不定期連載 -歴史・文化・芸術の堆積「上野の山」を歩く⑧-

訪日外国人にも人気の「上野東照宮」は日光と異なる魅力アリ!
<東京都台東区>

ueno_c20前回紹介した上野動物園から東照宮が見えるのをご存じだろうか? 上野公園のメインストリートからは少しズレているのだが、動物園の正門からほんの少し南へ歩くと、森の中に「上野東照宮」の幟が連なる道が現れる。
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幟に沿って歩くと大きな石の鳥居があり、そこから先が「上野東照宮」。1627(寛永4)年に家康を祀る神社として寛永寺境内に創建されたあと、1651(慶安4)年に3代将軍家光により今の社殿が造られた。現在も江戸時代の面影を色濃く残し、国指定重要文化財も数多く見ることができる。
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日光東照宮に比べると知名度は低いが、地元では「ぼたんの名所」として名が通っており、
ueno_c22そして、家康が開いた江戸府内にある東照宮として、地域の人々から大切にされ続けている。
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ueno_c23d鳥居の先の門をくぐると両側に石燈籠がならんだ参道。石燈籠は約200基あり、そのほとんどは1651(慶安4)年(おそらく家光が改築した際)に、各地の諸大名から奉納されたもの。
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燈籠に刻まれた文字はいまでもしっかり読むことができ、寄進者の名前や役職、奉納年月を見て歩くと、江戸時代のことを思い浮かべずにはいられないはず。そして、すでに365年もの時間をつないでいる燈籠やそこに書かれた文字に、畏敬の念を覚えるだろう。
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ueno_c26b参道のつきあたりに国指定重要文化財の唐門(正式名称は唐破風造り四脚門)がある。金箔と彫刻できらびやかに装飾されたこの門までくると、日光東照宮のもつ華美なイメージと重なるのではないか。
ueno_c27東照宮の見どころでもある建築装飾は、ただの飾りではなく様々な意味があるそうだ。たとえば、日光の眠り猫で有名な左甚五郎作と言われる「昇り龍・降り龍」の彫刻は、立派な人物ほど頭を垂れるという教えから、頭が下を向いている方を昇り龍と呼ばれる。また、この龍には「夜になると不忍の池の水を飲みに行く」という伝説もあるが、こちらは単にデキが良いということなのだろうか?
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唐門の左手には、お札授与所と東照宮社殿へと続く参拝入口がある。お札授与所ではお守りなども売られていて、なかでも家康のイメージと結びつきやすい「他抜(たぬき)守」が人気のようだ。気になったのは、車のライトを反射する手裏剣型のリフレクターになっている「忍者守」で、外国人が喜んで買いそう。
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そういえば、唐門まえの「ご参拝の作法」は、日本語版と英語版の両方が貼られているし…
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振り返ると、参拝しているのは日本人より訪日外国人のほうが多いくらいであった。有名スポットが多い上野公園の中にあるため、他の名所の陰に隠れがちな「上野東照宮」だが、海外からの旅行客には結構知られているようである。外国人に人気になると、日本人も押し寄せるというパターンは結構あるので、上野東照宮もさらに参拝客が増えるのではないだろうか。
 
 
 
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余談になるが、上野東照宮の鳥居の隣では、まさに昭和の雰囲気を残す老舗「東照宮第一売店」が元気に営業中。店内でラーメンやカレーなどを食べている人が意外といたが、ココはさすがに外国人にはハードルが高いようだった。いや、日本人にもかな?

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レポーター

恩田 正恒

今回の記事で最後に紹介した「東照宮第一売店」。初回取材時は閉まっていたため、もはや営業されていないと思ったのですが、後日通りかかったら、元気に営業してらっしゃいました!
これからもできるだけ続けていって頂きたいものです。

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