天守からの眺望は絶景!国宝「犬山城」と城下町を歩く
<愛知県犬山市>

織田信長の叔父である織田信康により、1537年に築城されたと伝えられる「犬山城」。小牧・長久手の戦いでは、小牧山の徳川家康と対峙した羽柴秀吉がこの城に入って戦ったといわれる。江戸時代に入ってからは成瀬家が城主として代々この城を守り、明治維新以降ブランクはあったものの、2004年まで成瀬家の個人所有として守られてきたというのも珍しい。現存する天守では、最古のものといわれている。
DSC_0201
大きな天守ではないが、木曽川沿いの小高い丘に聳える気品ある姿を見ると、よくぞ残ったものだと思える。
DSC_0206
天守の中へ入ると、そのかわいらしい外観からは意外と思えるほど、内部空間が広々していて驚く。
DSC_0207
けっこう幅のある武者走(廊下)と案外と高い天井が、余裕のある大きな空間をつくっている。
DSC_0214
そしてなにより、望楼からの眺めは最高である。木曽川の川下側には、堰となっているライン大橋、そのむこうに伊木山が見える。
DSC_0217
また上流側を見渡すと、ツインブリッジといわれる犬山橋が、そして天気が良ければはるかに御嶽山が見えるという。
DSC_0215
城というのもは、もちろん戦に有利な立地を綿密に考ることはもとよりだが、周囲に対しての権威の象徴でもあると同時に、また領地を見晴らすという城主の責任とプライドを考えて造られているのだろう。
DSC_0198
城山の入口にあるのが、三光稲荷神社(さんこういなりじんじゃ)。城主成瀬家歴代の守護神といわれる。現在の場所には、昭和39年に移築されたのだという。
DSC_0225
さて神社の前から、まっすぐに続いている本町通りが犬山散策のメインコースだ。電柱が地中化された通りには、江戸風情の町並みがよく保存されている。まずレトロな佇まいが目を引くのが、雑貨等を扱う「なつかしや」さん。軽食・喫茶もやっている。
DSC_0232
脇の路地もなかなかいい感じ。軒下の裸電球の傘が、なんとも昭和な雰囲気。
DSC_0236
登録有形文化財である旧磯部家住宅は内部も公開されているので、ぜひ立ち寄ってみたいスポット。元は呉服屋さんということで、主屋は幕末の建築といわれる。
DSC_0237
なんといっても、この建物の特徴は、この屋根だろう。いわゆる「むくり屋根」といわれるもので、屋根が凸状に膨らんでいる造り。普通の民家の屋根は、だいたい反りのない直線屋根。社寺などでは、大陸の影響と言われる反り屋根が多い。反り屋根は権威の象徴でもある。これに対して「むくり屋根」は日本独自の屋根の形状といわれ、代表的な例は桂離宮で、はじめは公家が好んで用いたようだが、中世以降大陸の影響を脱した日本固有の美意識を表している。権威ではなくむしろ謙譲を表現するともいわれ、江戸時代には商家などにも多く取り入れられている。もちろん「反り」にしろ「むくり」にしろ、平板な屋根に比べ高度な技術が要求されることはいうまでもない。
犬山は名古屋から名鉄で約30分ほど、小さな城とこじんまりした町並み、ちょっと散策するにはおすすめの町である。

INFORMATION

地図

レポーター

岡崎 聡

「町旅」編集部

関連タグ

関連記事

エリア

(Categories)

タグ

(Keywords)

すべてのタグを見る

おすすめ記事