重伝建地区のひとつの完成形、美しい倉敷の町並み
<岡山県倉敷市>

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昭和50年にスタートした文化庁の伝統的建造物群保存地区制度、その3年目・昭和54年に早々と選定されたのがこの倉敷川畔地区である。以来着々と整備がすすめられた町並みは、まるで映画のセットのように美しい。倉敷駅からのアクセスがよいこともあって、いまやたくさんの観光客が訪れるスポットになっている。
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当地は、1584年より新田開発がはじまり、1642年には幕府直轄地のいわゆる天領となった。周辺新田開発の中心地であり、また物資輸送の集散地として繁栄し、人口が急増するとともに有力な商人もあらわれ、本瓦葺塗屋造りの町屋と土蔵造りの蔵などを中心とした町並が形成された。約400年にもおよぶ歴史の町がいまに残るのは、天災や戦災を免れたこともあるが、なによりこの町並の貴重な歴史的価値に早くから注目し、保存の努力を続けてきた地元の方々の町を愛するプライドがあったからだ。
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柳の並木が見事な倉敷川のむこうに見える町並みは、絵に描かれたように美しい。
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保存地区のちょうど中心部、中橋のたもと。とてもよい風情を醸し出している。
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写真左上の中央、コンクリートの小屋のようなのが公衆トイレ。半地下に掘り下げられ、周辺景観を邪魔しない工夫がされている。左下、なまこ壁。瓦を壁に貼り付けて、漆喰を盛り上げてその目地を埋めたもの。一般になまこ壁は、斜線が交差する筋違い目地が多いような気がするが、ここでは垂直・水平線の一文字目地がけっこう使われている。腰板塀のつづく路地も、閑静な雰囲気で素敵だ。
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阿智神社への登り口にある、やきとり高田屋さん。建物の雰囲気がいいのはもとより、リーズナブル!&旨い!という評判の店。
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阿智神社へ登る石段から見る町並みはまた格別。いらかの連なる様は、いまでは貴重な景観でもある。
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倉敷発祥の企業として有名なクラボウやクラレ。ここアイビースクエアは、その倉敷紡績の旧工場を観光施設として再生したもの。ホテルやレストラン、博物館などの文化施設の複合施設である。写真はレンガ造りの児島虎次郎記念館。
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写真左上のオルゴールミュゼでは、アンティークオルゴールの展示およびその音色を楽しむことができる。
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倉敷民藝館の建物は、江戸時代後期に建てられた米倉。外壁は白壁に貼り瓦、屋根は和瓦の本葺きで、この地方の典型的な土蔵作り。火事・風雨・盗難・湿気等から物財を守る工夫が随所に。水害を避けるため建物自体が他の町屋より高い位置にあるが、基礎の石積みも面白い。
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かつて水運で栄えたという河川と白壁のコントラストが見事。
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ほかにも紹介しきれない見所はたくさんある。いわゆる町歩きビギナーの人にも十分楽しめるような観光要素が充実している。制度発足より約40年、重伝建地区のひとつの成功モデルがここにあるといえる。
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レポーター

岡崎 聡

「町旅」編集部
八月初旬、倉敷の昼下がりは、ひたすら暑かった。これもその土地の気候風土を実感するためと納得?

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