日本遺産の物語

灯り舞う半島 能登 ~熱狂のキリコ祭り~
〈石川県(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)〉

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「キリコ」とは切子灯籠(きりことうろう)という灯籠を短縮した呼び方で、漢字では切籠(きりこ)と書く。見た目は形や装飾によりいくつかのパターンがあるが、いずれも大きさや華やかさを競いながら地区ごとに独自の進化を遂げ、神輿の足元を照らすために担ぎ出されている。このキリコが担ぎ出される祭りの総称が「キリコ祭り」である。
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個々の祭りは、それぞれの生活空間に溶け込んだ伝統行事として祈願の内容も規模も様々であり、各地域の個性を存分に発揮した祭礼が繰り広げられる。しかし、能登の夏祭りは「キリコがでる」という共通項で繋がってもいるのである。
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7月から9月に能登を訪れるとかなりの確率でいずれかのキリコ祭りに巡りあえる。神輿を照らすキリコの灯をたどれば、能登半島の神々や原風景そして多くの人々と触れあう旅になるはずだ。
 
 
 
◆あばれ祭/能登町/7月第1金曜日・土曜日
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毎年能登の「キリコ祭り」の口火をきるのが、能登町宇出津地区の「あばれ祭」。県指定無形民俗文化財にも指定されているこの祭礼は、キリコや神輿が激しく暴れ回る豪快さが魅力。40基以上のキリコが火花を散らす柱松明の周りをまわりながら乱舞するさまは、見ているだけでも興奮すること間違いなし。
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さらに、あばれ祭の二日目は神輿も大活躍! 海や川に投げ込まれたり…
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火の中に放り込まれたり、ほかの祭りでは見たことがないほど激しい扱いをうけ、人々と神をつなぐ役割をまっとうする。
 
◆石崎奉燈祭/七尾市/8月第1土曜日
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能登半島国定公園の中心に位置する七尾市で行われる「石崎奉燈祭」。七尾湾に面した漁師町・石崎町のキリコは超弩迫力! 約100人によって担がれる高さ15m・幅3m・重さ2tのキリコが7基も登場し、勇ましく町内を練り歩く様は、一度見たら忘れられない光景となる。
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特に、日が暮れて灯りがともされたキリコが勢ぞろいする幻想的なクライマックスは必見!
 
◆宝立七夕キリコまつり/珠洲市/8月7日
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能登のシンボルとして定番の観光スポット「見附島」がある珠洲市宝立町鵜飼地区。この地域で行われる「宝立七夕キリコまつり」では、沖合の海上にある松明を目指してキリコが海を進んでいく。
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吹き流しや風鈴など涼やかな飾りをつけた高さ14mもあるキリコが海の上を乱舞する様は、勇壮さと美しさが混じりあう幻想的な空間を生みだし、見るものを惹きつける。
 
◆西海祭り/志賀町/8月14日
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漁業が盛んな志賀町西海地区で行われる「西海祭り」は、女性もキリコ担ぎに参加するのが伝統で、他のキリコ祭りとは異なる華やかさがある。
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しかし、祭りの見せ場は、坂を駆け上がったり、神輿とぶつかりあったりと勇壮そのもの。女性だけが担ぐキリコも勇ましく乱舞するさまは、他では味わえない感動をもたらすだろう。
 
◆沖波大漁祭り/穴水町/8月14日~15日
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穴水町沖波地区で開催される「沖波大漁祭り」は、クライマックスの会場が海水浴場。しかも「キリコ祭り」のなかでは珍しく、日中がクライマックスなのである。
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「沖波大漁太鼓」の響きとともに海へと向かい、海中で乱舞するキリコを、海水浴がてら見物することもできる。
 
◆輪島大祭/輪島市/8月22日~25日
%e9%87%8d%e8%94%b5%e7%a5%9e%e7%a4%be%e5%a4%a7%e7%a5%ad2_a輪島市中心部の4地区による4つの祭りを4日間にわたって開催するのが「輪島大祭」だ。ここで登場する輪島ならではの総漆塗りのキリコは必見。
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また、大松明の御幣を奪い合う「松明焚き上げ神事」や市の無形文化財にも指定されている「御神事太鼓」など、神事が行なわれるのも特徴。輪島は観光地としての利便性もあるため、初めてキリコ祭りを見物に行くならこの祭りがおすすめだ。
 
 
ここまで紹介した以外にも、夏の能登半島では個性的な灯籠神事があちらこちらで行われる。古からの伝承が色濃く残る「キリコ祭り」は、記録にも記憶にも残すべき無形民俗文化財であり、まさに日本遺産にふさわしい様々な物語がみえてくる。いつかの夏、その物語の登場人物となるべく、能登を訪れてはいかがだろう。
 
 
画像提供ならびに記事作成協力:石川県庁観光企画課

INFORMATION

地図

レポーター

恩田 正恒

町旅編集部

キリコ祭りはとてもバリエーションが多く、知れば知るほど興味が! 地元の人が撮影したと思われる動画も結構アップされていて、見はじめるとなかなかやめられないですよ。
また、能登にはキリコ祭り以外にも素晴らしいお祭りや観光スポットがありますので、各市町の観光案内HP(記事内リンクあり)もチェックしてみてください!

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