【谷根千さんぽ①】江戸から昭和まで。古さと新しさが同居するレトロな町並み
〈東京都台東区〉

「谷根千(やねせん)」の愛称で親しまれ、最近では海外からの旅行者のあいだでも人気の下町として知られる『谷中・根津・千駄木』。このあたりは、震災・戦災をまぬがれた古い建物が多く残り、江戸や昭和の風情が味わえる東京では数少なくなった貴重なエリアです。今回はこの谷根千の古い歴史や情緒を感じさせる建物を中心に訪ね歩いてみました。
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まずは日暮里駅に近いところにある延命院です。重厚感のある石門から長く伸びた境内は、立体的で奥行きのある眺めでパッと目を引きます。ここの開基(かいき)は四代将軍徳川家綱の乳母・三沢局(みさわのつぼね)で、家綱出生の際に安産を祈祷した慧照院(えしょういん)日長が、三沢局の信施(しんせ)を受けて甲州身延山の七面大明神(しちめんだいみょうじん)を勧請(かんじょう)し、1648年(慶安元年)に別当寺(べっとうじ)として開創したと言います。
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この延命院でもっとも有名なのは境内にある樹齢600年の巨大なシイの樹です。が、訪れた時(9月)は本堂の前に咲く藪蘭(ヤブラン)が日本情緒たっぷりの絵になる風致を見せていました。
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その先にある「経王寺(きょうおうじ)」は、明暦元年(1655)創建の日蓮宗の寺院で大黒山と号し、境内の大黒堂には日蓮上人作という大黒天が祀られています。
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また、この寺の山門には上野戦争で敗走した彰義隊士たちが逃げ込んだ時に、追ってきた新政府軍からの銃撃を受けた弾痕が生々しく残っており、維新の意味を見る者に深く問いかけます。
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経王寺を過ぎ、すぐ先の路地に目をやると、昭和初期の建築と思われる木造の日本家屋とブロック塀が。「サユリ美容室」の味のある昭和レトロな看板と一体となって、こちらも魅力的な一角です。
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さらに進むと二股に分かれた道に出ます。ここを右へ行くと谷中銀座が見えてきます。この二股のポイントもなにか独特の雰囲気。主人公の人生が大きな岐路にさしかかる時、ここに立てば?「ベタな演出」と呼ばれる昼ドラのワンシーンにもなりそう?
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さらにちょっと奥に進むと道路にドテっと腹をつけ、シブめの表情でまったりしている猫さんを発見!近所の人たちから「ミッちゃ〜ん」と声がかかるのを見ると?さてはこのあたりの猫さんのようです。
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名所の「夕焼けだんだん」を下って、谷中銀座の商店街へ。
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谷中銀座の商店街の中で、もっとも昭和レトロを感じるお気に入りは、こちらの『美容室たてやま』。ハイカラな着物姿のおキャンな娘が店の前でポーズをつければ?今ドキのおしゃれ雑誌の表紙にだってなりそうです。
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さらに昭和レトロな雰囲気の店を探し求めて歩くこと5分。谷中銀座を通り抜け、よみせ通りに出て、三崎坂(さんさきざか)の途中にあるこの店はその名も「さんさき坂カフェ」。昭和の雰囲気と下町っぽさの両方が感じられる魅力。軒のブルーの板目のフェード(退色)感もたまりません。
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その並びにある創業明治8(1985)年の菊見せんべい総本店は、谷根千ではハズせないと言われている老舗の1つ。この店の屋号は明治時代に団子坂名物の菊人形を見に詰めかけた大ぜいのお客さんのお土産用として作られたことに由来するそう。純和風の町家ふうの店構えは日本人だけではなく多くの外国人観光客も魅了して止まないようです。
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昔ながらの大きな丸い蓋つきのガラス瓶に入れて陳列されたせんべいは、日本人にはノスタルジーを、外国人にも「和の魅力」を強く印象づけるようです。
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さて今回の最終地は大円寺としました。笠森おせんと鈴木春信の碑があるお寺です。童女の手毬唄にも歌われた笠森おせんは、明和年間、錦絵の開祖と言われる鈴木春信に描かれたことにより、江戸中にその名を知られる存在となったそう。有名な「江戸の三大美女」の1人をひと目見ようと笠森の茶屋には当時行列ができたそうです。笠森神社前におせんの茶屋があった縁で、その笠森神社を合祀している大円寺に現在二人の碑があるというワケ。歴史を知ると、お寺廻りもグンと魅力が増しますネ。
 
写真:乃梨花

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乃梨花(「町旅」女子部)

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