を目にする好機である。
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また、那谷寺庫裏庭園は、庭石や飛び石に碧玉やメノウ、水晶など地元産の宝石類が使用され、名勝としても指定されている名園。小松の名石を探しながら散策して欲しい。
 
鵜川石切り場
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古代から、江戸時代の小松城石垣にいたるまで、長年にわたり石材を供給していた鵜川石切り場では、地底湖のように水が溜まった幻想的な光景が見られる。また、洞窟の一部を活用したハニベ巌窟院という観光施設もあり、迷路のような洞窟内でおびただしい数の彫塑が地獄風景を展開している。一風変わったスポットとしても有名で、 土産話やSNSのネタを数多く仕入れることが可能だ。
 
小松城本丸やぐら台石垣
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加賀藩前田家三代利常公が改修にこだわりをみせた小松城本丸やぐら台。地元の凝灰岩と金沢の安山岩が、「切り込みハギ工法」により隙間なく積み上げられている。急角度の壁面に浮かび上がる石色のコントラストは、400年の時を経ても色褪せることなく目にすることができる。
 
東酒造(国登録有形文化財)
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酒蔵と住居あわせて12棟が国の登録有形文化財になっている1860年創業の造り酒屋「東酒造」。日本遺産の構成文化財でもある石蔵は、昭和に入ってから地元・小松の観音下(かながそ)石で建てられており、まさに継承する石文化の証ともいえる。毎年5月3日には酒蔵見学ツアーが行われているほか、4~11月の休業日以外なら酒造見学も受け付けている(要事前予約)。蔵見学には試飲も含まれるので、文化財に囲まれながら日本酒ファンの間で名高い「神泉」を味わえる。
 
画像提供ならびに記事作成協力:小松市役所観光交流課

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒

町旅編集部

今回の記事ではあまり取り上げていませんが、メノウやオパール・紫水晶などの「宝石」、金や銅などの「鉱物」、九谷焼の素材となる「陶石」など、小松周辺は地から掘り出す資源が豊富で驚きました。石文化と書くと少しカタい感じもしますが、宝石・金・伝統的焼物というキーワードを並べると「意外と女性に受ける地域」というイメージも…。
個人的には「石切り場の探検&奇石探し」と「東酒造で一杯」に魅力を感じます!

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