A・サトウが心から愛した「絵に描いたような風景」【英国大使館別荘記念公園②】
〈栃木県日光市〉

2階の広縁からも、サトウが愛した中禅寺湖畔の「絵に描いたような風景」をはるか彼方まで見渡せます。彼が別荘の建設地として選んだこの高台は、どこまでも続くような奥行きのある水面を一望し、その湖越しに白根山を望むことができる湖畔で絶好のロケーションです。
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そもそも候補地には、もっと工事しやすい場所が多くあったにもかかわらず、舟が主な移動手段となるこの不便な敷地に三段テラスまで造成して、サトウは別荘を建てました。山好きのサトウにとって、東京からも見えるこの奥日光の白根山は思い入れのある特別な山だったのです。
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サトウは1895年(明治28)に特命全権公使として日本へ戻って来ると、翌年には早くも別荘を完成させ、離日するまでの5年間に200日以上滞在するほど、この地を愛し続けました。父サトウの影響で、登山と植物学の道に開眼し、やがて日本を代表する植物学者/登山家となる次男の武田久吉氏ともこの地で多くの時をともに過ごしたであろうことは想像に難くありません。
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来園者が思い思いに過ごせる座り心地の良いソファーが並ぶ2階の広縁。見晴らしの良い絶好のロケーションの中でさわやかな風にあたりながらくつろいでいると、まるで高級リゾート地にいるよう。つかのまの贅沢気分を味わうもよし、充実したサトウ関連の蔵書をソファーに身を沈めながら、ゆっくり読むのも快適です。
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2階はサトウが活躍した、英国・ビクトリア朝時代の文化についての展示をしています。ヴィクトリア朝時代は、産業革命により経済が発展した英国の絶頂期でした。また、英国の文化芸術が花開いた黄金期でもあり、その一つが「アーツ・アンド・クラフツ運動」です。
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このデザイン運動は、ジョンラスキンの思想に深く影響を受けたウィリアム・モリスの主導によるもので、手仕事の復興と産業デザインの改良を目指しました。別荘では今日でも人気の高いモリスのデザインによるクロスを壁に用いたり、他にも同運動で生まれた美しい作品の展示が見られます。また、ビクトリア朝中期に貴族の間で起こった文化であるアフタヌーンティーの紹介も。本場の味の英国スコーンを楽しみながら併設のティールームでゆっくりお茶(アフタヌーンティー)するのも、素敵です。
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ギャラリーのような室内で美しく展示された美術品を見たり、蔵書の中から気になる本に目を通したり、ゆったりソファーに身を沈め美しい景色を心ゆくまで堪能した後は、英国式アフタヌーンティーで午後の紅茶と美味しいスコーン・・。ぜひまた訪れたい場所です。
 
写真:乃梨花

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乃梨花(「町旅」女子部)

ひとり暮らしの猫飼い人ゆえの
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